【後編】女性弁護士を痴漢……もはや官能小説のような陳述書【ヤスデ丸の裁判傍聴ファイル #3】
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私のお尻は丸出しにされ、揉みしだかれて…」
痴漢で起訴されたのは、霜降り明星・せいや似の被告人(せいやさんは悪くない)。被害者の弁護人の女性が陳述書を読み始めた。
「私は司法試験に合格してから25年間、最初は司法試験予備校講師として、現在は弁護士として、ずっとこの仕事を続けてきました。初任給は1000万円で、充実した日々を送ってきました」
まず最初に驚いたのは、示談金350万円を払えない被告人の男性をフルボッコにするような、バリキャリ&多幸マウンティングで始まったこと。私がこんなこと言われたらもう、泣いちゃうよ。ハハハ。
続いて驚愕、なんと被害者は法律のプロである弁護士だったのである。
しかも勤労年数を考えると、相手はアラフィフのプロ弁護士。被告人は後にそれを知って思ったでしょうね、「終わった……」と。まあハナから終わってるんだけどね、色々と。犯罪者からしたら「大ハズレ引いたわ」って感じでしょうか。いや、更生できるチャンスが訪れたと捉えましょう。
被害者と弁護人、二人の女性弁護士。最強のタッグじゃないですか。ちなみにこの女性弁護人、めちゃめちゃ感情を込めて読み上げるタイプ。心に訴えかける作戦なんでしょうか。
その後も女性弁護人による、『ダークサイドミステリー』の栗山千明さながらの叙情的な陳述朗読は続く。
「お尻の割れ目付近まで、長い時間をかけてしつこく揉まれ続け……、スカートはまくりあげられ、私のお尻は丸出しにされてしまいました……。このまま揉みしだかれていたら、肛門や陰部まで触られてしまうのではないか? 他の人に見られてしまうのではないか? ……そうと思うと、恥ずかしさと屈辱感を感じました」
その後も、お尻をどのように、どれくらいの時間、どんな状態で触ったかが詳らかにされていく。その仔細な情景描写は、女性弁護人の表現力も手伝い、まるで官能小説のよう。しかしさすがはプロ、“犯人許すまじ根性”を感じる、裁判官を間違いなく味方につける構成の文章。執筆の才能もありそうですわ。弁護士さんってやっぱりすごいね。
そして閉廷。裁判所を後にして、有楽町のイタリアンレストランへ向かう道すがら、友人が言う。
「ねえ、次は何日に見に行く?」
どうやらあの裁判のおかげで傍聴に大ハマリしたそうで、後日話を聞いたら、特に性犯罪系の裁判を好んで傍聴しているとのこと。よくわかんないけど、勉強になるし自戒になるしと、いい影響はあったようです。
裁判傍聴はハマるも八卦ハマらぬも八卦。これもヤク系の裁判が学生諸君に占拠されていたお陰ですな~。人生は一期一会だ! (おわり)