簿記実用力(3) 仮払仮受不明点メモ b003
前回第5回で書いた簿記実用力について続きます。
今回は、経理事務に採用されて、必要な実用力について書きます。
レシート、領収書とともに入力するのが預金です。
通帳、当座勘定照合表、インターネットバンクなら取引明細書を渡され、
入力を依頼されます。ここで丁寧な人なら
「わからないのがあったら、仮払金、仮受金で入力しておいて」
「不明点は仮払、仮受で」と言ってくれます。
もし、言われなくても、簿記実用力のある人は、
不明点は仮払金、仮受金で仕訳して、必要なら付箋を付けておきます。
【実用力】不明点はメモしてまとめて質問すること。
ここで気をつけないといけないのが、
不明点とは基本、取引内容がわからないということで、
どの勘定科目を使っていいかわからないは、ほぼ含まれていない点です。
調べればわかるものは調べて入力です。毎月発生するものは先月、1年に1回なら前期の仕訳を見れば、その会社の仕訳ルールはわかります。
預り金等複数の勘定科目の可能性がある場合、総勘定元帳を見れば、どれを使っているかわかります。
最悪なのは仮払金、仮受金の山、もぐらたたき状態です。
確認して変更するくらいなら、削除して新規入力するかもしれません。
削除する手間を考えると、入力しない方がありがたい(悲)。
預金の入力ですが、その会社で使っている口座がいくつあり、何用なのか
(売上入金用、請求書支払用、社保税金引落用、借入金返済用等)
わかっていると楽です。
入力では、まず、残高を確認して下さい。
違っていれば、別の口座(補助科目)です。
また、途中のページが抜けていたり、読めない場合は、
その旨報告し、その部分は仮払金か仮受金で残高を合わせて
入力して下さい(簿記実用力)。途中が抜けていても入力できます。
預金でよくあるのが、借入金の返済ですね。
返済予定表を確認して元本と支払利息を分けて入力します。
わからなければ、借入金勘定で、元金均等か元利均等か確認し、
元金均等であれば、引落額-元金=支払利息で仕訳。
さて、いつもの罠のコーナーです。
日常生活と勘定科目で意味が異なる場合があります。
例えば、「前払い(前渡し)」、「前借り(前払い)」と
「前払金」、「前渡金」、「仮払金」、「立替金」、「貸付金」です。
交通費の前払い(前渡し)といいますが、
仕訳は前払金や前渡金ではなく、仮払金です。
精算書や領収書で支払が確定して初めて費用計上できます。
「交通費は立替ておいて(後で精算)」は「仕訳なし」です。
精算時に費用計上です。
給料の前払い(前貸し)は前払金でも貸付金でもなく立替金です。
利息を付けて貸付金にしたら、労働基準法違反です。
労働基準法第25条(非常時払)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001aune.html
簿記検定3級での罠として、
「商品を仕入れ、代金は月末払いとした」で、未払金ではなく、買掛金。
「商品を売上げ、代金は月末払いとした」で、未収入金ではなく、売掛金。
来週日曜日は第162回簿記検定試験です。
最後まであきらめず、できる範囲で勉強して、終わらなかったとしても、
とりあえず受検しましょう。受ければ、受かるかもしれません。
受検生に幸あれ!
実用力で想ったことを書いています。note6つ目の記事です。
よろしくお願い致します。
2022年11月16日
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