お客様満足度向上コンサル22年目の今~CSを語ろう「サービスのチェーン」ver.三越
携帯業界・通販・塾・クリニック・銀行・ショッピングモール・郵便局・ホテル・レストランなどにてお客様満足度向上コンサルティング20年以上の実績から弊社(JK22)コンサルタントがお届けします。
今回は「サービスのチェーン」についてレポートします。
お客様は感じています
電話の感じは良かったのに…お店に来てみたら「感じが悪い」。
ネットでは良いお店に見えたのに…実際に来てみたら「感じが悪い」。
これは、会社側・お店側がお客様の In と Outを理解していないからでしょう。
In(イン)とOut(アウト)は、お客様と会社・店舗との接点(コンタクトポイント)の始まりと終わりを指しているんです。
コンタクトポイントとは、対面や対話だけでなく、メールでの問い合わせやお客様がお店のサイトを閲覧することも含まれます。
このコンタクトポイントによって、お客様はあえて言うなら勝手に想像し勝手な期待を抱くのです。
そんなこと無理!そんなサービスはない!と反論したくなる期待値であっても、お客様は勝手に期待を抱きます。
そしてその期待に対する実際の対応が良ければ良い印象=良いお店となり、期待に対する実際の対応が悪ければ悪い印象=悪いお店となるというわけです。
すべてはお客様のもつイメージなのです。
想像なのです。
こんなお店だろう、サービスが良さそう、人も親切そうだし、頼れそう…
しかし、これは企業・店舗からみれば大成功です!
お客様から期待されないお店や企業は終わりです。
ダメそうなお店を利用しますか?
感じの悪そうな店、信用できそうにない人、、
良さそうなお店や魅力ある人がいるお店があふれる世の中、わざわざ、悪い印象のお店には行きません。
まずは、お客様に選択されることが必要です。その意味では、魅力あるサイト作りやキャンペーンなどが必須であることは確かです。
加えて、日頃の社会CSも意識することが求められます。日頃の社会からの評価がお客様に安心感や信頼感を与えます。
社員やスタッフの行動や発言に気を配っていますか?
会社の社章をつけたまま、会社の名前入りの封筒やバックを持ったまま、お店の制服のまま…
社会は見ています。見られているという意識で行動しているでしょうか。
これも重要なコンタクトポイントです。
というように、お客様との接点はあらゆるところにあり、お客様との関係はすでにIn(イン)、始まっているのです。
興味をもったお客様が問い合わせをしてくれる、お店に来店してくれる、そこで見たこと聞いたこと感じたことの全てが、そのお客様の抱いていた期待に対してどうであったか、がお客様がまた自社を利用くださるかの決断につながるのです。
ここでサービスのチェーンです。
サービスのチェーン、それはサービスの連鎖性です。
お客様とのコンタクトポイントを良いものにしていかねばなりません。
一回一回、接する人によってリレー式にお客様満足のバトンをつないでいかなければいけません。
そうでなければ、お客様は途中退場されます。これこそがOut(アウト)、お客様とのチェーンが切れた状態。
せっかく良い関係を築けていても、次の接点、違うスタッフとの接点によって、その築かれていたチェーン(鎖)が切れてしまう。
チェーンが切れるという状況は、「お客様の期待」に対する「実際の対応」がお客様の期待よりも下回ったという事を指しています。
お客様が期待する対応>実際の対応=お客様を失う
せっかく築いた信頼というチェーンが、切れてしまう。こうしてお客様を失ってしまうのです。
今や、お客様をつなぎとめていくことは簡単なことではありません。
お客様には無数の選択肢があり、しかも次々とより魅力的な選択肢が出てきます。同じように、消える選択肢も多いということです。
今こそ、目の前のお客様に対して誠心誠意、接していくことが大切だとお分かりいただけると思います。
このサービスのチェーンをつないでいくことは、社内、店舗内でお客様に関することを共有することはもちろん、
自分の担当ではないからといってお客様をたらい回しにしたり、いい加減な態度で接したりすることはあってはなりません。
今回のサービスのチェーンの考え方、いかがでしたでしょうか。お役にたてば嬉しいです。
最後に、最近の私の体験をお話ししますね。興味のある方はぜひお目通し下さればと思います。
銀座三越デパートでの出来事です。
三越といえば「三越伊勢丹グループ」。同社のグループ経営計画には下記のように書かれています。
「人と時代をつなぐ三越伊勢丹グループはIT・店舗・人の力を利用した新時代の百貨店プラットフォーマーである」
そして「私たちの考え方」として下記のようにも書かれています。
「人と時代をつなぐ三越伊勢丹グループ、
変化せよ。
1.データが自分を作る
2.時代より先に変わろう。
3.他者が私を新しくする。
be a newone. 」
あなたなら、ここからどんなことを感じ取りますか?
