
年を取ったら「明るい色を着て、臆さずに自分のこと話そう」と思った
4月から週に一度、高齢者施設でボランティアをしています。まだ一年にもなりませんが、さまざまな高齢者の方々に接して勉強になったこと、気づいたこと感じたことを記録しておこうと思います。
まずは「耳(聴覚)は超大事!」ということ。
聞こえないと不便なだけでなく、人とコミュニケーションを取るのが億劫になる、あるいは相手の話を聞こえないのを申し訳なく思って自分から話をしなくなる、ということを実感しました。
私の作業中、たくさん話しかけてくれる方がいる一方、ほぼ無言の方もいて、「この方はおとなしい方なんだな」と勝手に思っていました。ところがある時、私の声があまり聞こえていないようだと気づき、耳元でゆっくりと声をかけるようにしたら、少しずつおしゃべりが増えてきました。
相手の声がよく聞こえない→聞き返すのも面倒→まあ、いいか。となってしまうのかなと思います。自分のほうから何か話そうと思っても、相手の返事がよく聞こえないとなるとやはり躊躇してしまう。よほど積極的な方でない限り、よく聞こえない状態でもとにかく自分から話す、というのはむずかしい。そういうことがわかってきました。今の私にできるのは、「この方は無口だな」と感じたら耳が遠いせいではないかと考え、聞こえやすい声で話しかけてみること。それで会話がいやではなさそうなら、できるだけ話をしてもらうことかなと思っています。
もう一つ、高齢者の方々と関わって感じたのは、人の性格や好みは基本的には変わらないのだろうなということです。
例えば挨拶のしかた。表情の豊かさ。車椅子を押してもらう時の様子。笑い方。声の発し方。それに着ている服の好み……
年齢・心身の状況の変化と共に変わったところはたくさんあるかもしれません。でも、ふとした時に「ああ、この方はずっとこういう笑顔を見せてきたんだろうな」とか「こういう色がずっとお好きだったんだろうな」と感じることがあり、なんだか感慨深いのです。
人生って本当に積み重ねなのだな、と改めて感じました。
ほんの8カ月ですがこの経験を通して今私が思っているのは
「おばあさんになったら明るい色を着て、ちょっと相手の話が聞こえなくても臆さずに自分のことを話してみよう」ということです。
今の私はグレーとかベージュとか地味色が好きで、「自分のことを話す前に人の話をちゃんと聞こう」を心掛けているけど、もう少し年を重ねた時には「明るい色を着た、ちょっとおしゃれな愛嬌のあるおばあさん」がいいなと思います。
そしてせっかく「人生は積み重ねだ」と実感したのだから、耳を大事にして、お酒もほどほどにして、楽しい経験をたくさんしようと思います。