具体的な産地の記載がない【国産】若どりって一体どこ産なの?
ネットスーパー、店舗型スーパー限らず、鶏肉売り場に行くと、パッケージに「国産」とだけ書いてある商品と、「〇〇産 ××赤鶏」など、具体的な産地や名称が記載された商品がありませんか? (もちろん、外国産のものもありますが、ここでは割愛)。
大抵「国産」とだけ書いてある商品の方が安いので、そちらに手が伸びがちではありますが、実際はどのような違いがあるのでしょうか。
私もお買い物の時迷っていたので、記事にしてみたいと思います。
産地を紐とく鶏肉の種類について
そもそも日本で流通している鶏肉には、「ブロイラー」「銘柄鶏」「地鶏」の3種類があります。
この中の「ブロイラー」が、スーパーでよく見かける、いわゆる国産とだけ表記がある鶏肉にあたるのですが、鶏肉って、具体的な産地を謳うには一定の基準があるそうなんです。
つまり、ブロイラーはその基準を満たしていないので、国産であるのは間違いがない(外国産のブロイラーもあります)けれど、産地の記載はできないということになります。
ブロイラーが、国産若どりの正体
では、ブロイラーって一体何なのでしょうか。地鶏、銘柄鶏は比較的分かりやすい名前なのに、なんでブロイラーだけ分かりづらいカタカナを使うのって思いますが、これはどうやらアメリカからきている言葉だからのようです。
ブロイラーって、つまりは調理することを目的に育てられた鶏肉のことのようですね。丸ごと炙り焼きするかどうかは、買い手に決めさせて欲しいけど、とにかく世界中のみんながいっぱい食べられるように、すぐに成長するよう改良された鶏ということです。アメリカ人の発想ってすごい!
ちなみにどれくらいで成長するかというと、ウィキペディアには2ヶ月半と書いてありますが、農林水産省のホームページによると、通常約50日ほどで大きくなるそうです。ちなみに銘柄鶏の場合はそれより2週間くらい長くて、地鶏になると80日以上がだいたいの目安。
一体、日本国内のどこ産なの?
農林水産省の畜産統計調査から、2021年の実績をベースにブロイラーの出荷羽数が多い地域を見てみると、1位 鹿児島県、2位 宮崎県、3位 岩手県となっていました。
なんだかお肉の産地として、美味しそうな地域ではありませんか?
ちなみに牛・豚にもブロイラーはあって、これもまた鹿児島県が全国で産出額トップだそうです。
ただし、鶏の品種自体は、ほとんどが外国から来た交雑種で、日本国内で育成改良された品種は全体の約2%にとどまります。
例えるなら、何世代も鹿児島で育ったアメリカとイギリスのハーフといったところでしょうか。
国産若どりの味や食感について
ブロイラーは、銘柄鶏や地鶏と異なる飼育方法だからといって、食べない方がいい?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、個人的には「調理用に飼育された鶏肉」という観点から、これからも全然買うし、食べます。
地鶏って弾力があって、噛めば噛むほど旨味が広がるので、お肉の出汁を生かしたい煮物や水炊きには向いているけど、料理によってはちょっと主張が強い場合があると思うんです。
例えば、グラタンや唐揚げは、さっぱりと柔らかい食感のブロイラーの方が食べやすく仕上がります。
この肉質の違いは、飼育方法にあります。すし詰め状態で飼育され、ほとんど動くことがないブロイラーに対して、地鶏は広い鶏舎で平飼いされているので、運動量が多く引き締まっているのです。
なのでどちらがいい、というわけではなく、料理によって使い分けるが正解だと私は思います。もちろん値段も大事な選択基準となりますが、「今夜は何を作ろうかな」という視点から選ぶと、お買い物がもっと楽しくなるのではないでしょうか。
銘柄鶏と地鶏の違いについては、こちらの記事をご覧ください。
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