【おすすめの詩的なエッセイをご紹介】言葉では伝えきれないと思うあなたへ
こんばんは!自由丁スタッフの髙野です。
先日夕方5時頃、近くの公園を通りかかった時に、まだ明るくて少し暑さは落ち着いていて、とっても心地よい空気が流れていました^^
今年の秋は、のんびり公園のベンチで本を読むような時間も作りたいなぁと思った帰り道でした。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
さて、今回も「自由丁今朝の落書き」より選んだおすすめの一篇をご紹介していきます!
おすすめの一篇『言葉に詰めて』
そうだね
そうだよ
そうでしょう
ただ同じ電車に乗り合わせただけみたいに
ただ同じ言葉を使っただけなのです
本当のところなど
知りえるはずなどないままに
ただ同じ場所で待ち合わせただけなのです
朝日と言ってあなたが見たのは
緑豊かな湖の向こうからの光でしょう
朝日と言って私が見たのは
背の高いビルの間から差した光のことです
同じ光で違う光
早朝の電車に乗り込んだのは寝不足の私
早朝の電車に乗り込んだのはよく寝たあなた
そうだね
そうだよ
そうでしょう
それでも同じ方角を望むから
同じ言葉に乗り合わせ
向かうのでしょう
互いのことなど知り得ないまま
馴染んでいくのでしょう
笑い合っていくのでしょう
本日も落書きを読んで下さりありがとうございます。言葉という箱に色んなものを詰め込んで、交換し合っているんです。
2023年9月8日の「自由丁今朝の落書き」より
自由丁スタッフからのコメント
本当の意味で分かり合うことなんてできないのかもしれないという寂しさと、
何もかも分かり合えなくたって一緒に向かっていけるのだという喜び。
その両方を感じながら、言葉で伝え合うことの難しさについて考えた一篇でした。
言葉で伝えきることなんて、到底無理なんだとわかった上でも、伝えようとすることをやめられないのは、伝わった時の嬉しさを知ってしまっているからなのかなと思うんです。
やっぱり嬉しいですもんね。
自分のことを分かってもらえるということは。
そうはいっても、全部を分かってもらうなんてことはもちろん難しくて、伝わらないことに寂しさを覚えたりもします。
でも、お互いに分かりきってないからこそ、
過去のやり取りを振り返って、あの時こういう思いで言ったんだけど、どう伝わってたの?って、
答え合わせみたいことをしてみるのもいいなと思うし、
あなたがあの時言ってくれた言葉には、どんな思いが詰まってたの?って、
後々聞いてみるのもおもしろいかもしれないなって、思ったりもします。
そんな風にお互い分かりきれないことも、いっそのこと楽しんでいけたらいいですよね。
皆さんはどんなことを思ったのでしょうか?
良かったらお気軽に教えてくださいね^^
自由丁今朝の落書きについて
自由丁今朝の落書きは、自由丁オーナーであり、詩人・エッセイストの小山将平が毎日書く言葉たちです。
ご紹介する作品は、あなたの気持ちにそっと寄り添ってくれるような詩だったり、思わず一緒に唸ってしまうような日頃の考え事を綴ったエッセイだったり。
内容は様々ですが、何気ない日々の他愛ない時間を愛でるような、ほっと一息つけるような文章が多いです。
数分でお読み頂けるものなので、ちょっとした休憩時間に、待ち合わせの合間に、眠りにつく前に、ぜひ。
▼これまでの作品や最新作はこちらからお読み頂けます!
最後に
こちらの記事では、一週間のうちに書かれた「自由丁今朝の落書き」の中から、自由丁スタッフがおすすめの一篇を選び、コメントと共にご紹介しています。
一緒にあれこれ考えてみたり、ただぼーっと読んでみたり、お気に入りの一篇を探したりして頂けたら嬉しいです!
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