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【おすすめの詩的なエッセイをご紹介】忘れてしまった何かを思い出したい時に

こんばんは!自由丁スタッフの髙野です。
5月も今日で最終日。今月もお疲れさまでした^^
暖かい春がやってきたと思ったら、あっという間に梅雨ですね。
自由丁の近くでも色とりどりの紫陽花が綺麗に咲き誇っていて、思わず写真を撮ってしまいました♪
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

さて、今回も「自由丁今朝の落書き」より選んだおすすめの一篇をご紹介していきます!

おすすめの一篇『トランジット』

降り立ったのは
もう何年も前の話

この場所を歩き蘇る
記憶や光景は私の頭の中にだけ
瞳の奥でだけ
今この景色と重なり共鳴して響く

足早に歩いていくのは
時間に追いかけられているからで
無限にあるならきっとずっと
切なさや寂しさの類の味わいとは
私は無縁で楽しむのでしょう

あっと誰かが水を零す
あははと何処かで互いに笑う
その束の間に私はあなたは街をゆく

すれ違うのはこの一生では一度だけ
そんな人々とでも遠くから
視線を合わせて合図を交わす

言葉を交わしたのなら
あぁもうそれは奇跡でしょう

望むなら
ちゃんと掴んで離すなよ
そう告げるみたいに
道の先に輝く水面
待つ景色

本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。たった一日、懐かしのサンフランシスコへ訪れました。

日々で無くしたものはどうやら、
旅先に流れ着くことが多いようです。

2023年5月24日の「自由丁今朝の落書き」より

自由丁スタッフからのコメント

日常の中にある変化ってあまりにも緩やかで、だからこそ、
変わっていることにも気付けなかったり、
忘れてしまっていることにも気付けなかったりするのかなと、
考えていました今日この頃です。

変わった方が良いことも、忘れてしまった方が楽なこともそりゃあるけど、
本当は忘れない方がいいはずの何かを忘れてしまっていることにさえ、
気付けなくなってしまうってことも、
怖いけどあるんだろうなと思って。

限られた時間の中では、望む望まないにかかわらず、
流れるように離れていったり、離してしまったりすること、人、時間があまりにも多いから。

見つけたんだとして、出会えたんだとして、気付いたんだとしたら、
流れていかないように、ちゃんと掴んで繋いでいかないとなって、
掴んでいきたいなって、そんなことを思った一篇でした。

皆さんはどんなことを想像し、どんなことを思いましたか?
良かったらお気軽に感想を教えてくださいね♪

自由丁今朝の落書きについて

自由丁今朝の落書きは、自由丁オーナーであり、詩人・エッセイストの小山将平が毎日書く言葉たちです。
ご紹介する作品は、あなたの気持ちにそっと寄り添ってくれるような詩だったり、思わず一緒に唸ってしまうような日頃の考え事を綴ったエッセイだったり。
内容は様々ですが、何気ない日々の他愛ない時間を愛でるような、ほっと一息つけるような文章が多いです。
数分でお読み頂けるものなので、ちょっとした休憩時間に、待ち合わせの合間に、眠りにつく前に、ぜひ。
▼これまでの作品や最新作はこちらからお読み頂けます!

最後に

こちらの記事では、一週間のうちに書かれた「自由丁今朝の落書き」の中から、自由丁スタッフがおすすめの一篇を選び、コメントと共にご紹介しています。
一緒にあれこれ考えてみたり、ただぼーっと読んでみたり、お気に入りの一篇を探したりして頂けたら嬉しいです!
「こんなことを思った」「この言葉に共感した」などの感想をシェアして頂けたらさらに大喜びです。ぜひフォローもよろしくお願いします^^