アリアンロッド2E 厳選!レギュレーションで禁止にしておいた方が良いデータ集
1. 初めに
前回の記事(アリアンロッド2E エネミー調整のすすめ)ではシナリオ作成段階におけるGMサポートを行いました。シナリオを作成して次にする事と言えば卓募集です。そこで、募集段階で何か困る事はないかと考えてみました。その中でぱっと浮かんだのは、PC作成レギュレーション決定を少し悩むのではないかという事でした。PSG(パーフェクトスキルガイド)だけでもたくさんのデータが載っており、これを全部確認するのは大変です。だけど、PLにはある程度自由にキャラ作成させてあげたい……。そんな方に向けて、この記事ではGMのデータ調整難度とPCの作成自由度を両立するために、ゲームバランスを保つのが難しくなってしまう極端なデータ達を”超個人的な観点から”紹介していこうかと思います。
2. 基本となるレギュレーション
さて、具体的なデータを紹介する前に、よく使われる大枠のレギュレーションをいくつか書きます。基本的にはこのどれかを基盤として、後から紹介する特定のデータを禁止にしていく事でそこそこのバランスになるのではないかと思います。筆者としてはスキルガイド環境かパーフェクトスキルガイド環境(地方制限あり)ぐらいがオススメです。
基本環境
超初心者向け。基本ルールブック1、2だけの範囲で遊ぶレギュレーションです。リミットスキル(他のスキルの5レベル取得する事が取得の前提となるスキルを筆者のグループではこう呼ぶ)もなく、ややこしい情報はほとんどないので遊びやすいです。その分キャラ作成の幅はだいぶ抑えられるので、慣れたら次のレギュレーションに進んでしまいましょう。下級後半になってくると取得したいスキルがなくなってくるのでかなりしんどくなってきます。スキルガイド環境
地方クラスを除いてスキルガイドやPSGに記載されているスキルを取得出来るレギュレーションです。1クラス当たりのスキルの種類は1.5倍になり、リミットスキルも追加されるので、キャラビルドの幅は一気に上がります。アイテムも地方限定のものは使用しません。パーフェクトスキルガイド環境(地方制限あり)
上記のレギュレーションに加えて舞台となる地方のクラスやアイテムを使用可とするレギュレーションです。ある程度遊んだ人が新たな遊び方を発見するのにもいいですし、地方ならではのクラスをキャラクターの個性とすることでRPの幅を増やす事も出来ます。この辺を遊ぶレベルになるとストレンジャーガイドなんかも混ぜてしまっていいと思います。少しアレンジしたものだとPCごとに故郷となる地方を決定し、その地方のクラスだけを許可するといったものもあります。キャラクター毎の個性もより際立たせる事も出来るかもしれません。パーフェクトスキルガイド環境(地方制限なし)
すべての地方のクラスとアイテムを自由に使用出来るレギュレーションです。地方を跨いだクラスのスキル同士で強力なコンボを発見したり、もっと深くこだわってキャラクターを作成する事が出来ます。スタイルやアーツもこの辺りから使っていってもいいでしょう。ミソロジーガイドを追加するならこのあたりでしょうか。全部乗せ環境
LDB(レガシーデータブック)、エキスパンションブックのゲッシュ、PIG(パーフェクトアイテムガイド)のS武具、PEG(パーフェクトエネミーガイド)の精錬など、PSG以外に存在する様々なデータを導入するレギュレーションで、かなり熟練者向けです。特にLDBはアクションが1つ増え、複雑さの代わりに版が上がったような新感覚で遊べます。ここまでくれば、いっそ開き直って、以降に示す禁止にしておいた方がいいデータも全開放にしてしまうスーパーインフレ環境で遊ぶのも逆に楽しいかもしれません。かなり人は選ぶと思いますが……。
3. 禁止にしておいた方がいいデータ
お待たせしました。ここからがタイトルにある使用を制限した方がいいデータです。考える基準は以下の通りです。
・性能が同系統のスキルから”追随を許さない”レベルで抜きんでている。
・直接名前を指定してメタらないと、GMの調整ではどうにもできない。
・元々のゲーム性を著しく変更する。(新しい遊び方を探す人にはプラスかも)
・処理の過負荷によっていたずらに時間が長引く。
★1:禁止にするかは好み、もしくはシナリオの傾向によって禁止するかどうかを判断する
