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大怪獣のあとしまつと、ウルトラマンによる後始末事例
大怪獣のあとしまつへの対比として、シン・ウルトラマンの禍威獣ガボラの死体処理を「これこそシン・大怪獣のあとしまつ」と絶賛するツイートを多見するに及んで、それなら元祖ウルトラマンは実際どのくらい後始末をしていたのだろう?と気になり、調べてツイートしたものを今回まとめました。
※取り上げている以外のシリーズ作品(ウルトラマンA以降など)に関しては未確認
※以下、取り上げた作品のネタバレに言及していますので閲覧ご注意。
近藤隆史氏のツイートより
映画『大怪獣のあとしまつ』が話題になってるけど、あれを見ると「怪獣の死体を始末するのがいかに大変か」ということは、しみじみわかる。すると当然「ウルトラマンはどうしてたんだろう?」などと気になり始め…。今日のYahoo!ニュース個人で、柳田理科雄が考察しています。 https://t.co/bOnW8gUFT0
— 近藤隆史[空想科学研究所 所長] (@KUSOshocho) February 16, 2022
柳田理科雄氏の考察記事によると、初代ウルトラマンが「地球上で倒した怪獣」が28匹、ウルトラマンによる死体後始末の内訳は、
・放置 13
・木っ端微塵に爆破(散乱部位放置) 11
・焼却(ではなく焼殺放置) 2
・海への投棄(ではなく海に沈んだまま放置) 2
…全て放置で一切あとしまつしてなかったとのことで…。
初代マンで「怪獣を全身等身大のまま頭上に持ち上げて持ち去る」のは、
・ガヴァドンB
・シーボーズ(時間切れで断念)
の2例(どちらも生きたまま)だけ?(※漏れがあればご指摘下さい)で、初代マンとリピアを同ウルトラマンと見做すのであれば怪獣の死体の後始末をしたのはシン・ウルトラマンの禍威獣ガボラが初?(初代ガボラは死体放置…)
…よもやこんな実態だったとは。
知人からの指摘によると、ザ・ウルトラマンの歌の2番の歌詞にある「宇宙の果てまで運び去る~♪」の印象が強くて、普通に後始末していたものと多くが思い込んでしまっていたのかもしれません。ちなみに、ウィキペディアによるとザ・ウルトラマンでは第4話他で何体か宇宙の果まで運び去ってるみたいです。「ジョーニアスこそが真のあとしまつ屋だった...!?」との知人の弁。
他の宇宙への持ち去り事例について、死体か生きたままなのかを検証しきれてませんが、大雑把にウィキ調べた限りだと、
ウルトラセブンは、
リッガーの首
だけ、
帰ってきたウルトラマンは、
ゴーストロン
ステゴン(リリース)
マグネドン
バリケーン
ヤメタランス(リリース)
が該当みたいです。
〈ウルトラマンが宇宙に運んで(死体では0)後始末(?)した怪獣〉
※当方確認済分
◇宇宙で処理
バルタン星人の円盤
ゴーストロン
マグネドン
バリケーン
◇お星さまに
ガヴァドンB
ステゴン
◇宇宙に帰すor放逐
ギャンゴ
シーボーズ(単独では失敗)
ヤメタランス(投擲)
レッドスモーギ
◇?
ブルトン
〈ウルトラマンが倒したその場で持ち去った怪獣の死体〉
※当方確認済分
◇飲み込んだ爆弾により爆発四散?
二代目レッドキングの首だけ
リッガーの首だけ
◇その後の処理不明
禍威獣ガボラ
〈参考:倒された怪獣の死体の後始末について言及あり〉
※当方確認済分
ゴモラ…「剥製にして万国博の古代館に飾ってやろう」(イデのセリフのみ)
ゴルドン…死体から150トンの純金が採集、破壊された麓の町の復興資金として寄付(ナレーションのみ)
ケロニア…幼年期のケロニアは全部掘り起こして処分、細かく砕くとよく燃えるからと住民たちが炊きつけとして持ち帰った(アラシのセリフのみ)
大怪獣のあとしまつにおいての後始末
選ばれし者は、大怪獣=希望の亡骸を倒したままにはした。何故そうしたかについては劇中では語られていないが、そもそも初代ウルトラマンに関してもそのあたりが劇中で描かれてはいないし、初代マン自身が怪獣の亡骸の後始末までをしたこと自体なかった(ものと思われる)。
初代マンが後日ですら行わなかった死体の持ち去りを、行なった選ばれし者はひたすら罵声を浴びせられ、倒した禍威獣ガボラの亡骸をその場で持ち去ったシン・ウルトラマン=リピアは(撮影時期的にどちらが先かはわからないが)公開時期的に後出しジャンケンで拍手喝采の賞賛を得た形になっているとも云える。
選ばれし者にされてしまったアラタの悲劇性をほんの少しでも思えるなら、『大怪獣のあとしまつ』という作品の見え方も少しは変わってくるのではないかと思われる。
以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。