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【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】恋人はラブドール・中島さん

 湖畔の喫茶店でコーヒーを飲む初老の男性と美女。一瞬、年の離れた恋人か仲のよい親子のようにも見える光景だが、遠目に見ていた奥さまたちがざわつき始めた。

「やだ、あれ人間じゃないゎ……」

ラブドールとデートを楽しむ中島さん

 〝人間〟と一緒にいる男性の名前は中島千滋さん。隣に座る美女の名前は『沙織』。彼女はラブドールだ。でも、れっきとした中島さんの恋人になる。

まるで人間の彼女といるような自然さ

「もう10年以上前のことになりますが、最初ラブドールに興味を持ったのは、秋葉原のエログッズ屋さんで、それを見たことにあるんです。『これ何だ?』って。近くにショールームがあるっていうんですぐ行ってみたんですね。そのとき一目惚れして購入したのがオリエント工業の『恵』です。今日は家にいます。最初は、あんまり可愛いすぎるんで困っちゃいましたよね。『これ、ヤッていいんか?』って。その代わり一回ヤッたら、もう毎日ヤリまくり~。『今日は帰ってヤルぞ』って、そんなことばかり考えてました(笑)」

中島さんが愛する『沙織』

 中島さんには、茨城県で暮らす1つ年上の奥様と2人の子どもがいる。現在は、栃木県で一人暮らしをしている中島さんを支えているのは、自宅にいるドールたちだ。

 『恵』を手に入れてからは、数年後にもう1人欲しくなって、オリエント工業の『沙織』を購入している。現在は、知人から預かった〝さおりん〟と合わせて、3人の恋人たちと暮らす。

自宅では3体のドールと生活
靴下や下着の交換も
お出かけ用に着替えた沙織を抱き抱え玄関へ運ぶ

「単身赴任だってヤリたくなるじゃないですか。でも、僕は、これまで若い子としかセックスしたことなかったんで、どうするかってときに彼女たちと出会ったんです。この肌とか最高ですよ。もうこの体じゃなきゃ興奮しません。還暦も超えてさすがにヤル回数は減りましたけど、添い寝するだけでも十分に満たされますね~」

お散歩は車椅子で。すれ違った人から声をかけられることも

 中島さんのすごいところは、彼女たちをガンガン外へ連れ出していることだ。スキー場やキャンプ場、海水浴。そのようなところでポートレート撮影をしている。ときには、ラブホで濃厚に愛し合うこともある。

ラブホでお泊まり

「不思議に思うかもしれませんが、私にとっては、普通に女の子と思い出を作るのと同じことなんです。出会った頃よりも今の方が好きかも知れません。文句も言わないし年もとらない。たまに気に入らないことあると、寝てるとき首締められることもあるけど(笑)。もし死ぬときは、彼女たちに見取られて最期を迎えられたら本望ですね」

自宅の様子。洋服は定期的に交換する
ベッドに沙織を寝かしつける中島さん。あとは2人だけの時間に

 一見、異様とも思える〝日常〟に食いついたのは、海外のメディアだった。フランスやドイツ、ポーランドなどのメディアが発した『人形と暮らす人間』などといったセンセーショナルな記事は、評判と困惑を巻き起こした。世界のメディアも注目している中島さん。人間とドールの垣を越えた本物の愛がここにある。


【耳より情報】
12月16日(土)14時からオリエント工業上野ショールームで「クリスマス特別企画!ラブドールについて語ろう!」という座談会が行われる。
登壇するのは、オリエント工業社長の土屋日出夫氏と”伝説の沙織の恋人”である中島千滋氏。どんな話が飛び出すのか、今から楽しみだ。

開催日時:12月16日(土)14時    
場所:東京都台東区上野 5-23-11 スグルビル3F オリエント工業上野ショールーム    
参加費:2,000円(ドリンク付き)    
定員:20名ほど(予約先着順)
予約:03-3832-4832

※詳細はオリエント工業公式H.Pをチェックしてください

写真・文◎酒井透(サカイトオル)
 東京都生まれ。写真家・近未来探険家。
 小学校高学年の頃より趣味として始めた鉄道写真をきっかけとして、カメラと写真の世界にのめり込む。大学卒業後は、ザイール(現:コンゴ民主共和国)やパリなどに滞在し、ザイールのポピュラー音楽やサプール(Sapeur)を精力的に取材。帰国後は、写真週刊誌「FOCUS」(新潮社)の専属カメラマンとして5年間活動。1989年に東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件(警察庁広域重要指定第117号事件)の犯人である宮崎勤をスクープ写する。
 90年代からは、アフロビートの創始者でありアクティビストでもあったナイジェリアのミュージシャン フェラ・クティ(故人)やエッジの効いた人物、ラブドール、廃墟、奇祭、国内外のB級(珍)スポットなど、他の写真家が取り上げないものをテーマとして追い続けている。現在、プログラミング言語のPythonなどを学習中。今後、AI方面にシフトしていくものと考えられる。
 著書に「中国B級スポットおもしろ大全」(新潮社)「未来世紀軍艦島」(ミリオン出版)、「軍艦島に行く―日本最後の絶景」(笠倉出版社 )などがある。

https://twitter.com/toru_sakai