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エディターの仕事について

私は会社でエディターという肩書で仕事をしています。もともとはコピーライターとして働いていて、途中でより広く世の中を編集していくんだ、ということでエディターという職種に代わりました。

以前の記事でお話したように、基本はチームで課題解決を行います。その中で、私自身がエディターとして醍醐味だと思う仕事内容をご紹介させてください。

1.コンセプトワードを考える

色んな課題を解決する観点・考え方であるコンセプトは非常に大事で、チームを、クライアントを、時に顧客を同じ方向に示す指針になります。だからこそ意図を捉え、やるべき事が伝わり、施策内容を串刺しするコンセプトワードは非常に重要です。みんなが「コンセプトは○○だから、こうしよう」となれることです。これがそのまま施策のタイトルになることもあるときもあれば、内々の提案書の中だけの言葉になることもあります。でも、取り組みをまとめ役のような大事なものだと思っています。


2.キャッチコピーを書く

私はもともとこのキャッチコピーが書きたくて広告業界に入りました。小さな頃から目指していたという理由ではなく、就職というものを考えた時にどんな職業につこうかと考えていた時にあることを思い出したのです。
それは、中学生の時に配られた「いじめ撲滅の広告カード」。そこには、当時大人気だったJリーガーの前園さんと「いじめ、カッコ悪い」という言葉がありました。こう言ったら確かに響くなぁと妙に納得し、ちょっと感激したことを思い出したのです。そうして「伝え方」に興味が湧き、コピーライターという職業を目指すようになりました。

いじめが「悪い」ことは皆知っていたこと。
ただ、「かっこ悪い」と伝えることは新しいと感じました。

キャッチコピーは、企業と顧客の間にたって、しっかりと商品や想いを届ける役割があります。顧客に振り向いてもらうため、どんな言葉が良いのかをとにかく考えます。それは、愛情表現と似ているかもしれません。これだ!という言葉が思いついた時はすごく嬉しいものです。

私が好きなトンボのキャッチコピー。消しゴムを使う人の直向きさが感じられて、
ボディコピーも含め文具への愛着が湧く広告だと思います。
宝島社のキャッチコピー、世界観含め当時衝撃的でした。
世の中を見つめ、企業の責めの姿勢を強く感じるキャッチコピー。
キャッチコピーを考えるとき、よく参考にするのは音楽の歌詞。
ふと口にするようなフレーズであれたらいいなと思います。
行き詰まった時に一番聴くのはスピッツ。草野さんはほんとに天才。


3.編集をし、ストーリーをつくる

エディターという名の通り、編集も行います。ざっくり言うと編集は、さまざまな素材があるなかで、どんなテーマにし、切り口や構成を考え、どんな素材や言葉を使うかを考えます。これは冊子やウェブなどはもちろんですが、プロジェクトや企画書なども同様だと思っています。大きな意味で、数多ある情報をどんな風にまとめて個性を出し、顧客に届けていくかということです。

手にとった時、どんな風に受け手の気持ちが動いて、その先にどんなアクションが起きるのか。そういった人の心情・行動を思い描くことです。だからこそ点でなく面で捉えたストーリーメイクがエディターの腕の見せどころだと思っています。

冊子やウェブ、企画書もまずは全体像を掴むためipadで流れを書き、
提案のストーリーをまとめることが多いです。
アイデアに行き詰まったら気分転換がてら、
本屋さんで雑誌をパラパラ見ながら、参考にすることもあります。
雑誌の中だとGINZAやPOPEYEの切り口や編集が好き。


他にも色々業務はありますが、この3つが特にエディターとして私が重きを置いていることです。というよりも、好きな仕事です。「何を、どう伝えるか」はこの職業の醍醐味。うまくいかないことも多々ありますが、自分でより良いイメージを描いて、実際のカタチにしていく作業は楽しいものです。年齢やキャリアを重ねても、基本はこの「何を、どう伝えるか」をベースにしていきたいと思っています。


文:田嶋 幸子
Editor/Producer
Japan Life Design Systems
Life Design Creative Strategy


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