わたしの頭の中の。
スネ夫って描ける?
以前の職場の会議休憩中に、後輩となんとなくそんな遊びを始めた。何も見ずに頭の中で自分なりのスネ夫くんをイメージして描く遊び。
なぜスネ夫くんなのか。
私は絵が苦手です。特に横顔や胴体などを描かねばならぬとなると、だいぶてこずります。
そんな私にとって、スネ夫くんは頭髪は小刻みにとんがり、またお口も少しとんがり気味。横顔苦手な私にとって、そのスネ夫くんの山脈は超難関なのである。
今までは一人でこの遊びをしていた。でも突然、みんなのスネ夫くんを見たくなった。
え?スネ夫ですか?なんでですか?
私はスネ夫くんがいかに描くのが難しい存在であるかを説明して、
何も見ないで!〇〇ちゃんのスネ夫くん見たい!(変態!)
とお願いして描いてもらった。私のわがままを聞いてくれた優しい後輩が、メモの端にスネ夫くんを描き進めていく。
描き進めていくうちに、後輩が笑いだす…………
先輩、スネ夫むずいです。
後輩は後輩の思うスネ夫くんが描かれたメモの端を見せてくれた。
私が描いたことのあるスネ夫くんとは違った。後輩は難しいと言っていたが、その姿は確かにスネ夫くんだった………。
あぁ、私やっぱり絵が苦手なんだねと再確認して以来、人前で絵を描くのはやめようと思っていました。
しかし私はそれを忘れて、周りを騒つかせてしまう絵を人前で描いてしまうのです。
人前で絵を描くのやめようと思った日から数年後、友人たちとの集まり。友人のお子さん(男の子、3歳)もいて、その子と一緒に遊んでいました。
たまたまホワイトボードがあり、文字を書いたり、落書きしたりしながら。
するとその子がリクエストしてくれました。某テーマパークのシンボルの彼を………。
よ〜し描くからね〜
(数秒後)
(よかった…描けた…)
描き終えてほっとした私の方に、
えっ!やばっ!
サイコパス!
という大人たちの声が、リクエストしてくれた子よりも先に聞こえてきました。
そこで大人たちはちょっとした話し合いをしていたのですが、私の絵に気がついてからは、こちらに視線が集まってしまいました。リクエストしてくれた子はというと、生まれてからずっと見てきたのですが、初めて見るようなニヤリ顔?やばい人だ〜という顔をどことなくしていたような気がします。
急に恥ずかしくなってきた私に、遂に大人がリクエストしてきました。
〇〇⚪︎ちゃん(りんご3個分の体重のあの子)描いてや〜
おいおい、悪い大人ばかりだな。と思いましたが、変なところで負けず嫌いなので、私は描きました。ちゃんと私の頭の中のあの子を!形に!
(数秒後)
描けました!
なんでそんなにマッチョなん?
強そう...むきむき...
ポケットが喋り始めそう!
顔デカい!
再び騒つかせてしまいました。みんなすごい笑ってたんですけど、笑ってるあんたら描けるの??と思ってたのはここだけの話。
笑いにできたからよかったじゃんとは思わないんですが、笑われても、私は自分の頭の中のものを形にした!という点では胸張ってもいいと思っていました、こそこそと。
人前で絵なんて〜という気持ちだったのですが、この時に色々と吹っ切れたようで、今はたまに落書き程度で絵を描くようになった。
でもやっぱり横からの視点で描くのが苦手です。それでもいいから、描いてみたいと思います。
描いてみて気がついたのですが、同じ絵が二度と書けないのです。面白い。
未だに、スネ夫くんを見せてもらう遊びはしたくなる。
私の初めてのスネ夫くんは、もう画像も残していないので出会えないけれど。
それぞれのスネ夫くん、案外面白いです。
と終わろうと思ったのですが、画像を漁っていたらもう一つ描いていたようです。
何を描いたかはあえて言いません。
わたしの頭の中の。