東良美季の昭和平成SEX裏面史「このアダルトビデオが時代を変えた」#11

昭和から平成に移るその時代、それはエロの価値観が大きく変わった時代でもある。ノンフィクション作家・東良美季が衝撃を受けたアダルト作品を元に、日本のＡＶ創世記を紐解いていく

第十一回　1984年

『問題盗撮６』
エロとサブカルチャーの融合

素人の盗撮映像に加えバンドのライブ映像を盛り込んだ新感覚の作品は当時多くのユーザーに衝撃を与えた

新しい映像メディアの登場

　個人的なことから書かせてもらいたい。１ ９８４年の終わりに白夜書房から『ボディプレス』というアダルト誌を創刊した。25歳のときだ。この雑誌は〈アンダーグラウンド・メディア・マガジン〉と銘打ち、先行する『オレンジ通信』（東京三世社）と『アップル通信』（三和出版）同様、ビニール本・裏本・裏ビデオの批評・紹介をメインに始まったが、ちょうどＡＶの黎明期とも重なり、取材を通して才能ある監督たちと出会った。皆同世代で、強い刺激を受けた。