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ユルさの底にある冷静さ。「ダラダラはムダ」と言い切るカッコよさ。奥田民生
先週、「ITパスポート」やら「AWS認定」やらの資格取得の本を見てみようと本屋へ行ったのに、それらの本の分厚さと難解さに怯んで棚の前を静かに去り、ふらふら歩き回って結局買ってきたのは『59-60奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』でした……
奥田民生さんのことは昔から大好きで、さらに年を経るごとにその魅力は増していくなあと思っています。年上世代にも好かれ、若者たちからも慕われ、好きなことばかりやっていそうなのに仕事(音楽)も凄くて……というわけで世のおじさんたちからうらやましがられ、こういう本が出るのもよくわかる。いや、おばさんだってもちろん憧れます。
で、この本もいつものユルさが全開なのですが、「やっぱりこの人はちゃんと冷静なんだな。カッコいいな」と心底思ったことが2つ。
1つは、「「がんばらない」のと「どうでもいい」のはまったく違う。」と言っていること。「無理はしなくていいけど、無気力は危ない。すべてがどうでもよくなってしまうから」と。
本当にその通り。色々うまくいかなくていやになると、「そんなにがんばらなくていいかもな」と思います。でもそういう時の半分くらいは、「無理するのはやめよう」よりは「もうどうでもいいや」という気持ちになっている気がする。次にそんな感情がわいてきたら、自分の本心を冷静に見てみようと思いました。
もう1つカッコよかったのは、「ムダはムダ」と言い切っていること。
「ムダの中に宝がある」っていう人もたまにいるけど、経験上、ムダだと思ったものが後で「ああ、すげえ助かった」ってなったことは一度もない。
~(あえて人生の道草を楽しむのはいいが)やっぱり俺の実感では「あえて(楽しんだムダ)」以外は「やってよかった」にはほとんどならない。
ここでシビレました。奥田さん、あんなにダラダラしてるように見えるけど、「いちいち道草していこう」って歌ってるけど、「ダラダラがいい結果招くことはほとんどない」と冷静に認識したうえで、あえての「ムダ」や「道草」しているんだ。それが世の中一般の「ダラダラ」との違いなんだ。
私は若い頃、大学を一度やめて、その後もう一度別の大学に入り直しているのですが、フラフラしていたその2年間を正直「ムダだった」と思っています。「人生勉強になった」とか「道草もいいものだ」とか言われることもあるけれど、あれはただのダラダラで、正当化するのはあまりにダサい。
そういう思いがあるので、いっそう民生さんの言葉がしっくりきました。
この先の人生、師匠の言うようにムリしないけど投げ出さず、自覚あるあえての「ムダ」を存分に楽しんで生きていきたいです!