見出し画像

オカルト女王・角友紀子が見た◎「三軒茶屋のスタジオに霊がでた!」


〝白い手〟がニョキニョキと…


 ポルターガイストとは、誰も手を触れていのに物体が動いたり音が鳴るなどの心霊現象の一種だが、東京の三軒茶屋にはそんな現象が頻発する場所がある。

 今年全国公開された心霊ドキュメンタリー映画『三茶のポルターガイスト』は日本一の心霊スポットといわれる三軒茶屋のアクターズスタジオ「横澤プロダクション」で起きる心霊現象を追った映画だ。ここは、30年間幽霊が出続けている場所で、〝行けば100%心霊現象が起きる場所〟としてこれまで地上波のテレビやYouTuberの撮影でも幾多の霊現象が捉えられてきた。

「横澤プロダクション」の内部

 主に「物が揺れる、鏡から水が出る、誰もいない場所から声がする、鈴の音が鳴る」といった現象が起きるのだが、運がいいと壁から〝白い手〟がニョキニョキと出てきてそれを拝むことができるのだ。しかも、その白い手はいわゆる霊能者だけが見えるのではなく、誰でも見えるほどに鮮明な存在で、映像にも映るのである。そう、これまでの心霊スポットと一線を画すのは〝能力の有無に関係なく見えるモノが出る〟という点なのだ。詳しい内容は『日本一の幽霊物件~三茶のポルターガイスト』(幻冬社)にも記されている。おったまげる程面白いのでぜひ読んでみてほしい。

 さて、この映画に、私はナビゲーターとして出演しているのだが、先にぶっちゃけて言うと、幽霊がハッキリと撮れてしまった。だが、綺麗に撮れすぎたがゆえの問題が浮上した。最近の映画の予告編は観客の注意を引くために、1番の見どころシーンを全て見せる傾向が強いのだが、本作ではそれが却下された。なぜなら「あまりにもクッキリうつりすぎていて、〝人間だろ〟とつっこまれそうだから」だ。本物なのに偽物に見えてしまうほど鮮明に撮れてしまったのである。しかも至近距離で。

 撮影したのは昨年の秋だった。そこで幽霊を撮影するために4日間、夜の19時~明け方5時くらいまでスタジオに篭り、定点カメラをしかけた上で、さらに幽霊を呼ぶための試みを繰り返し行った。幽霊が寄ってきやすい環境づくりは大切で、主に5点ある。

①22時~2時が幽霊の出現のピークタイムであることを心得る。
②部屋を薄暗くする。
③怖い話をする。その際に、〝幽霊〟 や〝死〟という単語を使うとなお寄ってきやすい。
④騒ぎすぎず、静かすぎず、人が話の輪に入りやすいときと同じくらいのテンションを保つ。⑤降霊術を行う。……以上である。
⑤に関してだが、映画では一番ポピュラーな降霊術であるコックリさんを行った。

 しかし、基本的に降霊術ならなんでもいいと思われる。よく、都会のバーで「あ、この男の人いい感じだな」と思っても相手から声がかからない限りなかなか行動に移せないことがあるが、幽霊もそれと同じ。降霊術は幽霊を対象としたナンパ術であり、作法の種類ではなくしっかりと誠実に声をかけるという気構えが最も重要なのだ。

 そんなこんなで、4日間すべての撮影でコックリさんを延々と行い、全部で50~60体の幽霊たちと会話したのではないだろうか。慣れてくると、霊がコインに宿った瞬間にそれが子供なのか、大人なのか、また本当に会話をする気があるのかなどがわかるようになった。

 マッチングした上でさらに相性がいい幽霊とは、もはやコックリさん上でいちいちコインを動かしながら会話をするよりも、ライトを使って「〝はい〟なら1回、〝いいえ〟なら2回点滅してください」とお願いすれば、より手軽にチャットできることも判明した。慣れとは怖いものである。最終的には「実体を出せる人、ポルターガイストが起こせる人は、優先的に来てください~」とお願いするようになった。もはやリクルートである。そこで撮れたのが今回の幽霊の実体だ。信じられないかもしれないがヤラセは当然0(霊)である!

『三茶のポルターガイスト』
監督:後藤剛 
出演:角由紀子/横澤丈二/やくみつる/いしだ壱成/海老野心/ 石川翔鈴 ほか
制作プロダクション:シャイカー 製作:REMOW 配給:エクストリーム
サイゾー映画製作プロジェクト©2022 REMOW 
※amazonプライムビデオ等で配信中

著者◎角由紀子。
上智大学中退後、白夜書房、BABジャパンを経て株式会社サイゾーに入社し2013年に「TOCANA」を立ち上げる。「ケンコバの絶対に観ない方がいいテレビ」「超ムーの世界R」「すみっこオカルト研究所」「角由紀子の明日滅亡するラジオ」などに出演中。現在はフリーの立場で各メディアで活躍中で、YouTube「角由紀子のヤバイ帝国」も大好評!

https://twitter.com/sumichel0903