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2024年ウワサの秋ドラマ 放送直前辛口予想【新人ライター玉越陽子の「きゅるきゅるテレビ日記」】#29
昨今のドラマ業界は、毎度毎度、警察、医療、弁護士ドラマを作らなきゃいけない縛りでもあるのだろうか。秋ドラマももれなく、である。鉄板コンテンツなのはわかるが、こうも続くと、「またこれか」とドラマ自体に失望じみた気持ちと「あのドラマと似てるなあ」と既視感を抱いてしまう自分が嫌だ。過去作と差別化するための突飛な設定や「型破り」「前代未聞」なキャラクター、VS令和構図も食傷気味。ま、ドラマはトレンドを反映するものなのでしゃーない。流行りものを臆面もなく取り入れる下世話感が、テレビドラマの魅力である。
しかし最近は、オリジナル脚本が増えた反面、社会派系、思想強い系、テーマ重い系など、下世話とは対極な意識高い系ドラマが多くないだろうか。夏ドラマの『海のはじまり』は、まさにそれだ。脚本家の思想の強さだけはビンビンに伝わってきたが、つまるところ何が言いたいのかわからずじまい。目黒連のうだうだ芝居もイライラするだけ。なんとか毎週見ていたが、頑張らないと見られないドラマなんて、娯楽じゃなくて拷問である。
秋ドラマは、頭空っぽにして没入できるドラマがあればいいなあ。そんな期待を胸に抱きつつ、秋ドラマを紹介していこう。
●『嘘解きレトリック』
(フジテレビ系)
月曜21時~/10月7日~
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キャスト/鈴鹿央士、松本穂香、味方良介、片山友希、大倉孝二ほか
昨年の夏、月9に恋愛ドラマが舞い戻り、「月9のフジの復活か」なんて思ったが、1年ぽっちであっさり鞍替え。苦しくても踏ん張らないのが、フジらしさ。舞台は昭和初期。鋭い観察眼を持つ貧乏探偵(鈴鹿央士)とウソを聞きわける特殊能力者(松本ほの香)がコンビを組み、難事件を解決していく探偵物語。月9の探偵もの×突飛設定といえば、相葉雅紀主演の『貴族探偵』を思い出す。松重豊、遠藤憲一、生瀬勝久と演技派俳優で脇をがっちり固めて貴族設定の説得力を持たせていたが、今回はどうなんだ。鈴鹿央士が未知数すぎるし、毎度彼を見るたびに「広瀬すずにスカウトされた」エピソードが思い起こされて、鈴鹿よりも広瀬すずのことを考えちゃう。ドラマに集中できるかな。
●『モンスター』
(フジテレビ系)
月曜22時~/10月14日~
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キャスト/趣里、ジェシー(SixTONES)、宇野祥平、音月桂、中川翼、YOU、古田新太ほか
“常識”にとらわれず、“感情を排除”して相手と向き合う、得体の知れないモンスター弁護士・神波亮子(趣里)が、令和ならではのさまざまな問題と向き合い、まるでゲームのように法廷闘争に立ち向かう、異色のリーガル・エンタテイメント。「型破り」「前代未聞」のキャラクター、「令和」問題、そして「異色」。警察、医療、弁護士ドラマの公式サイトのイントロダクションに高確率で入っている言葉のオンパレード。これを使っとけば過去作と差別化できると思っているのだろうか。
ドラマの紹介文はさておき、朝ドラ『ブギウギ』から一気に売れっ子の趣里。朝ドラを一度も見てないので、趣里といえば水谷豊の娘という印象が一番にきてしまう。私の中の趣里のイメージを刷新してくれい。
●『オクラ~迷宮入り事件捜査~』
(フジテレビ系)
火曜22時~/10月18日~
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キャスト/反町隆史、杉野遥亮、白石麻衣、前田旺志郎、有澤樟太郎ほか
フジテレビの火曜22時枠が9年ぶりに復活。人情味あふれる昭和刑事(反町隆史)とクールな令和刑事(杉野遥亮)のジェネレーションギャップバディが、未解決事件=オクラ事件に挑む刑事ドラマ。
今年のフジテレビは、反町隆史推しなのか。4月に放送した『GTOリバイバル』は今回のドラマの布石だったのか。なんてことを想像してしまった。現在、関東では『ビーチボーイズ』の再放送が絶賛放送中。初回放送日には、反町と軽部アナが『ビーチボーイズ』のロケ地をめぐりながらあの頃について語るという、ちょっとしたミニ番組も放送された。新ドラマの紹介なら理解できるが……なぜ? ちなみに、杉野遥亮も連続でフジドラマ出演。フジが好む俳優基準がわからない。
●『民王R』
(テレビ朝日系)
火曜21時~/10月22日~
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キャスト/遠藤憲一、大橋和也(なにわ男子)、あの、山時聡真ほか
