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ごあいさつ

 はじめまして、「実話ナックルズ」編集長の宮市徹でございます。「ナックルズとはなんぞや」という方のために、まずはご説明を。

〈『実話ナックルズ』は、日本の漫画雑誌で、暴力やヤクザ文化を扱った作品が特徴です。実際の事件や実話を元にしたリアルなストーリーが展開され、過激な描写やアクションで読者を引き込みます。暴力や裏社会に関する情報や事実に基づいた記事も掲載され、そのリアリティと衝撃性が読者の関心を惹きます。男性を主な読者層とし、特にアンダーグラウンドな世界に興味を持つ人々に支持されています。また、作品内ではヤクザの生活や抗争、裏社会の暗部などが描かれ、独特の世界観と魅力があります。一方で、過激な表現や暴力描写があるため、一部の人々からは批判も浴びています。しかし、『実話ナックルズ』はそのリアリティと独自の魅力により、暴力や裏社会に興味を持つ読者たちには欠かせない存在となっています。〉

 何かと話題のチャットGPTに「実話ナックルズについて教えて」と聞いた答えがこれ。まてまて、全然違うよなあ。どこ情報なんだこれ。ネットでは漫画雑誌ってことになってるのか。「過激な描写」はまああるかもしれないが、「アクション」て。映像じゃないんだから。AIこわい。

 そもそも「裏社会の暗部などが描かれ」とか「リアリティと独自の魅力」とか、なんとなくかっこよくまとめられてる感がすごいが、現実はそんな大層なものじゃない。つくってるのだって、地味な普通のおっさんだ。

 ドラマや映画じゃかっこよく登場する編集者。キラキラ系の大手の花形編集者ならそうかもしれない(そんな編集者見たことない)が、こちらは全然かっこいいものではないわけで。編集者でござい、と偉ぶってみたってかっこつかない、よれよれのTシャツ着たくずみたいなぐず。連日歓楽街をドブネズミよろしく徘徊し、ちんけな小ネタでも見つけたらスクープと触れ回り大騒ぎ。当の本人はそれで鬼の首をとったような得意顔なのだから救われない。

 芸能人の下ネタゴシップや都市伝説から事件の超硬派ルポまで、「大マスコミが触れないタブーを暴く」を旗印に、埋もれた真実をアンダーグラウンドから追いつづけること20余年。世間ではウソだかホントだかわからないインチキ雑誌といわれ、名実ともに日本の下世話の頂点を極めたのが『実話ナックルズ』だ。下世話というと下品なイメージがあるけれども、調べてみると本当の意味は〈世間一般で交わされる話題のこと〉。インテリ先生の高尚なお説もいいが、街のなかの人々の間に広まる生きた噂のほうが本当のこともある。本物はいつだってゴミクズのなかに眠っている、というあれだ。


「実話ナックルズ」創刊号


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 裏風俗の潜入取材がばれて軟禁されたり、日曜にジャンキーからの電話を途中で切れずに4時間つかまったり、しつこい聞き込みで取材相手に警察呼ばれて走って逃げたり、合法ドラッグやってみたら中毒になったり、〆切なのに仕事もせずにイベントに参加してるところをテレビ中継に映って上司に激怒されたり、そんなしょうもないこともたまには起きるが、だからといってふざけてるわけじゃない。「俺たちは拳銃じゃなくて竹やりで勝負するゲリラ部隊なんだ」といつぞや先輩が息巻いていたが確かにそうで、ボロは着てても心は錦、有り余る人員や実弾(資金)がなくても、ライターやカメラマンや漫画家やデザイナーに伴走しながら自分たちにしか出来ない記事を地道につくってきた。AIにそこんところの心意気みたいなのがわかるわけないか。

 でも、チャットGPT面白いなあ。質問の返答もちんぷんかんぷんで完全エンタメ。ツッコミ入れるとすぐ謝るから憂さ晴らしでつかう人も出てくるような気がする。国が前のめりで使おうとしてるけどこんなんで大丈夫なのか。

 前置きが長くなりましたが、『実話ナックルズnoteマガジン』本日よりはじまります。ゆるゆるとやっていきますので、どうぞ末永くご贔屓に。