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地味ダサ子のオタク少女はいかにして自分を変えて銀座の人気ホステスになったのか〜12/3(日)「中村淳彦の婚活お悩み相談所」直前対談【中村淳彦・四海佑里】

 ノンフィクションライターの中村淳彦です。
 12月3日(日)の13時から高円寺パンディットというトークライブハウスで「中村淳彦の婚活お悩み相談所」ってイベントを実験的にやってみることになりました。ゲストに結婚相談所「婚活部」を運営されている四海佑里さんという銀座のホステスの方もいらっしゃって、婚活している方の悩みに直接答えますという企画です。
 婚活は相談する相手がなかなかいない。こういうところで悩みを人に話すと、気づきがあったり、悩みが解決したりってことも十分あると思うので、ぜひいらしてください。

イベント情報はこちらから↓

 その前哨戦ってことで、四海佑里さんが銀座に出勤する前にこのvoicy生放送をすることになりました。大変タメになる情報もあると思います。

「自分が異性だったら、自分と結婚したいと思いますか?」

四海 銀座でホステスしながら、結婚相談所事業もしております、四海佑里と申します。四つの海で「しかい」と申します。ホステスが本業ですけれど、コロナ禍でちょっと休業していたときに声をかけていただきまして、現在は「婚活部」という結婚相談所を細々とやっております。どうぞよろしくお願いいたします。

中村 銀座って華やかなイメージあるけど、ここのところはダメになったって話も聞きますよね。

四海 うちのお店も半年以上休業しました。うちのお店は結構、高齢の方が多い。それで皆さん生活が変わってしまったっていうのもありまして、完全には戻ってはいないのですが、銀座自体は大きいクラブさんとか、一見さんでも入れるクラブさんもオープンしています。客層は変わった感じですが、結構賑わっています。

中村 では、婚活の話をはじめましょう。コロナ禍に結婚相談所を始めて、「婚活部」のプロフィールには「魅力と人間力を磨きながら本格的な婚活が出来る『日本で唯一の部活型結婚相談所』です」とあります。これはどういうことですか?

四海 結婚相談所って聞くと皆さんハードルが高いなって思われる。どういったものかもちょっとわからないし。マッチングアプリは皆さんやったことがあると思うけど、結婚相談所って「よし入ろう!」みたいな軽い気持ちで入るわけじゃない。そういったところを払拭して、ちょっと軽い気持ちで婚活をしていただきたいというか。
 婚活をしていると結構つらくなってしまったりとか、孤独を感じたりっていうところがあります。だから、会員同士で触れ合ったりとか、情報交換したり、皆さんで楽しく婚活できるというイメージで「婚活部」という名前をつけました。

中村 僕が見ている感じだと、女性の婚活はそんなに苦労しないで、もちろん苦労はするんだろうけど、女性はまだいけそうな感じがある。一方、男性、特に中年男性は本当に厳しい。そういう風に見える。実際は、どうですか?

四海 中村さんの『中年婚活』でもありましたけど、男性の狙っているところが皆さん自分の年齢よりちょっと若いというか、40代の方は30代、20 代だったりとか、そういう若い方を希望する方が多いので、そういう感じだとやっぱり厳しいですよね。

中村 オヤジたちはなんで若い子を狙っているの?

四海 本能的なところなのではないでしょうかね。

中村 年収いくらぐらいの、どういうオヤジが20代狙ったりするの。

四海 たとえば最近、うちの結婚相談所に32歳の女性が入った。その方自体年収600万円ですが、60歳近い方からも申し込みがやっぱり来る。たまに年収2000万とかそういう方もいらっしゃって、そういう方はわかるけど、その女性よりも年収が低い方も申し込みされますし、ちょっとびっくりしました。

中村 女性側は断ればいいだけだけど、そういうオヤジが来た場合にどうするの? 「部活みたいに楽しくやる」って言ったらオヤジは好き放題言うでしょう。

四海 若い方を望むことが多いので、一応話はします。年齢差が最近はちょっと縮まってきているから、ご自身の3歳、4歳ぐらい下までがいいですよってお話はします。でも、ダメ元でいいから申し込みたいっていう方が多いです。

中村 それだと、いつまで経ってもお見合いまでいけないわけじゃないですか? それで本人が気づくのを待つってこと?

