子育て、今思えば……。体に残る記憶を、残せたかな
先日、超久々にボーリングをしました。友人と私の夫と、50代3人のチームです。全員10年以上やっていなかった状態で、肩とか腰とかそれぞれ気になる場所をかばいながらも、しっかりと楽しみました。
スコアはとても人に言えるようなものではありませんでしたが、私にとってボーリングは割と気楽に楽しめるスポーツ。体育の授業以外ほとんど運動とは縁がなかったけれど、ボーリングは父が好きだったこともあって(若い頃に大流行し、大会に出た際の優勝カップが家に飾ってあった)、小さい頃からときどき近くのボーリング場に行っていました。
というわけで、全然うまくはないけれど、ガーターが続くようなこともありません。技術も何もないのですが、小さい頃父に習った基本のようなものが体にしみついているのだと思います。
父にはとにかく「まっすぐ投げること」を教わりました。難しいことは考えず、腕を振り子のように振って、てのひらが真正面に向くように投げればいい、と。それで、だいたいうまくいくのです。今回もそうでした。
「お父さんありがとう。数十年前の教えがまだ役に立ってるよ」と心の中でつぶやきつつ、考えてみると父にはこんな風に教わったことがいくつかあるなと思いました。
鉄棒もそう。足かけ回りができなくて練習に付き合ってもらっていたとき、「お腹に力を入れて」と言われたらすぐコツをつかめました。
アイススケートもそう。バランスが取れず氷の上に立ってもいられなかったとき、「とにかく足をハの字にして、背中を丸める」と教わったら、転ばなくなりました。この教えは、息子が初めてアイススケートをした時にも伝授して、役に立ちました!
亡き父は、いわゆる学のない人。田舎の貧しい家に育ち、中学校しか出ておらず、「勉強は嫌いだったし、できなかった」そう。だから勉強を教わったことは一度もありません。でも、運動神経はいいし、とにかくよく遊んでくれました。お正月はこたつでトランプとか花札とか、ずっとしていたな。
私は学生時代運動は苦手だったのに、大人になってから案外体を動かすことを楽しめているのは、父がいろいろな遊びの基礎を、小さい頃に体を使って教えてくれたからだと思います。自転車の乗り方も、キャッチボールも、父が教えてくれました。
それで、私は息子に体を使って何か教えられたことがあったかな?
すぐに思いつかない……けど、一緒に遊んだたくさんの時間の中のそういう記憶が、ちょっとでも息子の体に残っていたらいいなと思います。