★2:禁止にしておくのが丸い
★3:禁止にしておくべき
★4:特級✕物
3-1. クラススキル部門
《ファイトソング》★★★★
基本ルールブックに存在しながら、一番最初に思い浮かんだ凶スキル。回復するシナ1スキルはだいたい《インタラプト》の様な所謂無効札です。それらのスキルはシナリオ中に1回だけしか使えない唯一のスキルだから、GMもそれを想定して敵のデータを組む事が出来ます。しかし、《ファイトソング》はその回数を簡単に1回増やせる上にどのメインクラスでも取得する事が出来ます。言い換えれば、誰でも使えてセットアッププロセスを消費すればボスの行動を1回消す事の出来るスキルです。誰でも習得できる基本クラスのバードに転職+スキル1つのたった2枠でこれが出来てしまうのですから、調整もクソもありません。普通にボスエネミーに《インタラプト》を習得させるだけの虚無になりそうなので、初めから制限しておけばWIN-WINな気がします。《コールスレイプニル》★★★★★
これの選定理由は、スキルというよりこの効果で取得できる「召喚具:ユニコーン」がバランスブレイカーだからです。まず、このアイテムの回復量の上昇値は[CL×3]、《ヒール》の固定値と同じです。レベルが上がればヒールの3Dは微差になってきますから、単純に考えれば、スキル1つで《ヒール》の効果を倍にするという効果になります。これだけでももうおかしいのはわかると思いますが、このアイテムには更にまずいところがあります。
アリアンロッドのスキルを見ていくと、回復や軽減を強化するスキルは総じて「ダイスで効果を求める効果に有効」などの記載があると思います。しかし、ユニコーンにはこの記載がないため、例えばヒーラーの「ヒーリングパック」の効果なんかにも適用できるわけです。そうなれば、《ポイズンアップル》の対象が《ヒール》を受けたばりのHP回復を受ける事が出来、2回攻撃が出来るようになれば、【HP】が4割ぐらいしかなかったのに、手番で攻撃しただけで【HP】は全快している、なんて事があるわけです。こうなって来ると、【HP】の数字はほとんど意味を成さず、0かそれ以外かという1bitになるわけです。なんだか馬鹿馬鹿しくなってきませんか?これはあくまで一例ですが、他にも《イートザミート》と組み合わせる等、考えればいくらでも悪い事は出来そうです。こればっかりはGMのエネミー調整ではどうにもならんので最高評価(?)になってしまいました。
「召喚具:ユニコーン」だけでなく《コールスレイプニル》を禁止推奨にしているのは「召喚具:アヴァロンポメロ」の存在と使用時騎乗しているか問題があるからですね。アヴァロンポメロはエネミーデータの様に特定の武器種に対して抵抗を持つ効果ですが、これがあるとGMが武器にいちいち武器種を設定しないとダメになるんですよね。筆者はそういう事が苦にはならない派なんですが、正直GMの手間が増えるだけなのでオススメは出来ません。また、《コールスレイプニル》使用時に取得したアイテムにいきなり騎乗状態になれるかって議論がよく起きてる気がするので、その辺の面倒事に巻き込まれたくないのなら尚更禁止でいいと思います。《フラクチャー》★★★★
1ラウンドの間、エネミーのスキル1つを封印するスキルです。ある程度のレベルのボスは《二回行動》を持っているのでそれを封印すれば、手番1回で《インタラプト》を回復出来る《ソウルフード》と同じぐらいの価値です。しかし、「英雄の薬」を飲む本職ハンターでなければ汎用性を大きく欠き、攻撃を当てる必要もあるので、実際のところは少し劣るといったところでしょう。しかし、魔術を1つしか持っていないような魔術師に対して上から使えば、《二回行動》と合わせて計2回分の行動を消せるので、異常なハメ性能を誇ります。この時点でこのスキルは十分凶悪と言えるでしょう。
本質的な問題はここからなのですが、GMがデータ調整をする時にこのスキルがあると非常に厄介です。取り巻きならともかく、ボスエネミーには常に多くの攻撃手段を用意しておく必要があります。更に、攻撃スキルだけならまだしも、スキルを使ったギミック戦闘の幅がかなり狭められてしまうのが最大の問題点となります。例としては、オブジェクトを配置してそれを破壊しながら戦闘を進める様なものや、ラウンド中に起こしたアクションに応じてクリンナップでバフやデバフを付ける様なもの等です。
