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子育て、今思えば……。「10回言う」のがフツーだったんだ

先日、愛聴しているジェーン・スーさんと堀井美香さんの「OVER THE SUN」を聞いていて、「そうなんだよな、あんなに考え込むこともなかったのだな」と今さらながら思ったことがありました。

それはリスナーさんの「優雅な理想の朝」と「余裕のなさすぎる現実の朝」の対比が語られたコーナー。そこで小さな子供を育てている複数のお母さんたちから、「子供に○○しろと10回言って」「10回○○しろと子供に言ってようやく……」という言葉が繰り返し出てきて、スーさんが「子供に対しては10回言うのがフツーなんだね」的なことをおっしゃったのです。

そのとおり。
今ならそれが誇張でなく、本当に子供は「毎日10回言わないとやらない」ものだとわかります。
でも私は自分の子供が小さいころ、「そうは言っても現実に〝10回〟はないよね」と心の中では思い、悩んでいました。
「なんでこの子は毎日同じことを言われているのにできないんだろう?」「さっき言ったことを忘れちゃうって、どういう脳なんだろう?」
些細な事ばかりです。靴下をどこで脱ぐとか、使ったものを元へ戻すとか、学校から帰ってきたらまず給食袋やプリントを出すとか。

で、まじめな母だった私はさまざまな策を講じました。貼り紙をはったり、ホワイトボードを使ったり、写真やイラストをプリントアウトしたり。
……今思うと、まったくもって無駄な労力でした。
そんなこと、放っておいたってそのうちできるようになるのに。
それができなくたって、あの頃の楽しさや幸せなんて全然損なわれることはなかったのに。

世のお母さんのほとんどは「子供は10回言わないとやらない」と身をもって知っていて、だからガミガミ言いつつも「子供はこんなもんでしょ」と受け流し、子供もへこまず育っていけるでしょう。
でも、もし昔の私のようにちょっとまじめすぎて視野の狭くなっているお母さんがいたら、「本当に物理的に10回言うのがフツー、と思ったほうがいいよ!」と言いたいです。
「こんなに同じことを覚えられないのはおかしい」と悩んだり、「私の教え方が悪いからできないんだ」と自分のせいにして、親子共に自己肯定感を下げるようなことをしなくてもいい。
靴下のことなんて、気がつくと言わずにすむようになってますから!

子供が10回言われないとやらないのは、彼らにとってそれが今そんなに大事なことじゃないから。
子育ての渦中にいるとなかなか思い出せないけど、親と子も別の人間、大事なものや優先順位が違うのは当然です。
だから、とりあえず今必要なことは10回言ってやらせる、その単純なやり方が一番理にかなっている気がします。
10回は結構大変だけどね!


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