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今なら「インフルエンサ―」だったかもしれない~「芸術家気質」の母
母の刺繍作品をインスタに載せる時、キャプションを書くために、母に「いつ頃作ったの?」とか、「どこで展示したの?」とかを私は、尋ねる。
この時「どんなきっかけで、作ったの?」という質問に対して「なんとなく、作ってみよかなぁ~と思って作った」という返事が返ってくる場合がある。
母は、「専業主婦」だったけれど、その「刺繍創作活動」は、自己満足の「趣味」では無かった。
雄鶏社が出版する「刺繍書籍」のためだったり、定期的な「展示販売会」のためだったり、母の作品作りには「締め切り」があった。
それとは違って「なんとなく~」で始まる作品作りは、全く目的もなく、完成形もはっきりせず、作りながら、自分で作りたくて、自由に作ったようだ。
「作ってみよかな~」と思って作った作品のご紹介
<作品1>
騎士の横顔
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作りだしたキッカケは、「中世の騎士」が描かれている、元々は、そんなに「大きくないサイズ」の「絵」を何処かで、みつけたらしい。
それを基に、母は「刺繍図案」にした。
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「もとになってた絵は、どこかにあるの?」と尋ねたら、「そんな~、取っとくような、ちゃんとした絵じゃなかったのよ~」と答えた。
でも、その絵を観た時に、母は「刺繍で、作ってみよう!」とインスピレーションを受けたようだ。
<作品2>
インターチェンジの風景
母が長く住んだ街に、30年ぐらい前、「インターチェンジ」が出来た。
この作品は、広報に掲載された「インターチェンジの写真」を観て、「つくってみようかなあ~」と思ったらしい。
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パッ!と観ると、「絵画」のようにもみえる。
額縁のサイズは、42cm×55cmぐらい。
(これもガラスに、色々写り込んでしまった~)
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街の広報に載っていた「写真」
額縁の箱の中に、広報から「切り抜いた写真」が一緒に入っていた。
写真は、ハガキよりも小さい、名刺2枚を並べたぐらいのサイズ。
この写真を基に「刺繍図案用」に絵を大きく描いたのだ。
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刺繍をする下地にオーガンジーの布を使うと「水彩絵の具」が滲んで(にじんで)いるように見える。
オーガンジーを使った作品を、母は、他にも何点か作っている。
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「芸術家気質」の母との生活が、つらい~~
娘に、スマホの写真をみせながら、「これって、おばあちゃんが、なんとなく作ってみようかなぁ~と思って、作ったんだって」と私が言うと、
「おばあちゃんって、ホント 芸術家気質なんだよね~」と言った。
何気なく作った曲を、YouTubeにアップして、すごいヒット曲が生まれたりする、そんな時代だ。
「おばあちゃんて、それと似てるよね。
作らなければならなくて、作ったわけじゃなくて、なんとなく作っている訳でしょ~。今の時代だったら、そういう人がインフルエンサーとかいわれてさ~」と娘が言った。
「なんとなく作った作品」は、地域の「市民センター」で展示会があると、出展していた。SNSが無い時代だったから、「お披露目する場所」が、それぐらいしかなかった。
娘が推しているイラストレーターの方が「締め切り間近なのに、息抜きで描きました~」と言ってインスタにアップしている絵が「すごいんだ!」とのこと。
「締め切り」があるなら、
「そっちの作業が、先だろ~」そう思うのが私だ。
何の計画性もなく、「なんとなく、作ってみたくて~」で、始めて「最後まで、作る気あるの~?」と私は「突っ込みたくなる」タイプだ。
確かに、母の「計画性のない理論」に、「何にも考えていないんだから~」と私は、毎回「イラ」っとする。それが、彼女の「気質」なのか、「歳」のせいなのか、わからない・・・「母の思考回路」が全く理解できない時がある。
しかし芸術家は、いつの世も自由なのだ~
そんな母との同居生活は、時々、振り回されて、ホント疲れる。
「思春期の娘」のように、母に感情的に怒鳴るのは、「アラ還娘」にはつらい。
そんな時、心の底から「一人暮らし」が懐かしくなる私なのだ。
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