あの『民王』戻ってくると思いきや、主演・遠藤憲一はそのままで、あとほぼほぼ新キャスト&新キャラ。時間帯も深夜から21時に。前作は総理大臣(遠藤憲一)と息子(菅田将暉)が入れ替わっていたが、今回の入れ替わり対象は「全国民」で、毎話、誰かとランダムに入れ替わる。コケるイメージしかわかないのだが大丈夫だろうか。と思ったら、追加で、岸部一徳、満島真之介、溝端淳平の出演が発表されてちょっと安心。あのちゃんのしゃべり方はどうなんだと思ったら、ティーザーでは普通にしゃべっていて、ちょっと意外。
●『あのクズを殴ってやりたいんだ』
(TBS系)
火曜22時~/10月8日~
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キャスト/奈緒、玉森裕太、岡崎紗絵、小関裕太、渡部篤郎、斉藤由貴ほか
結婚式当日に彼氏に逃げられてしまった主人公(奈緒)が、謎の男(玉森裕太)との出会いをきっかけにボクシングを始め、恋もボクシングも本気で向き合う姿を描く、ガチンコボクシングラブコメディ。秋ドラマ21時・22時枠の数少ない恋愛ドラマなのだが、やはり設定にひとひねりあり。それよりも、ボクシングって流行ってるのか? 夏ドラマの『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』でもボクシングシーンが毎回あったのだが、流行ってるの?
●『相棒 season23』
(テレビ朝日系)
水曜21時~/10月16日~
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キャスト/水谷豊、寺脇康文、森口瑤子、鈴木砂羽ほか
いまさら『相棒』についてああだこうだ言うつもりはない。が、ひとつ、お伝えしたいことがある。それは、この10年、テレ朝の水曜21時枠は、『相棒』『科捜研の女』『特捜9』(『警視庁捜査一課9係』の続編)『刑事7人』の4作品しか放送されていない事実。この徹底ぶりには感服しかない。ただ、『刑事7人』は主演の東山紀之が表舞台から去ってしまったため、今後は既存3作品で回すのか、新しい刑事ドラマが誕生するのか、はたまた過去作品掘り起こすのか。『新・はぐれ刑事純情派』なんてどうだろうか。
●『全領域異常解決室』
(フジテレビ系)
水曜22時/10月9日~
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キャスト/藤原竜也、広瀬アリス、柿澤勇人、ユースケ・サンタマリア、小日向文世ほか
“不可解な異常事件”を「全領域異常解決室」通称・ゼンケツという捜査機関が解決していく1話完結型の本格ミステリードラマ。藤原達也が演じるのは、超常現象のスペシャリスト。なんだか、『ケイゾク』や『SPEC』を連想させる。この連想をぶち壊してくれることを期待したいが、藤原達也と広瀬アリスというコンビがどうにもしっくりこない。吉と出るか凶と出るか。
●『ザ・トラベルナース』
(テレビ朝日系)
木曜21時~/10月17日~
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キャスト/岡田将生、中井貴一、森田望智、寺島しのぶ、安達祐実ほか
2022年に放送された医療ヒューマンドラマの続編。第一シリーズ、見てないんだよなあ。脚本は『Doctor-X 外科医・大門未知子』の中園ミホ。最近は占い師活動も盛んで、「だったら!マンダリアン!」という相性&性格診断占いサービスをリリース。中園氏の占いによると、私は「完全無欠のソツなし派 伊舎那天(いざなてん)タイプ」だった。だからどうした。
●『わたしの宝物』
(フジテレビ系)
木曜22時~/10月17日~
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キャスト/松本若菜、田中圭、深澤辰哉(Snow Man)、北村一輝ほか
「托卵(たくらん)」をテーマに、“大切な宝物”を守るために悪女になることを決意した一人の女性とその夫、そして彼女が愛した彼、3人のもつれ合う感情を完全オリジナル脚本で描く大人の恋愛ドラマ。プロデューサーは『昼顔』『あなたがしてくれなくても』を手がけた三笠玲子。どちらもざっくりとしか見てなかったドラマなんだよなあ。テーマがテーマなだけあって、話題になることは間違いないだろう。
●『D&D~医者と刑事の捜査線~』
(テレビ東京系)
金曜21時~/10月18日~
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キャスト/藤木直人、寺島進、早見あかり、前田拳太郎、大塚寧々ほか
地域医療が破綻の危機にひんしている街を舞台に、病院再建を期待された医者と組織に忖度しないベテラン刑事が異色のバディを組み、難事件を解き明かしていくヒューマンミステリードラマ。これまで20時放送だった枠を21時に移動。19時・20時台、視聴者はだいたいバラエティに見ているだろうから、英断ではないだろうか。今クール、フジテレビは金曜21時枠から撤退したので、かぶりドラマはなし。深夜ドラマではぶいぶい言わせているテレ東、21時枠ドラマで視聴率を採れるか。