そして、もう1つ厄介なところはGMのデータ調整で張るメタをあまりにも露骨にせざるを得ない事です。どのパーティにも入っている《インタラプト》の様なスキルに対して「スキルの効果で失敗に出来ない」と書くのは割とよくある事で、公式エネミーのスキルにも書かれています。しかし、スキルを使用不可にするスキルはこれだけなので、わざわざこれを考慮して「使用不可にならない」と追記しなければならないのです。GMPLどちらも気持ちよくはない気がするので禁止推奨です。
2022/10/19追記分《コンパイルブースト》★★☆☆
《ディスコード》や《チェックメイト》のほぼ完全上位互換です。魔術を付与しておかなければならないという下準備が必要ですが、それを簡単に満たせるスキルはここで敢えて紹介する必要もない程度には有り触れています。そんな下準備を無視して余りある程に、ラウンド1回の縛りが無いのは下級のバフとしては異常で、上記2スキルとの差が酷すぎるため選出しました。《ポイズンアップル》★★☆☆
係数は3ですが、ほぼ《コンパイルブースト》と同様のバグスキル。打点の他に違うところは、MPコストで悩まない事、下準備が不必要である事、代わりに射程が短い事です。実際射程のデメリットは《コンパイルブースト》より効いてくる事が多いイメージです。ただし、前述のユニコーンや後述のテンプルとの噛み合わせが良い「ヒーリングパック」との相性を考えると、《コンパイルブースト》と一緒に制限しておいていいスキルだと思います。余談ですが、「射程:至近」とかにすれば結構ましな調整になるのかもなと勝手に考えています。《パスドポーン》★☆☆☆
死亡という不可逆要素をひっくり返せるスキルです。シナリオの都合でどうしても死亡させなければならないNPC等に使われると、シナリオが軌道修正が不可能なレベルに別の方向に行ってしまう事があるため、それなり筋道があるシナリオやキャンペーンなら禁止にしておかないとまずい事になるでしょう。逆に割と行き当たりばったりのシナリオなら制限する必要はないかもしれません。《ミアズマブラスト》★☆☆☆
一応スキル部門の枠組みで入れていますが、大枠としてはルイネーターです。理由は一つで自主的にPCロストが出来てしまうからです。上の《パスドポーン》でも話しましたが、死亡はデータ的に不可逆な要素です。そのため、このゲームではエネミーがとどめの一撃を宣言しなければPCが死亡しない様に設計されています。また、SSS(スーパーシナリオサポート)等でもハンドアウトが用意されている様に、このシステムでのシナリオ(特にキャンペーン)におけるPCには、他のキャラクターでは取って代わる事の出来ない設定が付加される事がよくあります。つまり、特定のPCが死亡してしまう事でシナリオ自体が立ちいかなくなる事がシステムの傾向的にもあるため、PCが自主的に死亡できてしまうのは詰みを引き起こす原因となります。《パスドボーン》同様シナリオ傾向を加味して、禁止にするかどうか決めましょう。
3-2. 一般スキル部門
《マスターマインドⅢ》★☆☆☆
GMに拒否権がない質問スキル。シナリオ構成次第では、使われるだけでシナリオの内容が全公開されてしまう可能性があり、シナリオブレイクになってしまう事も考えられます。きちんとストーリーを組んでいるシナリオであればあるほど、禁止にしておくべきスキルです。逆にダンジョン探索をするだけの様な真っすぐなシナリオでは禁止にする必要はないでしょう。《キャッチアウト》★★★★
一度見たスキルに対するリアクションが馬鹿みたいに強くなる東方のスキル。これがクラススキルにあっても狂気じみているのに、一般スキルという点が常軌を逸しています。このスキルにより、命中判定をはじめとした能動判定の調整の意味がなくなります。リアクション系のスキルをクラススキルから取得する事が馬鹿馬鹿しくなるので禁止で良いと思います。《クリエイトダークネス》★★★★
PCがトラップを設置できるスキル。正直エネミーに《トラップ無効》を持たせれば、GMサイドの調整としては解決なのですが、PC間でややこしい事が起きます。「ブラックアウト」の遮蔽になるという効果と暗闇を作る効果は、PC間で事前にかなり相談しておかないと他PCにとっては邪魔でしかないです。相談したとしてもこれを避けられる様にキャラクター作成をするだけで、キャラビルドの選択肢は豆粒レベルになるでしょう。PC同士で不利益を与える効果は禁止にしておく方が良いでしょう。《クリアバスケット》《ソニックラン》★☆☆☆
