やさしい声だった。
それは小学5年生の時だった。
私は小さな南の島から、本州へ転校した。
とても嫌だった。この複雑な年齢で、今から新たな集団に入っていくのが本当に嫌だった。
思っていた通り、転校生になった私は周りから距離をおかれた。こういうとき特に同性の距離の置き方が怖い。(これはまた別の時に話したい。)
なかなか友達も出来ずに、私はストレスでアトピーが出た。目の周りや首が真っ赤。
周りから距離を置かれているのに、こんな風な顔では行けない。行きたくない。
でも親には言えない。
結果的にだんだんと慣れて友人も出来るのですが、それまでの日々は苦しかった。
おまけに当時私の両親は、引越しの際に古かったテレビを廃棄し、私の教育の一環と称して、テレビのない生活を推進していた。小さな頃からドラマを観るのが好きだった私にはきつかった。
かろうじて私に与えられたエンタメは、テレビ音声も聴くことが出来る小さなラジカセだった。
そのラジオでテレビドラマを聞いて、想像して観ている気持ちになっていた。でもそれがとても楽しかった。私の大事な楽しい時間だった。
まだまだ周りから距離をとられていたある晩、いつものようにドラマを聴いていた。ドラマのテーマソングが流れてきた。とても優しい声が重なっていた。
V6の「Believe Your Smile」だった。
単純なんだけど、その曲を聴いた時にすごく励まされた。なんかこう、ググッとなる感じ。こんな毎日嫌だなと思っていた私でしたが、ちょっとだけ頑張ろうと思った。それぞれの人生に、何曲かは大切な曲があるとするならば、私にとってはこの曲が大切な曲の一つになった。そして言うまでもなく、私はV6のファンになった。
しばらくして母がCDを買ってきてくれた。今はもう見かけない8cmCD。それをテープにダビングして。何度も何度も。
ようやく友達ができた頃に、我が家にテレビもやって来た。
そこで私はその先もずっと好きな人に出会うことなる。
その好きな人の話はまた書きたい。
なんでこんな話書こうとしたのかと言うと、昨晩FNS歌謡祭でV6が歌って踊っているのを久しぶりに見ていたら、やっぱりこの人たちは素敵だな〜とまた思っちゃったから。好きになったあの小学5年生の春の瞬間に、引き戻されました。
25年間もありがとう。これからも変わらず好き!
私の好きな○○の話は長いですね、すみません。(好きな話じゃなくても長いよね?)
でも好き!