サイクルリキシャーは高速道路に侵入、巨大なトラック野郎を手で制し向こうへ渡る
インドのバラナシに滞在ちゅうに、バーティチョーカレストランという店が美味しいと聞き、さっそく出発。
大通りに出ると、「リキシャー?リキシャー?」と声がかかります。
相談してみると、サイクルリキシャーでも行けると言います。
「遠いいよ?オートリキシャーじゃないと無理じゃない?大丈夫?」と心配しましたが、行くと言います。
遠そうなので、若いサイクルリキシャーが担当です。
値段交渉して出発。
夕方、暗くなり始めた時間。
走り始めると、牛やヤギが帰宅する様子が見えます。
人々が買い物をしていたり、屋台で食事している黄昏どき、、、、
サイクルリキシャーが、ひたすらひたすら細いガタガタ道を走った先の突き当りに、いきなり高速道路がドーンと現れました。
目的地はこの向こう側だと言うのです。
そして、この巨大な道路の端を、キコキコ漕いで高速道路内に入り、料金所の手前で並んで待っている、いかついトラック野郎に手で合図して、手で制止して、トラックの列を一つ一つクリアして、向こう側に渡ったのでした。
けっこうな時間をかけて、5車線ほどあったでしょうか。
あみだくじの線をなぞるように。
私は「えー!?どうするのー!?そんなー!?わたれるのー!?」と言い続けていました。
まさか高速道路を、しかも巨大なトラックばかりが並んでいるところを渡るとは思いもよらず。
しかもすでに夜でした。
街灯もないなか、もうもうと土埃が舞い、それをトラックのヘッドライトが照らしています。
まるでインド映画の犯罪もののワンシーンのようでした。
渡り切ったとき、彼は、「ほら!できたでしょー」
みたいな笑顔で振り向いて、ドヤ顔でした。
なにが巨大って、道路もですがトラックが巨大サイズばかり。
インドじゅう走ってるんじゃないか?みたいな年季の入った大迫力のデコトラです。
見上げるようなトラックの間を、小さなリキシャーがくぐり抜けていく様子を想像できるでしょうか?
なんてタフなんだろう!とびっくりするやら感心するやらです。
思わず日本語で「すごーい!」と言っていました。
渡った後、目に入ったのは目的のバーティチョーカレストラン。
リキシャーには、交渉した値段よりもかなり弾んで渡しました。
彼は、また高速道路を渡って帰らなければならないのですから。
インドでは、ちょっと先で、どんなシーンになるのか予想がつかないことがありますね。
そして、レストランで美味しい食事をしたあと、
なんと私は、この高速道路を歩いて渡ったのでした。
レストランの案内人が、「大丈夫、渡れる」と言い、出だしだけ助けてもらったら、なんとか渡ることができました。