四海 もちろん若い方にも申し込みはしていますけど、同い年ぐらいの方にも一緒に申し込む。そういった方と見合いが成立していくと、「自分はこんな感じの年代なんだ」「同年代とはうまくいくんだな」ってことをわかっていくっていう感じですかね。

中村 失敗しながら、断られながら、はっきり言わないでゆっくり説得していくみたいなやり方ですね。

四海 20歳も年齢が離れている方とは正直、成婚は難しいですっていうお話はさせていただくけど、それでもやっぱり申し込みはしていきたいと言います。

中村 そのオヤジ、どうして若い子に行きたいか聞いている?

四海 結婚相談所で聞いたことはまだないけど、お店のお客様とかで60代の方でも20代の子を好む方は結構いらっしゃる。そういった方はやっぱり、私は40代ですけど、おばさんとしゃべるよりも若い子としゃべりたいっていう男性は多い。結婚も同じ考えなんでしょう。娘ぐらい年の離れた方と結婚したいのは、女性からするとちょっとよくわからないところではありますけど。

中村 結婚相談所も、成婚料もらえなさそうな人は断っちゃった方がいいよ。

四海 「婚活部」ではそもそも成婚料いただいてないんですね。

中村 えーっ、もらったほうがいいよ!

四海 そうなんですけど、私は結婚相談所で稼ごうとか、生活費を稼ぐとかそういうことではなくて、ホステスの方でそちらはやっていますし。ホステスと結婚相談所をやっているっていうことで、ある程度成果を出して、自分の経験として増やしていきたいのがありまして。最終目標的としてセミナーというか、そういうものをつくっていきたい希望があります。

中村 なんのセミナーをするの?

四海 自分自身、自分を変えたっていう経験もあるので、自分を変えたいっていう方のお手伝いをしたい気持ちがあります。
 ちょっと前にうちの相談所、いわゆるモテセミナーから紹介される女性男性もいらっしゃった。お話を聞いてみると、全然そのモテセミナーが活きていないというか。モテセミナーとは一体何かっていうところがちょっとありまして。
 例えばサラダが来ました。取り分けましょう。喜ぶ女性もいるし、取り分けてほしくない女性もいるわけです。でもモテセミナーだと取り分けましょうねと、そういったことを教えるらしい。
 そうじゃなくて、人間として、つまり男女は別に関係なく、人としての魅力をつくっていくというか、人として根本的に好かれるにはどうしたらいいかっていうところのセミナーを考えています。

中村 中年のオヤジで話していきたいのですが、中年のオヤジはモテようがない。どうすればいいですか?

四海 でも、中村さんの『中年婚活』読んだら結構モテるようになりますよ。

中村 婚活とかモテには、大前提として個性とかはいらなくて、清潔感を出して、自分の話をしないで傾聴しようっていう基本を伝えている。『中年婚活』では簡単にそれだけを言っているけど、読者のなかには「お前の言うことは間違っている、結婚相談所の人に判断してほしい」みたいな逆ギレしてくる人もいる。

四海 私はこの本を読んで、すごく実践的に書かれているなっていうところが感動したところです。プロフィールの文の書き方とかもあるじゃないですか。こういう文章書くといいよとか。あとお洋服。だからこの本の通りにしたらそれなりにモテます。モテない中年の方、これは若くてもそうかもしれないけど、とりあえず素直じゃない。プライドが高いところがある。

中村 自責思考、他責思考の話ですね。プライドが高いのは、モテないのは自分のせいじゃなくて、社会とか女が悪いって思っている。結果に対して他責思考。「外見で人を選びやがって!」とか、そういうオヤジが来たらどうするの?

四海 私、結婚とか婚活とか、全ての人間関係って想像力だと思う。想像力を磨けば、たとえばこんなこと言われたら嬉しいとか、そんな服装で来られたら嫌だとか、そういうことも全部わかると思いますし。お仕事とか全部そうだと思う。ここまで仕事したら、この人嬉しいだろうなとか。だからモテる人は、仕事もできる人だなって思います。
 だから「素直になってください」とは言わずに、「想像力を磨いてください」っていうお話はしています。

中村 「想像力を磨いてください」で、具体的なこと言わないとオヤジはさっぱりわからないと思うけど。女性っていうのはもう年齢である程度、どういう状態かってわかるじゃないですか? 一番モテる時期が28歳、33歳ぐらいで焦りだして、36歳超えたあたりからちょっと諦めだして、40になったらもう、っていう感じだと思う。婚活してるオヤジはその女性のマクロ的な動きすらわかっていなくて、どこから自分にチャンスがあるのかとか想像もついてない。

四海 私の場合はたとえば「自分が異性だったとして、自分とお付き合いしたいと思いますか?」っていう風に聞きます。そうするとだいたいの方が、「嫌だ」って言う。付き合いたくないと。「自分ですら付き合いたくない自分が、人から選ばれると思いますか?」ってお話をします。そうするとだいたいの方は、「そうだね」みたいなことになります。それで、「ここを直したらモテるんじゃないか?」というところを紙に書いたりするんですよ。

中村 紙に書きだすの?

