こじんまりがいいかもしれない
長野郁子さんというファイナンシャルプランナーの方が書いた『老後の住まい』という本を読みました。
(老後って言葉はあまり好きではないですが…)
気持ちよく暮らすためには、その基地となる住まいはとても大切ですよね。
わたしはもともとインテリア関係が好きで、小学生のときの愛読書は母が買っていた『私の部屋』、大学生のころの趣味はインテリアショップ巡り、社会人になって初めて一人暮らしをするときはわくわくの極みでした。
今は、郊外の一軒家に人間4人+猫1匹で住んでいます。
長野さんの提案
老後の住まいというと、ローンを払い終わった子育て仕様の自宅から老人ホームへ、という住み替えを想定する方が多いかと思いますが、長野さんは著書の中で、今の自宅と老人ホームの間に、”こじんまりとした住宅”を挟むことを提案されています。
老後といっても、比較的元気で気力・体力が十分に残っている60歳からの20年間ほどと、体の自由が効かなくなってきて人の手を借りざるを得なくなる可能性が高くなるその後では、だいぶ状況が違うと。
この前半の20年間ほどを快適に、そしてなるべく長く自宅で過ごすために、こじんまりとした住宅への住み替えが効果的だと長野さんはおっしゃいます。
広い家のデメリット
子育て期に必要だった広い家には、年齢を重ねてからの暮らしでは不安要素となることがあります。
家の中での動線が長い
掃除や管理に手間がかかる(庭があればなおさら)
寒い → 光熱費がかかる
固定資産税が高い
(郊外だと)貸したり売ったりしにくい → 相続されても迷惑
確かに、今の家に住み続けてだんだんと体が弱っていくことを考えると、庭の手入れや掃除がかなり億劫に感じられることが想像できます。
いえ、アラフィフの今でさえ、以前よりはすでにずっと億劫になっていて、少しずつ家が荒んでいっているように感じます。
人口減少社会の到来により住宅需要が先細りしていく中で、売ることもできない負の遺産を子どもたちに相続してしまうかもしれないことにも不安があります。
老後の理想の住まいって?
では、理想の住まいはどのような形になるのでしょうか。
長野さんがオススメするこじんまりした住宅を念頭に置きつつ、わたしの理想の住まいを考えてみました。
ちなみに、今のわたしが考える理想の住まいは、一人で暮らすことを前提としています(夫とは別々に暮らしたい)。
間取りは広いワンルーム
バスとトイレは別
キッチンのコンロは2口
床や壁は自然素材
優しい光が差し込み、風が気持ちよく抜ける
断熱がしっかりされていて1年中快適
窓からは広い空と緑が見える
猫と一緒に暮らせる
500メートル(徒歩10分)圏内に品揃え豊富なスーパー、緑豊かな公園、かかりつけ医院、公共交通機関の駅やバス停
1500メートル(徒歩30分)圏内に図書館か大きめの本屋さん、おいしいパン屋さん、ゆっくりできるカフェ、美容院
こんな感じ。そんないい物件があるかどうかは別として。
車を運転しなくてもちょっと歩けば日々の暮らしが回り、公共交通機関に乗ったりいつもより長く歩いたりすればさらに暮らしが充実。
すみずみまで手の届くこじんまりとした空間を自分好みのインテリアで整え、猫と一緒にゆったりと暮らす…
あー、わくわくしてきました。
賃貸か持ち家か
賃貸がいいのか、持ち家がいいのか、これは一般的なファイナルアンサーが出ない難問で、わたしも自分にとってどちらがいいのか、今のところ答えは出せていません。
賃貸は身軽に住む場所を変えられ、不動産を所有するリスクを負わない点で魅力的ですが、長く生きれば生きるほど、家賃負担が重くのしかかります。それに、自分好みの物件に出会うのはなかなか難しい。
一方、持ち家(マンション含む)であれば、より自分好みの住まいに整えることができます。わたしは広いワンルームに住みたいのですが、賃貸で出回っているワンルームマンションは学生や若い社会人向けのものが多く、理想の間取りにはなかなか出会いそうにありません。
ちなみに、よく持ち家のメリットとしてあげられる”資産になる”というのは、値上がりする不動産を目利きできる人にはそうかもしれませんが、わたしには無理そうなので、メリットとは感じていません。
逆に、放置された空き家が社会問題になっているように、売るに売れない持ち家の処分に困ったり、マンションであれば、老朽化の末スラム化する恐れもあったりと、人口減少時代における持ち家の所有にはわりとリスクが伴うと考えています。
いま一番惹かれている選択肢は、セルフリフォーム可の賃貸物件を借りるというもの。
古い賃貸物件を自分好みにリフォームさせてもらって、比較的安い家賃で住めるといいなーと思っているのですが、そのような物件はあまりなさそう。
大家さんにとっても、自分でリフォームしなくてすむのはメリットが大きいと思うんですけどね。
どのような住まいで暮らしたいのか、楽しみながら引き続き考えていきたいと思います。
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