これらのスキル単体で見ると、流石LDB記載なだけあって強い一般スキルだな、で留まるのですが、問題は他のスキルとの組み合わせです。もう紹介しましたが、《コンパイルブースト》の条件を満たす事が一番の問題なのです。《コンパイルブースト》を★4に設定していないのは、一応形だけの下準備が必要だからです。しかし、これらのスキルがあるとシナリオを開始時に条件がすべて揃ってしまいます。《コンパイルブースト》が許可されているならこれらのスキルは禁止にするべきですし、これらのスキルが許可されているなら《コンパイルブースト》は禁止にするべきでしょう。《フェイス:ベネット》★★★★★
ミソロジーガイドにて飛んでもない化け物が生まれてしまいました。こいつも上限突破の★5です。
設定上取得は難しいですが、エンゲージの概念を破壊するゲーム性否定スキルです。《ヴァーナ:兎族》《スニークアップ》で封鎖以外はほぼすべてのエンゲージを無視して動けるようになり、配置や前衛が敵を止めるなどといった基本的なタクティクス要素をすべて否定する忌み子です。
さらにこれだけではなく、《ランナップ》や《アボイドダンス》などでいくらでもめちゃくちゃにすることができます。
称号スキルでも強すぎるのに、一般スキルでこれとなると是非はないでしょう。出禁です。アリアンロッド5Eが出たらまた会いましょう。
2024/9/24 追記
3-3. 天啓スキル部門
まず天啓スキル引いてはミソロジーガイド自体が全体として★1個か2個つぐらいあります。設定の制約があるとは言え既存の役割理論から外れたスキルが多いので、クラシックな戦闘を楽しみたいならミソロジーガイドごと禁止でもいいかもしれません。
《雷神乱舞》《嵐の御霊》★☆☆☆
SLが伸ばせちゃう《ランナバウト》です。一部互換ですがほぼ上位互換で、本来範囲攻撃に手を伸ばすのに工夫が必要なクラスが簡単に範囲攻撃できてしまうので、逆にそういう工夫のキャラクターにきちんと意味を持たせてあげたいなら禁止にしておくと良いでしょう。
(SL上限1のスキルだったらめっちゃいいスキルだったのになぁ……)《緊急治療》★★☆☆
誰でも取れる弱体化《クイックヒール》。射程はないですが、転職の必要なく誰でも取れてしまうことや非常に簡単に確定数変えれてしまうことを考慮すれば相当なものでしょう。レベルが低いほど猛威を振るうスキルになるので、主に下級帯での要警戒スキルになります。《霧の道》★★★★
1マス1マスが封鎖される状況は非常に良く使われているスクエアルール上戦闘を大きく遅延する要素となるでしょう。何より結果的に利敵行為になってしまう場面も多々ありますので《クリエイトダークネス》同様に使用不可としておくのが丸いです。処理も微妙でオススメできません。
3-4. アイテム部門
陸マグロ ★★★☆
費用対効果が高すぎるマウントアイテム。まず、携帯品重量上限と【移動力】の上昇値だけ見てもこれに匹敵するアイテムはそうそうありません。それだけでも十分強いのに、パッシブで飛行状態と回避判定+1Dがついています。このデータを見た時に正直誰もが二度見したと思います。見た目が奇怪になる事以外デメリットがなく、必要レベル、値段、性能すべてにおいて他の選択肢がほぼ目に入らなくなるオーバースペックです。制空結界印 ★★★★
無条件で封鎖する。だけではなく、飛行状態を解除する。だけではなく、シーン終了まで飛行能力を封じるといった僕の考えた最強アイテムみたいな効果。敵だけ地面に叩き落として、自分達だけ飛んで好き勝手移動できるなんてめちゃくちゃな事が可能になります。なによりフリーアクションで使用出来てしまうため、金さえあれば封鎖するスキルなんかを取る理由はなくなります。エネミー完封の種になるのは間違いないので禁止でいいと思います。勇気のホイッスル ★★★★
