赤き落ち葉は新たな青葉の養分となる 〜赤組予選編〜
5期さんに読んでいただいているという事を、前回かなんかに書きましたが、もっと予想外の範囲まで広がってました…
そんなに広まってしまうとね…
正直言って…
めちゃくちゃ
嬉しいですわ!!
頑張って書かなきゃってなりますわ!!
あと、僕このnoteの主題歌を勝手ながら見つけました。勝手ながらリンク貼らせてもらいます
PENGUIN RESEARCH 「敗北の少年」
結構有名なのか。僕は恥ずかしながら最近知って、こんなあちぃ曲があったなんて…って
「曲まで持ってきて、主題歌?」
とか分かる分かる。イタいよね。
でもここまできたらイタいとか考えず、ここまできたらとにかくアツーく読んじゃいなよyou。
ということで、怒涛の終盤に入っていくんだから、冷めた気持ちは取っ払って書きましょう!!
余韻と後継。
チーム山桜の予選突破の興奮を、ぼくは代田橋から明大前までの間に抑えた。
いや、府中くらいまで時間はかかっちゃったかな。
代田橋で集まった時に、予想以上の祝福を受けたから。
チーム山桜がNOROSHIに出ることを、よく思わないまでも、感情移入出来ない現役生は多かったと思う。
そんなの分かってた。
でも、どんな風に思われようと、俺とタケシは日本一を取ってみようって決めたんだ。
それと俺らの目的はあくまで、自分たちが楽しんでルミネでネタをするってこと。
けど、代田橋の駅前には輝いた同期や後輩の目がたくさんあった。
みんなで勝つって難しいからそんなこと考えずに、今年は戦おうって決めたけど、
こういう人達のために結局戦ったのかもしれないって思わせてくれた。
そんな勝利の余韻を感じる暇もなく、向かうべきところが僕にはあった。
八王子に早く戻ろう。
山桜の次の日の予選に、創価大学落語研究会黄組が出場を予定していた。
この年の黄組は、(漫才:スリーメン、コント:マーベリックギター、ピン:ok32シャンパンボーイ)全員が2年生のチームだった。
坊野から前から予選が終わり次第ネタを見て欲しいと言われていたので寄り道をすることなく帰った。
スリーメンと僕は彼らが落研に入った時から、ずっと一緒にいる。
新歓を見て、2人とも僕が1番面白かったと言った。変な奴らだ。可愛がる理由にこれ以外要らなかった。
お笑いが好きで、落研が好きで、先輩が好きだけど、ずっとネタがうまくいかなくて、悩んでた。
俺が無理やり、コントから坊野のひょうきんなキャラを活かすギャグ漫才に転向させた。
そこからも自分達のやりたいことと、やらないといけないギャグ漫才っていう狭間で悩んで悩んで、ウケなくてもなんでウケなかったのか、人が考えた物を自分達のものにするために人一倍努力した。
1番滑って、負けて。それでも折れることなく努力してた後輩だったと思う。
僕の中にはずっとこいつらを勝たせなきゃいけない使命がある。
そんな2人がこいつらと勝つって決めましたって報告してきたマーベリックギター。
最初は反対してたけど、
黄組の熱を感じれば感じるほど、そんなどうでもいい先輩の意見はなくなっていった。
代表3組の中でも、1番頑張ってくれてたと思う。
頼りない7期の代わりに、熱をずっと持ち続けてくれた。
黄組の戦い方には賛否あったかもしれないけど、代表チームってこと以上に2年のチームのあの勢いっていうのは大事だったと思うし、黄組のおかげで俺は多少力をもらった。
そんな奴らが俺の力を欲してるなら、すぐに向かった。
まぁスリーメンもマーベリックギターもどのネタで行くかはほぼ固まっていたし、ある程度仕上がっていたので、問題はなかったんだけど
問題は
シャンパンボーイだった。
彼はR-1でハネたものの、その意味不明なネタを練れる先輩が1人もいなかった。
予選直前にして、先輩たちはお手上げ状態だった。これじゃ無理とも言われたこともあったらしい。だからこそ漫才コントピンの順番で、シャンパンボーイを最初とか真ん中に挟んで、最悪スベっても忘れそうなところにしようかと議論になっていた。
