日々是暴食★トラウマめし【第28食】海辺のチキンビリヤニとパパ活娘と
高地のため冷涼なナイロビから暑い海沿いの都市モンバサへ移動した。空港を出るとムワッとした湿気と暑さ。南国へ来た。
市街のど真ん中に宿をとった。一泊約3800円、ビジネスホテルのような感じ。冷房は効くしWi-Fiも強いがシャワーのお湯が出ない。暑いから全然OKっす。
ケニアは蚊を媒介する感染症に注意する必要があるため、強力な虫除けを購入。腕と脚に吹き付け散歩へ出かけることにした。行き先は世界遺産のジーザス要塞。1593年にスペイン王が建設したそうだが、すっかり観光地となっている。日本では秀吉が朝鮮と戦を起こした頃なので、だいぶ昔の建築物だ。
大砲の照準はインド洋の真っ青な海原へ向けられていた。かつてここで戦争が起きていたとは思えないほど長閑な時間が流れていた。自称ガイドはいたがそんなにガツガツしてない。ブラッと一周して海の方へ歩いてみた。
整備された遊歩道を進むと急にボロボロな路地へ迷い込む。ここが旧市街、オールドタウンか。イスラム系住人が多いため一瞬中東や北アフリカにいるような錯覚におちいる不思議なところだ。昼間の治安は悪くないが、写真を撮られるのを嫌う住人もいるので無神経にカメラを向けるのはやめよう。外国人には珍しくてもここは生活の場所。どこに行っても同じことだ。
黄色い外観が特徴的な「Forodhani Restaurant」でランチ。シーフドも良さそうだがケニアはカレーが美味いという噂を聞いたのでチキンビリヤニ(800円)を注文してみた。ホロホロに煮込まれた手羽先に爽やかな辛みが効いているソースに半熟卵。ビジュアル通りな絶品。ケニアで食べた料理の中で1番美味しかった。
モンバサの街は活気があり、そこら中に露天が広がる。乗合バスやトゥクトゥクの客引きがけたたましい。日光に焼かれて疲れてしまったのでホテルで昼寝して夕方あたりにまた街へ出た。ともかく酒だ、酒を飲もう。ここら辺で1番盛り上がってそうなカサブランカというクラブへ行ってみた。
夕方になって少し暑さは落ち着いてきた。タスカーを飲んでタバコを吸ってまったりしていると視界の中にこちらをチラ見する女の子たちが入ってきた。海外裏風俗経験が豊富な俺にはわかる。これは、そういう店だ。しばらくすると1人の子が喋りかけてきた。最初は珍しいアジア人のおっさんに探り探りだったが段々「一緒に飲もう」みたいな雰囲気になってきた。
席を移動して女の子2人と飲み会。ええやんええやん。ケニアの人はパリピじゃなく奥手が多いような気がする。歌舞伎町のギャルの方がよっぽどやかましいのでケニアの落ち着いてる子の方が合ってるかも…。
1人は田舎から出てきてここに住むようになり、パパ活しながら生活中。もう1人は昨年出産したが男が逃げてシンママに。バイトとクラブでパパ活相手を探しながら暮らしているらしい。本人曰く「ミステイク」と…。
こんな生活から本当は脱却したいそうだが、平均月収2万円と言われているケニアで女性1人子1人生きていくのは大変なのは容易に想像がつく。東京から旅行に来たというと目を輝かせて「行ってみたい!」と。日本人と喋るのも初めてらしく、徐々に打ち解けるうちに「あれ?この子のこと好きになってるかも」。もう明日からの予定キャンセルして彼女の家行ってあとは過ごそうかな…。
酔った頭を冷ますために外へ出た。このままだと結婚して日本へ行こうって口走ってしまうかもしれない。本当はそんな覚悟はなく、ただただ遠い所へきて性欲がバカになっているだけなのだ、きっと。発展途上国では売春によって生計を立てる、もしくは外国人の愛人になって現地妻として生活費を援助してもらう事はよくある。歌舞伎町で立ちんぼしたり海外へ出稼ぎ売春する子が増えている日本も大した変わりはない。自分はそんな生き方を全く否定しない、自分がよければそれでいい。
しかし中々アフリカに来れるわけでもなく、おっさんの貧乏編集者がこの子を幸せにできるわけもなし。ダメダメだ、非モテはちょっとモテると勘違いしてしまう。再婚計画は勝手に自分の中に蓋をして夜の街を歩く。しかしカサブランカクラブは楽しかった、好事家は行ってみて。
夜の10時くらいで飯を食べれる店は何かあるのか。おっ、目の前にケンタッキーがあるここでええやん。ライスボウルなる、米の上にフライドチキンが乗ってるメニューは売り切れだった。食べたかったなあ。普通のセットにサラダつけて持ち帰りで水を買ったら1000円くらい。本当にケニア人の平均月収2万円なの? 暮らしていけないじゃん。外食しない地方の農民やマサイ族とかの収入も入れての平均なのかもしれないな。
この日は大晦日。そうか、大晦日をケンタで済ませちゃった。まあいいか。12時くらいに騒いでる若者や遠くの方で花火の音が聞こえたけど見にくほどのものでもない。
ホテルでスマホで紅白を見てから眠りについた。
<ケニア編続く>