バードのメインスキルである《ジョイフルジョイフル》を使用出来るスキル。まず、お金を払ってるとは言え、他クラスのメインウェポンを簡単に使えてしまうのは、特に他にバードがいる状態ならあんまり良くないデザインだと思います。また、”解釈次第では”《リビングガーデン》とのコンボでMPとアイテムが続く限り、半無限ループ出来てしまいます。ループするのはゲームとして成り立っていないのは誰でもわかると思います。この時点で、このアイテムは禁止にしておくべきであると言うのはわかると思います。しかし、この問題の本質はこの動作が”実際に”出来る出来ないの問題ではなく、ゲーム性として良くないこの動作をわざわざやりたがる人に対して、この出来る出来ないの議論をしなければならない事です。これらの理由から、このデータは禁止としておくのが無難でしょう。呪壁符・爆撃符系統の呪符 ★★☆☆
ここではダメージロールの直前、直後にダメージを上昇、軽減させる購入可能のアイテムを指します。まず、呪符を主体とする戦い方をする(呪符を強化するスキルをいくつも取得している、またはする予定がある)カンナギがいる場合は、そのキャラクターにのみ使用を許可するべきだと思います。これの問題は誰にでも許可してしまうと、ダイスロールの度に毎回ほぼ全員がダイスを振って処理が長くなる点にあります。また、お金が気にならないレベル帯ならば、スキル枠いくつかの完全上位互換となり、それらのスキルを取得する事への虚無感に繋がるので、関連スキルを持っていなければ禁止にしておいて良いのではないのでしょうか。エクストラドロップ ★★★★
値段が設定されているので挙げておきます。流石ネームドエネミーのドロップ品と言うだけあって、今までのスキル、アイテムにはないような効果が多いです。つまり、普通の調整には収まりきらない事が多々あるという事です。全部確認して不整合がないか確認するのは大変なので、よほどの自信がない限りは許可しなくて良いと思います。
3-5. ギルドサポート部門
再行動 ★★★★
すべてのPCの手番が1回増えるギルドサポートです。これがあるかないかで戦闘終了が想定より1ラウンド早まり、間に回復などの立て直しも出来るので、ぶっちゃけ戦闘が余裕になります。このギルドサポートがあるかないかでボスの調整が全く変わるので、許可するなら推奨ギルドサポートにする方が良いでしょう。GH:テンプル ★★★★
他のHPMP回復増強系が霞んで見える程、リソース回復が楽になり過ぎるギルドサポートです。《ヒール》等の回復量増加はそこまで問題ないのですが、道中のリソース削りの価値が減り、リソース管理のゲーム体験が薄れてしまいます。また、この効果は「召喚具:ユニコーン」同様にダイスで効果を求めない効果にも有効なので、そこも危険ポイントになります。連携攻撃 ★★★★
普通にアリアンロッドが遊びたいなら使わない方がいいです。端的に言ってしまえば最速のキャラクター以外の【行動値】の概念がなくなって、最も早く動けるキャラクターから陣営毎に動けるゲームに変わるイメージでしょうか。なんとびっくりそれぞれの行動に追加効果もついてきます。
3-6. 追加ルール部門
S武具とクリスタル ★★★★
中途半端なマジックアイテムすべてをゴミに変えるルールです。防御力を気にしないなら、S3ハットやS3マントが値段も性能もそこらのマジックアイテムを過去にしていきます。クリスタルの中にはBS(バッドステータス)抵抗やBS付与をパッシブでやってのけるものや、コスト軽減、飛行、封鎖のようなスキル1個以上の性能を持ったものが多数存在し、これらから好きに組み合わせる事が出来ます。一言で表せば、「なんでも出来過ぎてしまう」でしょう。スキルや他アイテムの価値が相対的に下がますし、防御力が必要な前衛は、S3ハット等のクリスタル埋め込み用の低防御力アイテムを装備できないため割を食います。スキル構成にキャラビルドの重点を置いているこのゲームにおいて、スキルの価値を下げるルールはあんまりオススメ出来ません。誓約(ゲッシュ) ★★★☆
必要経験点次第ですが、費用対効果が高すぎるもの等色々あります。もちろんこれだけで禁止にする理由になり得るのですが、どちらかと言えば問題の本質はそっちにない気がします。盟約を取得すると、PCに束縛が与えられます。この束縛によってシナリオ進行が妨げられる事は簡単に考えられます。そのため、許可するにしても好き勝手に取らせていいものではないと思います。運用方法としてぱっと思いついた2つは、シナリオやキャンペーンの開始時点から取得する盟約を決めておいてそれを加味してシナリオを組む、途中で取得する際にそれを設定とシナリオの都合上で取得しても問題ないか毎回GMに確認を取らせる。こんなところでしょうか。
