はじめての競艇場と飯、飯、飯(福井旅行 最終編)┃ヤスデ丸の1万逃歩日記 #14
なかなか運動する機会もないため、毎日1万歩は歩くように心がけている編集部員ヤスデ丸(27歳・独身女性)。健康増進というだけでなく、散歩は日々の現実逃避にうってつけ。その道中で見たもの聞いたものは、こんなもの──
旅行2日目の朝。宿を出て向かったのは初日にも行った東尋坊。実は有名な蟹だか海鮮丼だかの店に行こうと思ったものの、ちらっと覗いたら長蛇の列……。
私は世の中に何十分も並んでまでして食べる甲斐のある食べ物は世の中に存在しない! と思っているので(ありがたいことに同行者も同じ考え)、その列を見た0.5秒後に東尋坊の裏にある通りの海鮮丼屋に行くことに決めた。
↓前回
裏通りには観光客向けのバラエティショップや飲食店が並んでいる。その中でも一番雑多な雰囲気の店を選んだ。ガチャガチャしたスーパーの特価品宣伝チラシみたいな感じの。
人気になりすぎた昭和レトロ喫茶店みたいなところに逆に行く気が無くなっちゃって、最近はむしろこういう俗っぽいところ(褒めてる)を好むようになった。
そして三国競艇場へ! 初めての競艇だ。
以前友人がこんなことを言ってた。
「私、自分でも"つまらない女だなぁ"って思うんだけどね、ギャンブルってあんま興味ないんだよね」
めちゃくちゃわかる! 私も、どうもギャンブルにはハマれない。
そもそもギャンブルにハマれる人は、なんだかんだそのためにお金を回せる余裕と、過去のデータとかモニターや新聞の謎の数字とか見て頭を使うことのできる人だから、私から見ればなかなか立派な人たちなのである。
ヤンチャそうなカップル、パパが小金持ちそうな子連れ、年季の入った清掃のスタッフ、予想屋のおっちゃん(明らかに胡散臭そうなのと、綺麗な身なりで逆に胡散臭いのとがいる)、懐かしいフォントを使った看板の食堂。
どこをとっても申し分のない、思い描いていた通りの競艇場だ。それだけで正直満足だ。
競艇は基本的に1番が勝つもので、番狂せで儲けるもの、みたいな話を聞いた。でも結局当たったのは、昨日の晩御飯をご馳走してくれた有名競艇選手が「僕の後輩なんだけど、絶対勝つからこの人に入れてね!」と言っていた選手の単勝のみだった。確かにお見事なレースだった。一応また言っておくが、「絶対勝つから」と言っているが八百長ではない。とにかく"私もいつかギャンブルにハマれる面白い女になりたいな〜"と思いながら、考えるのは相変わらず食事のこと。
またダラダラと書いてしまいそうなので、ここから少々駆け足!
まずは北陸名物「8番ラーメン」。石川県加賀市の発祥らしく、現在は北陸三県と長野、あとなぜか岡山、さらには新たなる自由の国・タイに複数店舗を構えている。
続いて真面目な坊さんがたくさんいるらしい永平寺へ。ここの修行僧のことを「雲水(うんすい)」と呼ぶそうで、その雲水たちが日々厳しい修行を行っていることで有名なお寺らしい。
ところで、坊さんとはいえ人間なんだから真面目じゃないやつがいたって仕方がないんだけど、やはり坊さん(特に出家したてホヤホヤ)には真面目でいてほしいと思ってしまうんだから、自分のステレオタイプ的な思想にたまにヒヤッとしたりする。
永平寺の中では、掃除をしたり広間で謎の儀式(修行)をしたりしている修行僧をたくさん見ることができる。これが一つの醍醐味だ。
途中一人でお堂の中を巡回していたおじさんがいたので「好きなんですか? こういうの」と聞くと、「いや、正直よくわかんないです」と一言。おじさんには珍しく正直な人だ。ホントに仏がいるっていうならこういうおじさんに幸を!
さらに修行僧の日々を収めたっぽいDVD上映会を発見。まあいいかと次のエリアに向かおうと思ったら、また“正直おじ”を発見。
「なんかの上映会やってますよ。見たらどうですか?」
「ホントだ。じゃあ、見たんですか?」
「いや見てないですけど」
「僕もいいかな」
正直だなぁ。そういやブッダ的に考えれば、仏はいるんじゃなくて自分でなるもんだろうし、私がこのおじさんに幸在らんことを願うことにしながらも、この女はまた空腹を感じ始めていた。
サンダーバードで金沢に行き、新幹線で帰京。
さてこの日の歩数は【13,559歩】。無事1万歩は超えました。この日記書いてて思ったけど、いっぱい歩いた日は大抵いっぱい食べてる日。食べるために歩いてるらしい……。
福井編、長いことお付き合いいただきありがとうございました。それではまた次回!