では、紹介しますね私の体験を…
銀座三越の靴売り場でパンプスを見ていました。前の週に伊勢丹新宿で見たパンプスを試着してみようと思いました。同じブランドのコーナーに行って探してみると、私がみた色のものがありませんでした。
その色が特に気に入っていたので、店員の方に確かにその色があるはずと訊ねたところ、その色は作られていない、よって発売もされていない、と言われました。
否定されたことにちょっと腹立ちました。
(では私が見たあれは何だったのか!)
確かに伊勢丹新宿の靴売り場で見たんですが、他にも色違いのパンプスも出てました、こちらにあるのと同じものですよ。でも、私が気にいったブルーの色は置いてないということですか?そもそも「ない」ということですか…
などというやり取りをして、ダブルで気落ちしました。買い求めようと思っていた商品がないということ、
そして、そもそもそんなものは存在しないと言われたこと。
分かりました…と言ってその売り場を離れ、しばらく他の売り場をぼんやりと歩いていました。靴売り場から離れてだいぶ歩いていました。
するとそこへ、先程の店員さんが現れ、お店用のカタログのようなものを開いて差し出しました。
「お客様が伊勢丹でご覧いただいたのは、こちらのブルーのパンプスではないでしょうか」と。
そうです!と私が言うと、店員さんは安堵した表情で「こちらでしたらございます」と!
(えっ?ないのでは?私が見たものは幻想だったのでしょ?)
店員さん曰く、伊勢丹新宿に問い合わせたところ、該当するブランドの売り場にあったそうです。
ブルーの色のものが。ただし、ブランド違いだったそうです。見た目にはほぼ同じようなデザインで同じ棚に並べてありましたが、ちょうどブランドが変わる境目(違うブランドが隣から置かれているちょうどそのはじっこ)同士だったため、同じブランドに見えてしまっている。そうで…
「紛らわしい陳列で申し訳ありませんでした」と謝ってくださいました。
が、私としては、わざわざ伊勢丹に聞いて確認したんだ、と思いました。しかもこの短時間に。そして何より、私の幻想ではないことが晴れて証明されました!
ブルーのパンプスが無いと分かった時、あの時(伊勢丹で)買っておけばよかった…なぜ買わなかったのか、という大きな後悔の気持ちでいっぱいになっていました。そこへ朗報が届き、三越の店員さんの対応に感謝したのです。
私は思ったのです…このデパートはお客さんのためにできることはやるデパートだ、と。
一人のお客が見たという商品をそこまで探す、それは当たり前でしょうか?いや、スルーすることのほうが多いのではないでしょうか。
けれど、三越では当たり前のこと、なのだと思います。
これこそ三越の流儀ではないでしょうか。
三越と伊勢丹の連携、互いにお客様の要望に応えたいという思い。スピーディーな対応。目の前のお客様の満足。
こんなふうにして三越のファンが増えていくのでしょう。
そしてそのファンの期待に応え続けていく、それによって、同社はますます素晴らしい集団・素晴らしい場所になっていくのだと思います。
期待に応えたい、次にどのような期待が待っているのか、期待の先取りをしながら、全身全霊で臨むからこそのやりがい、働き甲斐が原動力であると信じています。
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