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インドで乗ったローカルバスが、女性は無料だった

インドの旅ちゅうに、たくさんのバスに乗りました。そしてその分思い出もたくさん。
その中のひとつに、乗ってみたバスで「女性はタダだよ」と言われて、???となったことがあります。しかもかなりの頻度で。
 初めてその体験をしたのは、南インドのマドゥライでした。
インドのローカルバスの料金支払いは、乗ってから車掌さんが声をかけてくれて、行先を伝えると、料金が表示されている切符を渡されます。そして支払いをします。
ところが、とあるバスで、行先を伝えたら切符を渡されましたが、料金を聞いても「フリーフリー」と。
確かに切符に料金の数字が表示されていません。(写真にある右から二番目の切符)
ローカルバスの車掌さんはとっても忙しそうで、その理由を聞く余裕はありませんでした。
 私は、旅行者を呼び込むため???ぐらいしか思いつかず…

その後、ホテルに戻ってから従業員に、このなぜ?を聞いてみると…
現地語しか話さない人も多く、「オレはダメだからアイツに聞け」と言われて、結局3人目の若い男性が答えてくれました。
答えは……
「女性はフリーなんだよ。ピンク色のバスは全部フリー」
そこまでが、やっとでした。
私の英語は片言、現地の言葉も話せないことから、それ以上は聞けませんでした。
 いずれにしても、当然旅行者向けではなく、女性に対する何らかの支援制度のようだとわかりました。

 その後、帰国してから2か月近く経ったころ、ネット上でこのことについての記事が舞い込んできました。
その記事によると、2023年から始まった制度で、女性の社会進出の助けや促しにつなげるのが目的のようです。
 働く女性の、少ない賃金から交通費を捻出することは大変だから、ということからのようです。
 私は、ただの海外からの旅行者でしたが、同じ女性としてこの制度に混ぜてもらっていたようです。その点で、とてもおおらかな感じですね。
しかも、たまたまこの制度が開始された直後に、私もあやかったようでした。

 この記事を見つけたとき、ほんとうに嬉しかったのです。
なぜかと言うと、バスの車体や、どこかの壁などに、制度の説明書きがあったかもしれませんが、現地の文字がまったくわからなかったことで、いつまでも疑問が解決しなかったから。
 また、私が女性だからこそ体験したことです。男性旅行者だとこの体験はしないので、制度の存在に気が付くこともなく話題にならない…
「なんだかわからないけど、女性はタダなのよ?」と男性旅行者に話したことがありますが「え~!?なんで??いいな~!!」というところで終わっていました。
 私は女性の一人旅。
たった一人で、???を抱えたままでした。
でも、それも旅の醍醐味ですね。
女性の旅行者だったからこその体験と疑問、そして後から知ったその理由。
旅は行ってみなければわからないことがいっぱいだからこそ面白いということです。

 それから、さらに伝えたいことは、異国を旅する者として、とても嬉しかったということです。
私の英語は片言、現地の言葉もまったくわからない、そんなインドの地を旅することは大変なことがいっぱいです。
 バスの料金は払ったとしても、日本からしたら安くて、でもその金額の問題ではないのです。
道に迷ってばかりのなか、乗ったバスでこの恩恵を受けたことは、大きな癒しになりました。
高齢女性も、若い女性も、そして私のような海外からの旅行者も、女性というくくりでこの制度にあやかれるとは……ステキな計らいです。
 今でもありがとうと言いたい気持ちでいっぱいです。
だから男性旅行者が「いいな~!!」と言う気持ちも理解できるのです。自分で選んだ旅とは言え、海外での一人旅はときに緊張感にあふれ疲れますからね。ましてや長期の旅行者は、節約しながら移動していますから。

バスの思い出は、まだまだたくさんあります。
すこしづつ綴っていこうと思います。


参考になった記事→
「移動の自由」が社会の活力に─インドで進む「女性の公共交通無料化」 | 通勤もレジャーも容易に | クーリエ・ジャポン (courrier.jp)




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