3年 創大祭〜学ホに隠されし五つの謎〜

はい、副題がさらにパワーアップしました〜

映画化を意識して、全く本編で回収する気のない、”ただの嘘”を副題にしてみました。

「え?学ホの秘密って?!」 と開いたそこのあなた!!!!!!!!


その素直で純粋な気持ちをいつまでも忘れずに生きてください。



と言うわけで、

夏学が終わり創大祭にむけみんなが騒がしくなり出した。
初の学祭の執行に向け動き出す8期はもちろんだけど、やっぱり創大祭の学ホは特別。


みんないろんな思いがあったと思う。
この夏悔しい思いをした人がほとんどで、夏の悔しさを返す一発目がこの創大祭オーディションだったんだ。

そんな中、多分僕たちだけちょっと違ったと思う。


出るしかないから出た。


パラママを組み再出発を決めた時、みんな嫌な顔をせず、むしろ喜んでくれた。

きっと僕が腐らずに活動をするということがせめてもの救いだったんだと思う。


でも

でも僕はやる気が出なかった。

辞めずに落研のためにやろうと決め、夏を終えても本当のところではスイッチなんてひとつも入らなかった。
スイッチがどこにあるかさえわからなくなってた。


そんな僕のモチベーションとは裏腹に周りの反応は嬉しさよりプレッシャーになっていった。


とりあえず漫才かな


これはパラママで初めてネタ練りをした時の一言目。

3年の漫才師が自分たちしかいなかったのに、そんな僕たちが爆散したからっていうのももちろんある。

自分でとる日本一を諦めたとはいえ、7期で戦いたい気持ちがあった。
7期にしか証明できない勝ちがきっとある。
だからずっと同期で勝ちたかった。
だから漫才しか選択肢がなかった。


でもコントがしたいなぁ。
こんな状況で3年生が何言ってんだって思うかもしれないけど、ずっと思ってたこと。
ニコちゃんと男女コンビをするならコントっぽいっていうのも勿論あった。

けどそれ以上に
自分が入部した時からやりたかったのはコントだったんだ。

コントが好きで落研に入って、甘党バッテリーに衝撃を受けてコンビ名を妄想スラングにした。(漢字+カタカナにした。)

とりあえず最初は漫才かなって
なんとなくやった初顔の初ネタ見せ。

当時の四年生、44期のキマイラのウラソさんにすぐ褒められて、初顔の初ネタ見せ終わりの夜に2人っきりで芸会の話をされた。
コッセツさんの部屋に勝手に侵入し、ウラソさんはは椅子に、僕は地面に正座で。


どれだけ落研が日本一にかけてるか。

それぞれの思いを、証明をぶつけて戦ってるか。

代表。赤組とはなんたるか。

自分たちが最後勝てなかった悔しさ。


正直、一年生2ヶ月目の僕には全然よくわからなかったけど、先輩のまっすぐな目と熱だけは伝わってきて、カッコいいと思えた。
そしてその話を終え


「お前が3年の時には赤組の漫才師になれよ お前ならなれるよ」


ウラソさんが当時の僕をなぜあそこまで過大評価してくれてたのかはわからない。
もしかしたらお世辞というか、僕を乗せようとして言っていたのかもしれない(まぁウラソさんはそういうタイプではないけど)

けど確実にこの日の出来事は、根底の自信をくれたし、僕をお笑いから離さなかった。落研から離さずに居てくれた。


この3年の夏芸会が終わり、大森が3位になった後にLINEをくれた。

「ジャパンやったな。あとはコントだな。大丈夫日本一取れるよ」



僕は何も言えなかった。それまでお笑いのこと、コンビのこと、ネタのこと、落研の部長のことだって相談してきたのに、
期待してくれていた先輩への大きな裏切りの報告は直接できないままでいた。

申し訳なかったけど、2日あけて、報告した。
「そうか、大変だったな。でもお前だったら大丈夫」



この人との約束は果たそう。
赤組の漫才師になるまでは落研を辞められなかった。


だからパラママで漫才しよう。

漫才でまずは創大祭オーディションだ。

漫才で。


勝負できるフォーマットがあった。
2人の容姿を存分に使った漫才。
組んだ時からパッと思いついていた。
自分のこと好きなんじゃないかと踊らされながらコント漫才を進行していくっていう漫才。


オーディションの前日僕は原案を手に、直樹さんの元へ向かっていた。


1年生の頃、僕を1番可愛がってくれて、僕も1番慕っていた先輩。(6期さん!他の方々も同じくらい思い出も好きもありますからね!)

