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『アンダーグラウンド』『約束された場所で』を読んで(雑感)

 『アンダーグラウンド』小説家・村上春樹氏が地下鉄サリン事件の被害者数十人に会い、その時の体験についてインタビューを行った際の内容をまとめたもの。悲劇的な死や傷を負った人だけでなく、多くの軽症の人々にも話を聞き、彼らが何を体験し思ったのかについて詳細に書かれている。 グロテスクな描写やわかりやすい感動モノのエピソードが排除されていることにより、自分達と同じような「普通の」日常に突如発生した事件の悲惨さがより印象的に浮かび上がる。氏が地下鉄サリン事件の約10年前に書いた『世界

    • カンピロバクター(仮)合格体験記

      病院に行っていないのでカンピロバクターかどうかはわからないが、ググった際に見た症状と酷似していること、生焼けの鶏肉を食べた心当たりがめちゃくちゃあることから、カンピロバクター腸炎であると自己判断した症状について、記録として書く。我ながらカンピロバクターのお手本のような症例だと思う。 7/24数か月ぶりにハードな運動する。すごく疲れる。夜ごはんに焼き鳥を食べる。レバーの色が薄くてちょっととろとろしているのを、ごま油につけて食べるのがおいしかった。 7/25筋肉痛がひどい。両

      • 源氏物語バイトについて

        当たり障りのない平和なことを書きたいので、源氏物語バイトについて書こうと思う。 どんなバイトをしてるのか私は、源氏物語の翻刻の手伝い、というバイトをしている。(最近は休んでるが冬から再開する予定。)在宅で、「東大本」という源氏物語の写本を読み、『校異源氏物語』という活字の本と照らし合わせる仕事である。例えば「東大本」の第3巻5ページ目は『校異源氏物語』第m巻nページに対応しますよ、という形でスプレッドシートに書き込む。すると、いい具合に「デジタル源氏物語」というサイトに表示

        • 夫婦同氏制 ああ言えばこう言う

          最近周りで「選択的夫婦別姓」の話をよく聞く。ゼミで発表したり、弁護団の先生に話を聞いたりしたことのある、私にとっても興味がある分野なので、徒然なるままに書いてみる。 夫婦別姓訴訟について、私が今後大きな論点となると思っているのは、以下の3点である。 ------------------------------ ①「姓(名字)なんてどうでもいい」のか まず、「氏の変更を強制されない権利」はそんなに重要なものなのか、という点が争点となり得るだろう。最高裁は、氏の変更を強制

          コロナのせいで薬師寺行けなくなった

          奈良の方が京都より好きと言うと、大抵微妙な顔をされるか、「奈良なんてなんにもないやん」と言われるのだが、奈良には見るものがいっぱいあって140字には確実に収まらないので書く。 そもそも、「奈良なんてなんにもないやん」と言う人に、「なんにもないって何がないの?」と言うと、「映画館もないんやで」と言われるのだが、いや私がわざわざ関西に映画見に行くわけないやろ、アホちゃう?と思うところである。(一応さっき調べたら、奈良市にはほんとに映画館ないらしい。橿原市とか大和郡山市にあるそう

          コロナのせいで薬師寺行けなくなった

          石川啄木がアイコンであることについて

          なぜアイコンが石川啄木なのかよく聞かれるから、書く。 石川啄木とは、中学3年の東北修学旅行の事前研究のテーマとして選んでから、6年くらいの付き合いである。なぜ啄木にしたかは覚えていないが、中1の林間学校みたいなやつの事前研究で北原白秋を選んだので、東北出身のゲスくて自堕落な文学者について調べようかなあと国語便覧を眺めていたら発見した、みたいなところだったと思う。 石川啄木は、「はたらけど はたらけど猶わが生活(くらし) 楽にならざりぢっと手を見る」や「ふるさとの訛(なまり

          石川啄木がアイコンであることについて