
【秋春制】シーズン移行の尻拭いは誰がする?
Jリーグのシーズン移行が正式に決まってしまった。
雪国クラブをはじめとした様々なJクラブが、これから数々の困難に立ち向かうことになるだろう。
それでも、Jクラブはまだいい。
Jリーグが目論見を誤っていなければ、相応のメリットを得られる、ということになっている。困難はリターンを得るための努力と捉えることができる。
そうであれば今ある60クラブが切磋琢磨し、欠けることなく、サッカーファミリーの一員であり続けられる未来を切に願うしかない……
……おっと、忘れていた。
J3とJFLの入れ替え制度が始まっていたのだ。今年は「JFLの壁」が機能したおかげで昇降格は発生しなかったのだけれど。
つまり、これからJリーグの仲間になるクラブがあれば、いずれ入れ替えでJの舞台から離れるクラブも出てくるわけだ(われらが横浜FCも後者になる可能性は当然ある)。
Jリーグは雪国クラブに冬季の活動費をサポートするとしているが、降格してJを去ることになれば、それも途絶えてしまうのだろうか?
JFLを秋春制と春秋制の緩衝地帯に
そう、昇降格という形でつながっている以上、JFLもJリーグのシーズン移行に巻き込まれてしまう。
J3・カターレ富山の左伴社長は「JFLもシーズン移行してほしい」という条件付きで賛成に回ったとコメントしている。
https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/2023121400004-spnavi
その理由は明白で、JFLが春秋制のままだとJ3に昇格するチームも、JFLへ降格するチームも半年以上も試合ができず、経営的にもたないからだ。
だが、シーズン移行はJFL以下のアマチュアリーグの方が困難なのではないだろうか?
例えばJFLの一つ下のカテゴリー、2023年は5月開幕9月閉幕のスケジュールで実施している北海道サッカーリーグ。素人考えであるが、地域CLとサマーブレイクの期間を設けて、雪の積もらない時期に18試合を消化しきれるとは思えない。
地域リーグは「雪国クラブだけアウェイ連戦」みたいな裏ワザは使えない。現在の春秋制を維持するしか道がないように思える。
一応、アイデアはある。JFLの2ステージ制再復活だ。
春リーグと秋リーグに分けて、J3参入は秋→春の2ステージの成績で、地域リーグ降格は春→秋の成績で決定する形にする。こうするとJFLは秋春制のJと春秋制継続のアマチュアとの緩衝地帯として機能することができる。
ただ、ワタシはそのアイデアをよしとは思わない。
手前のケツぐらい手前で拭きやがれ
先ほどの左伴社長のコメント、冷静に考えるとおかしい。
なんで「Jリーグがもっと儲けたい」という話に、別組織のJFLが巻き込まれなアカンねん?
そもそもJFLがシーズン移行したところで、何のメリットが得られるのだろう?
移籍金がどうの、放映権料がどうの、ACLやCWCの賞金がどうのという話は全て「Jリーグの中」のお話だ。Jリーグに所属さえしていれば、おこぼれに与れるかもしれない。
JFLや地域リーグは「Jリーグの外」だ。Jリーグが見返りのない施しをしてくれるとでも言うのだろうか?
いまもJFLにはラインメール青森が所属している。シーズン移行したところで、J3に昇格できていなければ、Jリーグから冬季の支援を受けられるかどうかは不透明だ。
メリットもないのに面倒ごとだけを押し付けられるJFL側から見れば、左伴さん、なに勝手なこと言うとんねん!とならないだろうか?
なので前言撤回。
2ステージ制はJ3でやったらいい。ホーム&アウェイの不公平感が問題なら、J3を東西分割して10チームの2回戦総当たりにするという手もある。
JFLは「アマチュア最高峰」というステータスがあるから、全国リーグという体裁も大事だ。東西分割はJ3の方が受け入れやすいのではないか。
今回のシーズン移行はJリーグの勝手だ。なるべくJFL以下アマチュアリーグに迷惑をかけず、Jリーグ内だけで完結する形を目指すのが本来の筋というものだろう。