チャイナ政府による新疆ウイグル自治区での人権弾圧の実態
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)による中国新疆ウイグル自治区の人権状況に関する報告書が8月31日に公表されました(原文はPDF)。テロ対策や過激派対策を名目に深刻な人権侵害が行われていると日本でも各メディアが報道しました。
日本の各メディアもこれを報じました。しかし日本のメディアでは次のような抽象的な表現にとどまっていることが多くみられます。
この表現では「人権侵害」の実態を知ることはできません。新疆ウイグル自治区の人たちが具体的にどういうことをされているのか、列挙すると次のとおりです。
「職業技能教育訓練センター」と称する強制収容所にウイグル人を収容されている。自由に退所できたり一時帰宅を許されたりした人は一人もいない。
独房で小さなイスに座り続けさせられた。
監禁されている間、足枷を付けられた。
拘束用の椅子に縛り付けられた状態で電気警棒で殴られたり、水を掛けられながら尋問を受けたりした。
部屋では電気が一晩中付いて眠らせないようにされた。
日常的に監視された状態が続いていた。
女性は警備員などから性的暴力を受けていたほか、中絶を強要された。
何らかの注射や薬が定期的に投与され、血液サンプルが採取されていた。
共産党を賛美する歌を「毎日、できるだけ大きな声で、顔が真っ赤になり血管が浮き出るまで」歌うよう強要された。
何が起きたかの説明もないままに集団の前で「婦人科検診」が実施され、「年配の女性は恥じ、若い女子は泣いた」。
ウイグル語など自分たちの言葉で話すことを禁じられた。
椅子に縛り付けた状態で電気警棒で殴るとか、強姦した上で中絶させるとかいう行為は、「人権侵害」などという言葉で足りるものではありせん。人身の自由という人権を真正面から否定するものです。