【フォト・ドキュメント】パンクムーブメントの軌跡【第3回】
いまだ伝説的パンクムーブメントとして語り継がれる「東京ロッカーズ」。しかし
その伝説的シーン誕生の数ヶ月前から、あるパンクバンドが密やかに活動を続けていた。地引雄一氏がその真相を振り返る。
東京ロッカーズ回顧録【第3回】
ミラーズ
日本最初のパンクバンド
「『ミラーズ』が日本で最初のパンクバンドなのは間違いないと思う」
地引氏が初めて『ミラーズ』を目撃したのは、1978年3月である。当時親しくなった『リザード(当時・紅蜥蜴)』のモモヨに誘われて渋谷のライブハウス「屋根裏」へ映画を観にいったときだった。
「70年代のニューヨークパンクシーンを記録したドキュメンタリー映画、『ブランク・ジェネレーション』を観にいったんだけど、そのとき前座で『ミラーズ』が出演していてね。まず驚いたのが、とにかく音がでかい、やたら早い、そして何言ってるか全くわからない(笑)。でも最初から最後までMAXのテンションでライブしてて、本当に衝撃的だった」
『ミラーズ』は77年に、『フリクション』の前身バンドである『3/3(さんぶんのさん)』の元ベーシストであったヒゴヒロシ(Vo&Dr)を中心に、アンドウ(G)、マツモト(B)のトリオで結成された。また同年秋から『ミスターカイト』、『スピード』と共に“ジャンプ・ロッカーズ”と銘打ってライブ活動を行っていた。
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