四海 「どこが嫌で自分と付き合いたくないですか?」と聞くと、たとえば「太っている」とか、いろんなことが出てきます。「じゃあ、痩せればいいですよね」とか、そういう風に1個1個潰してくださいって。

中村 オヤジにはどこから助言するの?

四海 ご自身がダサいっていう自覚があったときは、やっぱりファッションですよね。

中村 オヤジ1人で買いに行かしたら、ちゃんとした服を買えない。

四海 中村さんもおっしゃってたと思うけど、私とりあえずMBさん(ファッションYOUTUBER)の動画をお勧めしています。それでも、自信ないという方は、私一緒に買いに行ったりします。

中村 無料で?

四海 はい、私も勉強になるので。

中村 ゆりさんはオヤジに優しいよね。

四海 そうですね、きつくいうのが性に合ってないので。逆に、厳しい相談所もあります。なにが正解なのかわからないけど、怒られて伸びる人もいるでしょうし。私は私と相性がいい人がいてくれたらいいなっていうところです。

中村 結婚相談所とアプリの婚活においては『中年婚活』で、このやり方しかない、再現性の高い合理的な方法を書きました。やる気があれば、難しいことじゃない。自分自分の価値を頑張って上げて、自分と同じレベルの女性と出会って、上手く成功に持ってくってこと。真剣に取り組めば、難しいことじゃないです。

四海 そう思います。だから本当に結婚したい方は、この中村さんのご本を読んだら、できる。これを実践したらできると思うれど。多くの人は結婚をどうしてもしたいっていうより、自分のやり方でやってダメだったらいいかぐらいの気持ちでいる。だから成婚までいかないんです。

中村 まず自分のやり方でやって、理想が高かったらすぐに躓く。失敗してだんだん直していくみたいなイメージですか。

四海 そうですね。

中村 voicyのスターパーソナリティの伊藤洋介さん、60歳の方で婚活している方がいらっしゃるんですけど、『中年婚活』の内容みたいなことを話しても難しかった。だんだん理想を下げてはいるけど、現段階だと5歳下はババアすぎるみたいな状況に見える。最近は失敗を重ねながら、妥協に妥協を繰り返して49歳、51歳くらいまで想定に入ってきたようでした。

四海 じゃあもうちょっとで出会いますね。50回くらいの失敗で対象年齢を上げられるんだったらいい方かもしれません。

中村 そうなの?

四海 もっと皆さん、もっともっとですよ。うちの相談所は月200人までお見合い申し込めるんで、もうだから200人 × 何ヶ月もダメな人もいますし。

中村 申し込み200人はすごい。伊藤洋介さんの相談所は大手で月10人までしか申し込めないって言っていました。そんな高望みして月10人では絶対に足りない。だから時間がかかってしまっています。最大200人まで申し込みは、もう営利目的じゃなくてやっているような状態。本当に面倒見るって感じのやり方ですね。

四海 まあ、人助けと言うか、幸せになってほしいっていうところと、私自身もすごく勉強させていただいてるんですね。こういう人もいるんだ、こういう考え方もあるんだとか、もう毎日勉強なので。普通ならお金払って勉強するところもあると思うので、そうやって考えたら、まあお金はちょっといただきながら、自分も勉強できているので私としてはいいです。

外見を変えて性格を変えたら、人生が180度変わった

中村 婚活は女性と男性では深刻さが違う。男性のほうがいろいろ厳しい。

四海 女性の方はメイクとかもありますし、色々とごまかせるところが多い。男性は素材で勝負みたいなところがあるので、そういうところでは女性の方が有利と思います。けれど、やっぱり考え方的には女性も年齢を重ねれば重ねるほど理想が高くなっていくところもあります。

中村 理想が高いと、必ず失敗します。

四海 いままで結婚してこなかったから、一発逆転したいっていう気持ちが働く。40歳ぐらいだと周りも結婚して子供もいて幸せ、って状況を見るわけじゃないですか。そこに勝つには年収高い人と結婚してタワマン暮らししてみたいな。

中村 それは難しいよね。

四海 私のところではあまりないけど、他の結婚相談所の方に聞くと、一発逆転を夢見る方は多いようです。

中村 一発逆転って言ってもね。自分と同じレベルとしか結婚できませんっていうのはどうしたら理解できるのかな?

