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【ルポ】犯罪者ビフォーアフター【第31回】

人はどこまで更生できるのか? 元懲役囚の出所後の人生をみた

シャブ38キロ密輸で実刑を免れた男

Oさん(49歳取材当時)2018年12月、麻薬特例法で懲役2年・執行猶予4年の判 決を受ける。現在は起業家。

泳がせ捜査で逮捕


「前回もシャブでしたけど、今回ばっかりは本当に20年は覚悟しましたね」

 こう語るのは、元広域暴力団3次団体組長のOさん。彼は20年以上前に覚醒剤使用の罪で松本少年刑務所に2年半服役。以降シャブには手を出さずに生きてきたが、今回密輸という形で「覚醒剤事件」に関与してしまった。しかもその量は半端ではなく、なんと38キロ(末端推定価格29億円相当)。これだけの密輸量の場合、判例では20年以上の実刑になるのが常識である。しかし、Oさんの判決は懲役2年・執行猶予4年と実刑を免れた。なぜなのか。

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