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【おすすめの詩的なエッセイをご紹介】忘れてしまう切なさに浸る時に

こんばんは!自由丁スタッフの髙野です。
8月に入りましたね!先日屋外のライブに行ってきたのですが、始まるまでの間、あまりの日差しの強さに思わずタオルで頭と顔を覆って、目出し帽状態で待機していました(笑)今年で一番夏の暑さを体感した時間だったかもしれません。良い夏の思い出ができました^^
皆さんはどんな夏をお過ごしでしょうか?

さて、今回も「自由丁今朝の落書き」より選んだおすすめの一篇をご紹介していきます!


おすすめの一篇『切なし』

切ないね

誰かを忘れていくことは

切ないね

何かを思い出せなくなることが

切ないね

もう今日も夕暮れ時だよ

夜が来るよ

切ないね

独り疲れて寝過ごしちゃった先の駅

誰も居ない

私だけがいる夜

明けないままでいてほしくて

起きていたんだ夜明け前

午前五時みたいな顔して

笑ったいつかの私

思い出すのは

朝焼けを浴びたときだけ

懐かしむのは

夕焼けを眺めたときだけ

切ないね

豊かさの一つになったのさ

切ないね

潤いの一つになったんだ

私の悲しみ

私の喜び

あなたの匂い

あなたの話

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。花火の音を聴いたからでしょうか。切なさを見つめていたくなりました。

2023年7月30日の「自由丁今朝の落書き」より

自由丁スタッフからのコメント

今覚えていることはきっと、何らかのきっかけでこれまでに何度も思い出してきたことであって、思い出すことがないまま時間が経ってしまったことほど、どんどん思い出せなくなるんだろうなと、そういうものなんだろうなと思っています。これは絶対忘れない!って思ったことさえも忘れてしまっていることだって、たくさんあるんだろうなと思います。
日々生きていれば、新しい情報は入ってくるし、変化していくことばかりだから、全部を同等に抱えていくことはそりゃ難しいし、別にそれを望んでいるわけではないんです。でも、ただ何となく忘れてしまうって寂しいような、悲しいような印象が強かったんですよね。

今回の一篇は、そんな忘れてしまうことは、別に悲しいだけじゃないって思えた文章でした。忘れてしまった思い出は、失われてしまったわけではなくて、ちゃんと一部になってるんだって思うと、覚えていたいと思ったはずの何かを忘れてしまうことも優しい気持ちで受け入れられる気がしました。これから先、どこかで同じ景色を見たり、同じ匂いを感じたりと、ふと出会った何かがきっかけでまたその過去を思い出せるんだとしたら、その時まで少しの間お別れしているだけなんだって思えたら、切ないけど悲しくはないかもなって、そんなことを思いました。

皆さんはどんなことを感じましたか?読みながら何か思い出したことはあったでしょうか?
良かったらお気軽に感想、コメントで教えてくださいね!

自由丁今朝の落書きについて

自由丁今朝の落書きは、自由丁オーナーであり、詩人・エッセイストの小山将平が毎日書く言葉たちです。
ご紹介する作品は、あなたの気持ちにそっと寄り添ってくれるような詩だったり、思わず一緒に唸ってしまうような日頃の考え事を綴ったエッセイだったり。
内容は様々ですが、何気ない日々の他愛ない時間を愛でるような、ほっと一息つけるような文章が多いです。
数分でお読み頂けるものなので、ちょっとした休憩時間に、待ち合わせの合間に、眠りにつく前に、ぜひ。
▼これまでの作品や最新作はこちらからお読み頂けます!

最後に

こちらの記事では、一週間のうちに書かれた「自由丁今朝の落書き」の中から、自由丁スタッフがおすすめの一篇を選び、コメントと共にご紹介しています。
一緒にあれこれ考えてみたり、ただぼーっと読んでみたり、お気に入りの一篇を探したりして頂けたら嬉しいです!
「こんなことを思った」「この言葉に共感した」などの感想をシェアして頂けたらさらに大喜びです。ぜひフォローもよろしくお願いします^^