四海 中村さんの「結婚は等価交換」ってすごい名言だなと思いました。

中村 でも、どこの結婚相談所もそういうこと言いますよね。

四海 たとえば見た目がいい人と結婚したいなら、自分の見た目も上げないといけないですね。ご自身が顔で選んでいるっていうことは、ご自身も顔で選ばれているっていうことです。そういったアドバイスはもちろんさせていただいてます。男性も眉毛ひとつだいぶ印象が変わったりするので。

中村 ゆりさん自身も、Twitterのトップページに固定写真があるけど、小6のとき、これブスって言ったら失礼だけど、やばいよね。

四海 はい、「先生」って言われていました。

中村 この子がいま銀座で20年でしょ? 12歳がこれで、20歳には立て直したってことだけど、何があったの?

四海 私、男性からはもちろんモテなかった。アニメのオタクで、まだ流行る前の秋葉原に通っていて。それで高校生の頃、神宮球場の売店でアルバイトした。一緒に働いているお姉さんたちがすごく綺麗な大学生の方で、いままでは友達としか接してこなかったので自分のやばさに気づいてなかった。全く違う環境になったときに、お客様とかバイト仲間のその女性たちに対する態度と、自分に対する態度がまるで違ったわけです。

中村 具体的にどう違ったの?

四海 目を見て喋ってくれなかったり、その女性たちにはお菓子とか差し入れあるけど、私にはくれないとか。やっぱり人って綺麗じゃないと人生は楽しくないんだなって思った。私はブスだから、もうつまんない人生だと思った。
 しばらく、しょうがないかブスだしと思っていたけど、当時、私たちの時ってコギャルが流行った世代。クラスの女子はみんな化粧しているわけですね。女子たちがおもしろがって、オタクの私に化粧した。写真の通りくせ毛だったけど、ストレートにアイロンで伸ばしてくれて、メイクをしてくれた。そのとき、メイクしたらもしかしたらいけるんじゃないかって思ったんです。
 そこで自分のポテンシャルに気がついて、ダイエットしたりとか、メイクの勉強をした。ファッションを変えた。そう努力をしたら、まわりの男性が優しくなってきたんですね。でもオタク気質だったので、人見知りの性格とかを直したくて、水商売の世界に入りました。

中村 人見知りの性格直したいから水商売なの。すごいね。

四海 うち実家がスナックをやっていて、そのスナックでバイトをし始めた。お客さんは近所のおじさんとかそういう方々とかで、これでは修行にならないなと思って。父親に相談したら銀座のスナックだったらいいよって言ってくれた。それで銀座のスナックで働きだしました。
 やっぱりそのコミュ障だったもので、もう本当に辛くて、出勤する前にもうお酒飲んでから出勤とか。ちょっとずつ男性にチヤホヤしてもらえる楽しさを覚えて、そこからモテたいっていう気持ちがすごく強くなった。合コンのときに女性がどういう風に話したら男性が喜ぶかとか、みんなを見てすごく研究して、今ではクラブで働けるぐらいにはなりました。
 昔は自分が大嫌いでしたし、卑屈に生きていましたけど、いままで敵だった人たちが味方になった、人生が180度変わったと思っています。

中村 なるほどね。じゃあ、続きは日曜日のイベントで、お願いします。ゆりさんの婚活部の宣伝なんかありますか。

四海 ありがとうございます。婚活部ではみなさんで楽しく婚活していきたいと思っていますので、是非私のXから見ていただけると嬉しいです。

中村 値段はめちゃめちゃ安いよね。200人まで申し込めるなんて本当に良心的な相談所。

四海 200人はいくつかあるプランのひとつですけど、成婚料がないだけでも他よりは安いと思いますよ。

中村 今日はありがとうございました。12/3(日)高円寺パンディットのイベント「中村淳彦の婚活お悩み相談所」もよろしくお願いいたします。

イベントではお得な書籍付きチケットもご用意しています!

<著者プロフィール>
中村淳彦(なかむら・あつひこ)
ノンフィクションライター。無名AV女優インタビュー『名前のない女たち』シリーズ、『東京貧困女子。: 彼女たちはなぜ躓いたのか』、『悪魔の傾聴』などヒット作多数。花房観音との共著『ルポ池袋 アンダーワールド』(大洋図書)が絶賛発売中。Voicy「名前のない女たちの話」日々更新中!https://voicy.jp/channel/2962