けど、最後はシャンパンボーイを最後にする事を勧めた。
シャンパンボーイでの勝機が見えてたわけでは決してない。
正直、この時、俺も他の先輩と同意見。怖すぎる。
だけど、シャンパンボーイと心中するって決めて組んだチームで逃げるのは違うよな。
坊野も心中する覚悟を決め、最後の作戦会議を終えた。
当日、彼らはAブロックのトップバッター。
勝てなかった。
いろんな要素は重なってた。声が潰れてたりとか。ネタももっと練りようがあったんだと思う。
そんな理由はどうでもいいか。
客席から見てて、勝たせたい後輩の力になってやれなかった。
そんな無力感は、代田橋で坊野の涙を見て、自責の念に駆られた。
なんのためにこの後輩は、俺を信じて話を聞いてくれてたんだろう。
やりたくもないネタを与えて、僕の後輩であることで不自由したこともあっただろう。
勝たせてやれなかった。僕はまたここで別の負けを知った。
唯一泣いてなかった佐藤をイジったのは、励ましのつもりだったんだごめん。
ボロボロの赤組
黄組の敗北を背負い、
何が何でも赤組は勝たなくちゃいけなくなった。
けど、僕らがどれだけ勝利から遠いか
二つのチームを掛け持ちしていることにより、明白にしていた。
ずっと全員で集まれない。
俺はここまで山桜のほうに参加していたし、無添加劇団はなかなか集まりに来れていなかった。
こうなることはある程度予測した上でチームは組んだ。
けど、この時期の大森とニコちゃんはとにかく不安で不安で誰かを頼りたくても、頼るべきリーダーが一つのチームを仕上げることに精一杯なくらい弱っていた。ほんとにかわいそうな事をした。
コントは出来心が1人で一本書き上げるまで、僕らは何も干渉出来なかった。
だからとにかく漫才とオオモリジャパンを仕上げるしかない。
夏の時にも書いたけど、僕にはオオモリを勝たせる責任を勝手に背負っていた。
あれだけ自分のやりたいように人のネタを書かせてもらって、一緒にここまで戦ってきた同期。僕の書くネタを信じて3年間ピンをやってくれた。
オオモリジャパンは俺が1番知ってる。
夏のオオモリジャパンを踏まえて、冬に出てきたら1番面白いオオモリジャパンを考え尽くした。
最強だと思うネタができた。
『中国の変面ジャパン』
大仕掛けも用意して、オペレーターのまきょにも細かく指示をして、練習して仕上がりは完璧だった。
自分達の漫才も最初に作った『遊園地』のネタを考えつくだけ練り切った。
正直、最強のフォーマットだと思っていた。
でも今や限界が来てる事なんてとっくに分かってた。
それでも、それでもこれがすごい漫才だと自分に言い聞かせながら、僕を信じてくれている相方に見せていた。
前日にようやく、無添加劇団のネタが上がった。
ネタを見る。
俺は少し焦りを感じた。出来心が書くネタにしては大ボケが少ない。というより、大ボケのつもりで置いているボケが弱い。
2人とも上手いから誤魔化されてる感じだった。
ただもう言えない。
時間がない。焦りを生むより、勝てる空気を少しでも作ろう。
当日の記憶はあっという間だった。
Aブロックというのもあったが、そもそもこの日が激戦の日で、さらにAブロックは死のブロックだった。
けどそんな相対的なことよりも、僕たちは勝てるチームになれてなかった。
漫才。練習量と勢いでなんとか合格点くらいはウケたつもりだった。でも爆発がなく、やっぱりダメかもしれない。
そのあとの無添加劇団が僕の不安を、答え合わせするかのように的中していく様は、この舞台を少し舐めてかかった僕を殺した。
出来心がネタを飛ばしかける姿を見て、方南会館には魔物がいることを実感した。
オオモリジャパンが大きく会場の期待を裏切ったような空気になった事を僕は痛いほど感じた。
僕は夏芸会ファイナルステージのごとく、自分勝手にネタを書いて、大きく負けた。
僕は最高の演者を揃えたチームを勝たせる力がなかった。
山桜だってそうだ。先輩とたけしに勝たせてもらった。