部長になるとともに、忙しくなりなかなか遊ばなくなったり、2年のNOROSHIでチーム決めの時から少し距離ができてしまった。
ほんとは大好きなのに甘えられなくなった先輩に、ズタボロの僕は頼っていた。

オオモリジャパンを思いついて話しに行ったあの夏のように。
めちゃくちゃ手伝ってくれた。

何故か近くにボラも居て、ボラは「デスコは一年の時は優しかった。デスコが遊んでくれないならネタを練らない」といい出していた。
僕は遊ばなかった。そしたらちゃん練ってなかった。



オーディション当日。
めっちゃウケた。

けどそれは、ここまでに再出発しようとしている同期、先輩、後輩が頑張っているんだ。という同情が強く乗っかった笑いであることは、この僕にはすぐわかった。だってそんなネタ見せ僕は何回も経験してるからね。


でもよかった。どんな理由があっても。
たしか1位通過だった。
ほんとによかった。

だけど、それ以外は何もよくなかった。
47期の演者は僕以外全員落ちた。
3年生が全員落ちた。


オーディションの結果が出る夜は期ミーティングだった。
その期ミーティングもなかなかハードで、
夏の件以来、二役に対して溜まったものを全員で共有しようというような内容だった気がする。

誰も僕を責めない。それも辛かった。
多分責められるチャンスを僕が逃げていたからだと思う。
僕はしんどそうというバリアを張って、みんなからの非難から逃げた。ほんとにずるい人間だな。

僕のせいで起きた夏の騒動。

なのに、それに伴い副部長が詰められているのは本当に心苦しかった。
たしかに、同期からしたら落研からしたら、思うところはあったと思う。

けど僕からしたら2人に本当に助けられた。
ちゃんと僕と同苦して、僕を立たせてくれた。
僕がサボっているのに、1人でも戦おうとしてくれた。
彼女たちが居なかったら彼女たちじゃなかったら、僕はここに居ないという場面が幾度となくあった。

だからほんとに辛かった。執行が終わっても自分の部長としての器っていうものを考えさせられた。
部長としての器は僕は歴代で1番小さかったかもしれない。けどみんなが器を広げてくれた。僕の器がどれだけ大きく見えるようになるか考えてくれた。

そんな同期にこんな話し合いをさせているのが辛かった。


そして、期ミの直前に訪れた。7期全落ちの悲報。

その日、1番言いたいことを言おうとした期ミで演者は誰も口を開かなかった。


正直そこからの準備期間はほとんど記憶がない。
自分の出番が執行期の時と変わらないくらい多かったことと、
GPAで復活した8期がみんな揃ってやる気に満ち溢れてて、素直に嬉しかったこと。
あの時にきしんやユーラシアとかともよく話すようになったなぁ。


当日もトラブルも多かったし、
軽く7.8期間で揉めることもあった気がしないではないけど、きっと通らなきゃいけない事だったんだと思う。

教室ライブから学ホから移動して、すぐに準備して、開場時間が遅れそうになっていた時は、3年で何回もライブを仕切ってきたのに、パニックになりすぎて目の前が真っ白になった。

「デスコさんもっと音下げて!」
「デスコ、時間遅らせる?ツイートしなきゃ」
「デスコ映像の位置確認して!」
「デスコさん!」

うるせぇーーー!ってなった。
言ってないけどなった。

大喜利は正直、2年の創大祭がベストすぎて、一生あれを更新できなかった。
漫才もトリなのに中途半端な感じにしてしまった。爆発するわけでもすべるわけでもなく。

3年の代表で出たのに。


ネタ練りは他の忙しさもあったりしたのもあるけど、ここまで2年以上ネタ書いてきたら、ある程度1人の時間にかけてしまった。それを合わせてネタ見せ。そしてまた1人で修正って感じ。

そんな感じのウケだった。


でも
あの前までの悔しい!って感覚なんだったんだろうってくらいに、何も感じなかった。


そりゃ、コンビとしてやってきた年数は違う。
それを言い出したらキリがない。


やっぱりもう僕の中にガソリンは一滴も残ってないのかもしれない。
夏まで、カナディアンロッキーで走り続けた余力で今を生きるしかないのかもしれない。


創大祭終わりの学セン裏。
秋の香りもするし、なんか雨の残った匂いもある気がする中で浸る達成感。
みんなで写真を撮って。


僕はずっと虚しかった。
ここで一緒に達成感を感じていい人間じゃない。
だって熱くなれてない奴がいるんだよ。



創大祭が終わってしばらくして、ニコちゃんからウーパンと3人で飲まないか?と誘われた。

ちばちゃんで飲んだ。

ニコちゃんが入部してきて飲み会したのもたしかちばちゃんだったなぁとか考えてた。


最初は多少気まずかったけど、アルコールっていうものの魔力に身を委ね、話が盛り上がっていった。


ニコちゃんがふと
「デスコさんとどういう風に仲良くなったらいいかわからなくて、いろんな人に聞いたんですけど、結局わからなかったから飲みにしたんですよ」と言った。


衝撃を受けた。

僕は今までコンビを組んでもネタの話しかしなかったし、ネタをやっていくパートナーとしての存在としか相方というものを認識していなかった。


「デスコさんと組んだから、この創大祭、今まで1番落研の中で活動できたし、楽しいです。組めてよかったと思ってます。この先ももっともっとそう思えたいです。」


彼女の言葉は完全に見失っていた僕のスイッチを一つ入れた。


こんな良い子と組んでお笑いをやってたのに、何故悔しがれなかったんだ。何故前のコンビを引きずって上の空でやってたんだ。


リスタートしよう。
この子と。この相方と戦ってみよう。


そうなれば時間はない。出来ること全てやるんだ。

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