●『ライオンの隠れ家』
(TBS系)
金曜22時~/10月11日~
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キャスト/柳楽優弥、坂東龍汰、齋藤飛鳥、佐藤大空、桜井ユキほか
自閉スペクトラム症の弟(坂東龍汰)と二人暮らしをしている主人公(柳楽優弥)。「ライオン」と名乗る小さな男の子(佐藤大空)との出会いをきっかけにある事件に巻き込まれていく、家族愛と兄弟愛を描いた、心震えるヒューマンサスペンス。ほっこり家族愛ドラマかと思いきや、サスペンス要素ありとはなんぞや。ドラマを見て確かめるしかないじゃないか。
●『放課後カルテ』
(日本テレビ系)
土曜21時~/10月12日~
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キャスト/松下洸平、森川葵、ホラン千秋、平岡祐太、高野洸、六角慎司ほか
学校医として小学校に赴任してきた小児科医の牧野(松下洸平)が、鋭い観察眼で子どもの小さなサインを見逃さず、救っていく学校×医療ドラマ。松下洸平のよさはイマイチわからないが、森川葵は好きだ。フジテレビの深夜ドラマ『She』を見て以来、松岡茉優と同じく、ずっと応援している。頑張れ、森川葵。
●『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』
(日本テレビ系)
土曜22時~/10月5日~
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キャスト/竜星涼、八木莉可子、及川光博、徳井優、入山杏奈ほか
正義感と行動力にあふれる元警察官の兄と、国立大学に通うエンジニアで優秀なホワイトハッカーの妹が、警察官の父を殺害した犯人が日本最大級の特殊詐欺組織“幻獣”の幹部であることを知り、父の仇討ちに立ち上がる復讐サスペンス。秋ドラマは「捜査」という文字をやたら見る。このドラマのタイトルにも「捜査」が入っている。タイトルに入ってなくても、内容が捜査捜査。捜査は刑事の基本だからなあ。そう、本当に秋ドラマは刑事ドラマが多いのだ。もうおなかいっぱい。
●『海に眠るダイヤモンド』
(TBS系)
日曜21時~/10月20日~
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キャスト/神木隆之介、斎藤工、杉咲花、池田エライザ、清水尋也、沢村一樹ほか
TBSの日曜9時ドラマは壮大であれ。壮大であればあるほどいい。なんて言われてるかどうかは知らないが、今回もまあ壮大。1955年の長崎県・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の物語り。時代を超えたヒューマンラブエンターテインメント。
壮大な物語りはいいのだが、登場人物が多いのがネックだ。大河ドラマしかり。そしてこのドラマは、現代と過去をいったりきたりする展開だ。こりゃ、1話見逃したら、ついていけなくなるやつである。救いは、過去と現代でキャストが総替わりすることと、一人二役を演じる主演の神木隆之介が、過去と現代で髪色が変わること。わかりやすい記号が1つでもあることで、見る側のハードルはだいぶ低くなるものである。
●『マイダイアリー』
(テレビ朝日系)
日曜22時15分~/10月20日~
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キャスト/清原果耶、佐野勇斗、吉川愛、見上愛、望月歩ほか
社会人1年目となった主人公(清原果耶)が、過去の大切な思い出を振り返る構成で、大学時代を共に過ごした仲間との何げない日常とそのつながり描くヒューマンドラマ。私にとって社会人1年目なんて、もう四半世紀も前のことだもの、まったく覚えちゃいない。初々しさなんてとっくに捨て去って、図太くなってしまったものだ。そんな気持ちを思い起こさせてくれるドラマなのかもしれない。違うか。
●『若草物語-恋する姉妹と恋せぬ私-』
(日本テレビ系)
日曜22時30分~/10月6日~
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キャスト/堀田真由、仁村紗和、畑芽育、長濱ねるほか
不朽の大ベストセラー『若草物語』を原案に、「もしあの四姉妹が令和ニッポンに生きていたら……」という着想から、舞台を大胆に現代に置き換えて描かれる、社会派シスターフッドコメディー。大胆もいいところである。と思ったら、私がイメージしてたのは『大草原の小さな家』だった。記憶違いもいいところである。あやふやな記憶の私は、このドラマを素直に楽しめそうだ。