今まで僕は自分で勝ったことなんて無かったんだ。
落研はみんな僕を凄い人として見てくれた。
けど、そんな事を決してなくて
引っ張ってるつもりで、ずっと誰かの支えがないとウケることなんて出来ない人間だった。
代田橋。僕は数日前幸せな代田橋を知ってる。
ほんとにごめんなさい。これしか言葉が出てこなかった。
赤組なら勝ってくれるって信じてた同期後輩たちはもちろん、この場にいない先輩達。姿を見てきた5期の赤組(ダイソンウェイパー、アルストロメリア、ショパン)、6期の赤組(アップカミング、アイアンパフェ、いぬまる)、そして赤組を創価の代表として常勝のチームとして作り上げてきたたくさんの先輩達。
全員に土下座がしたかった。
僕に赤組の、落研の、かっこよさや熱さを語り、たくさんのことを誓った先輩との約束を何一つ守れなかった。
でもどうしてだろう涙が出ないなぁ。
悔しいし、情けないのに
勝てる確信がなかった僕たちは負けを受け入れてしまった。
本当に僕がやるべきこと
負けてすぐに青組のネタ練りに向かった。
翌日が青組の予選日だったから。
状況は山桜終わりの黄組と一緒。
けど思いは真逆だった。
黄組は勝たせると意気込んでた47代部長は
青組には負けた僕を一緒に勝たせてもらいたくて、少しでも力になりたくて向かった。
そんな思いを知ってか知らずか、ボトルドのコントの影ナレでツッコミをやらせてもらうことになった。
最後の日に僕を青組に参加させてくれた同期に本当に感謝している。
ボラもアナログも皇太子も、紆余曲折落研人生を送って辞めそうにもなったけど、最後には絶対勝つって決めてNOROSHIに向かった同期。
絶対勝つべき人たち。
青組は予選期間ずっとずっとネタを練っていた。1番ネタ練りをしていたと思う。
そんな先輩達に必死に食らいつくベリーベリーエンジェルも、彼らなりにたくさんの劣等感を感じてお笑いをやってきた2人。
全員がお笑いコンプレックスを抱えて、最後絶対勝つことでたくさんのことを伝えられるメンバーだった。
最後の日のネタ練りと当日影ナレとしての同行だけでも、価値を共有するのにふさわしい人になろうと決意した。
でも、
でもそんな彼らでも勝つことは出来なかった。
色組が全滅したなんてことも勿論大きな事件だったと思う。
けどほんとに僕は誰も勝たせることが出来なかった。最後まで
僕は面白くないのかもしれない。
落研を勝利に導ける人間ではないのかもしれない。
必死になって努力してきた。
けど、僕は勝つ資格がないんだ。
でも日本一にならなきゃ、それを待ってる人がいるし、誓った人がいる。
なによりどんなに弱い人でも諦めなきゃ勝てるっていうことを見せたい。
僕が大好きなマンガの1番かっこいいキャラクターにNARUTOのマイト・ガイというキャラクターがいる。
前にずっと聞いていたと書いた英雄とガイを掛け合わせたmad動画に、僕はこの期間戦う勇気をもらっていた。
そして、改めてマイト・ガイの名場面を見返した。
(世界最強の敵に対して命をかけて、力を解放し、血が赤い蒸気を纏う状態になったガイ。しかしそれを敵に「その赤さはまるで枯れて落ちていく落ち葉のようだ」と言われてしまう)
それに対してガイは
ただ朽ちて落ちる訳ではない!! それは新たな青葉の養分となるのだ! そして青葉が芽吹く新たな春へと繋げる時こそが、青春の最高潮!! 真紅に燃える時!!
と。最高の返しだ。
これを見て僕のNOROSHIの戦いがまだ自分の何かを証明したいがための1人相撲であったことを痛感させられた。
本当にやるべきは、あとに続く後輩達のために何を残すかだった。
自分がボロボロで朽ち果てても後輩のためになる戦いにしよう。
赤き落ち葉になろう。
赤組終わりに青組の元へいった。
きっとそういうことだ。
僕は1人じゃ勝てない。才能のない人なのかもしれない。みんな僕を買い被りすぎだ。
たくさんお笑いを見てきて、たくさんお笑いを考えて、ここまでスベってきた。
僕は才能はない方なんだと思う。
けど、まだ山桜が残ってる。