森をたべる
葉っぱも 幹も
しっとり ぬれて
さらさら ぽとぽと
森の木たちは 全身くまなく
つやつや ふうわり きらめきます
そんな日には わたしも ながぐつを ぬぎすてて
傘も ぽいと ほおりなげて
木といっしょに 全身で
あまつぶの声に 耳をすませます
いつもより あしもとは ひんやりして
わきばらの おくの方が くすぐったい
あるくときは くちゃっくちゃっ
まるで森を たべているみたい
いっぽ いっぽ
いつもより深く 大地の奥へ
いつもよりあなたを ちかくに感じながら
わたしは森を 味わいます
この森を 愛しています