余談ですが、サモナーの盟約である「召喚士と使い魔」で使い魔を取得出来ないはずのキャラクターが、《スマートブレインⅢ》があれば使い魔を取得しても束縛に反さないのが”データの穴”って感じがして好きです。(たぶん許可はしませんが……)伝承武具 ★★☆☆
取得方法が盟約、伝承武具生成器ぐらいしか無く、その機会を作らなければまあ取得される事はないので、念のためぐらいで書いておきます。性能はランダムで決定する事が多いので、そこまで驚異的なアイテムになる事は少ないですが、噛み合ってしまえば普通のマジックアイテム以上の効果を発揮するでしょう。また、攻撃力や防御力がCLに依存するので、装備更新の代金がかからないのも強いです。ただ、この面倒な点としての本質は戦闘不能=死亡になってしまう呪詛が存在する事です。戦闘不能になる事はままあるので、死亡させるつもりのなかったPCを不意に死亡させる事故にGMは気を使わなければならないです。後は《ミアズマブラスト》の項目で説明したのと同じ理由です。レガシークラス ★★★★
レガシークラスというよりフォーチュネイトがダメって気がしますが、それを含めて説明していきます。今から支離滅裂な発言をしますが、フォーチュネイトでは、スキル1個分に含まれているスキルは[CL+2]個分です。例えば、8レベルなら10個ですね。どういう事かと言うと、スキルで[CL+2]個取得できるアルカナムがそれぞれスキル1個分以上の効果を持っているんですよ。そんなスキル枠の錬金術が許されていいわけがありません。シーフしか取れないので他のキャラクターとの格差は明確に広がります。更に、あらゆるタイミングで差し込みが発生するので、戦闘の節々で使用するかの相談、思考が入ります。上級以降ではよく見る光景ですが、フォーチュネイトは下級からそうなりますし、なんなら上級と併せるととんでもなく一時停止が入ります。この2つの観点からフォーチュネイトは禁止推奨データになります。
ほなら、フォーチュネイトだけ禁止にしたらええやろ!って話になるのですが、ところがどっこいそういう訳にはいきません。そもそも、レガシークラスを導入するとメインプロセス内にレガシーアクションというアクションが追加されます。フォーチュネイトだけ禁止にすると、シーフ以外のメインクラスはレガシーアクションを使う中、シーフだけがアクション1回分を常に損している事になるのです。そのため、レガシークラスを導入するなら、すべてのレガシークラスを使用可能としておく方がまだましだと思います。
ここまで名前が出てきませんでしたが、残り3クラスも使えるアクションが1個増えるのもあり、今までの常識を塗り替えるぐらいには相当強いクラスなので、よっぽど新しい遊び方に餓えていない限りは禁止で良いと思います。
4. 最後に
以上、筆者がいつも使用しているレギュレーションと制限を設けているデータを紹介していきました。正直探せばまだあると思いますし、現時点でもちょっとやりすぎじゃないかなってデータは思い浮かびますが、ほとんどはGM側の調整で制御できる範囲にあると思うので、ここでは割愛します。念押しですが、書いてある事は絶対に守らないといけない、といった様な多様性を否定する事は行っていません。あくまで、迷った時にこうしておけば後々困らなかったり、事故らなかったりする確率が高くなるしれませんよ、といった具合です。
前回今回とGM向けの記事でしたが、PL向けの記事(アリアンロッド2E キャラクター作成のすすめ)も書いているので、興味があればそちらの方も読んでみていただければ幸いです。
久しぶりに記事を書いたので、元々読みづらい文章に磨きがかかってしまっていないか不安です。次回のネタは上級クラスあたりになるのかなと構想を立てつつ、今回はここで筆を置こうと思います。ここまで駄文を読んでいただきありがとうございました。
2022/06/19
「3-1.クラススキル部門」に少し追記しました。
2022/10/19
ミソロジーガイドで追加されたスキルを追記しました。
2024/9/24
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