価値を生まない仕事こそロボット化すべし
こんにちは、最近いろんな方と話をする機会があり、いわゆる自動化の流れの中でロボットはどう活用すべきかという話で、毎度盛り上がります。
一般的に経営層からみると、ロボットを導入するのは困難となっている労働人口確保に変わる手段としてであり、更には人のように文句を言わずに高効率な生産をしてくれる、そう夢見ている場合が多いですね。
今回はそれらについて、生産技術目線でお話をしていきましょう。
生産の基本はトヨタ生産方式にあり
生産ラインの考え方としては、日本の工場ではやはりトヨタ生産方式が基準に考えられていることが多いと思います。
簡単に言えば、徹底的なムダを省き動作は最小にして作業の効率化を図るってことですね。
徹底的なムダを省くが基本中の基本。
それでは、そんな考えを基本とした場合にロボットを導入すると、どんなふうになってしまうと思いますか?
単純に協調型ロボットを導入して、ラインに組み込んでしまうと、人作業の流れを阻害することになってしまい、生産ラインとしてのパフォーマンスが低下してしまいます。
そうなると、残念ながら生産性改善どころではなくなってしまいますよね。
効率が上がると思い導入したロボットのせいで、生産性が悪化してしまえば本末転倒ですね。
そう、やはりロボットの導入にあたってもトヨタ生産方式の考え方を用いて、ロボットの特徴を活かす方法を考えなければいけません。
ロボットを導入する条件は?
今までの多くの事例から考えても、現状のロボットは1台では人と同じような作業動作を実現することは、はっきり言ってできません。多分、数台のロボットが無いと、同じ速度で作業することはできないでしょう。
人独りを削減するのに、ロボットが数台も必要では投資対効果からみても不適切になります。
では、ロボットを導入するに当たりどのような条件で判断すればよいのでしょうか?
1.価値を生まない作業に対してロボットを適用する
これは、作業することににより部品が価値を持っていくような作業、つまり組み立てのような作業には速度と台数の問題からロボット適用は難しい。
それならば、物を次工程に移すとか、部品トレーから部品を取り出しセットするなどの、その動作自体は価値を産まないような動作要素にロボットを適用させるということ。
2.改善作業を適用しても、人が1名以上削減できないような作業に適用
人による改善では、1名以上の削減ができないので、1名以上できない場合にはなかなか適用できない場合があるので、ロボットにその作業を點せ複数ラインを担当させることにより、1名以上の削減に結びつける。
特に、トヨタ生産方式から考えても、人は価値を生む作業に専念し価値を生まない作業はすべてロボットが実行する。
この棲み分けにより、人は更なる生産性向上の施策を適用でき、ものづくりに専念することができるのです。
まとめ
ロボットの導入について考えてきましたが、現在の作業現場を見てみると、それは本当に人がやるような作業なの?と疑問視するようなケースも多々見られます。
人は人の価値としてやるべき仕事が必ずはるはずです。人を人として扱わないような作業は、海外労働者でも嫌になって長続きはしません。
そうゆうことも同時に考えていくと、IE手法を用いて作業を要素動作分析を実施し、価値のある作業都内作業を明確にまずは振り分けます。
その価値のある作業を人が実施し、価値のない作業をロボットが実行する工程設計をするべきですね。
その際にも、人の作業の流れやリズムを阻害しないような工程設計を行い、ロボットはひたすら価値の生まれない作業に徹底する。
こういう事が最も重要なのです。
今まで価値を生まない作業に関わっていた人員を、価値の有る新たな作業へ転換を検討し、新しい仕事を取り込んでいけば会社としては、効率化対象の製品は効率化されてコストダウンが図れ、かつ新規の仕事を取り込むことで売上が拡大するという二重の効果につながるんです。
目先の改善だけでなく、会社事業の全体という目線でも見る必要があるのだと思います。
価値を生まない作業にこそロボット化を促進すべし