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食品関連の販路開拓支援に向け ~バイヤー業務について学ぶ~

 中小企業診断士の岩井利仁さんが主宰する「コミットする!中小企業診断士顧問サービス」で、飲食業の販路開拓支援のプロジェクトが立ち上がりました。

 初回のミーティングにおいて流通業での豊富なバイヤー経験を持つ中小企業診断士から業務特性や市場への提案方法について学ぶ機会がありました。チームとしての活動にあたり、業界特性とバイヤー視点に立った提案のポイントを把握することで、今後の営業活動や戦略立案に活かすことが目的でした。
 参加させていただきましたので記録としてまとめてみます。


1.バイヤーにとっての交渉力と業界理解

 大手総合小売業ご出身の加藤則仁さんからは、バイヤー業務における交渉力と業界知識、さらに行動経済学を活用することの利点を解説いただきました。

 バイヤーとの商談では短い時間で的確に訴求ポイントを伝えることが求められ、特に営業側の準備が成功の鍵となります。日々の商談時間は10分から15分程度と限られているため、商談前に相手が求める商品や価格帯、付加価値を精査して臨むことが効果的です。
 また、バイヤーが求める「生の情報」を提供する重要性にも触れ、現場のフィードバックや市場動向を伝えることで、信頼関係が築かれていきます。
加えて、消費者の「非合理的な行動」に関する行動経済学の知識を取り入れることで、より効果的な商品プレゼンテーションや価格設定が可能になります。たとえば、顧客が購入しやすいプライスポイントやレンジを明確にし、選択肢を絞り込むことで消費者心理を利用しやすくなるという提言や、商品のライフサイクルや廃棄リスクを考慮し、バイヤーが負担を減らせるような提案を行うことも重要だとの提言がありました。

2.コンビニエンスストア バイヤーの視点と課題

 続いて、コンビニエンスストア業界の現役バイヤーから、商品提案のポイントや課題についてお話しされました。

 バイヤー業務は単なる仕入れだけでなく、商品開発から品質管理、在庫管理まで広範な業務に及びます。バイヤー業務においては、「何を」「どこから」「誰から仕入れるか」の3つが重要であり、特に仕入れ先の信頼性や対応力、取引実績が重視されます。

 バイヤーは市場ニーズを敏感に察知し、消費者に支持される商品を見極める役割を持つため、営業する側もバイヤー視点を理解し、消費者の変化に即応できる提案が求められます。

 ポイントとしては、バイヤーも旧来の買い叩きのスタイルはなくなっており、バイヤーと協力してコスト削減に努めることが、持続的なパートナーシップの構築に役立つということです。また、バイヤーは業界知識や商品知識が豊富でもあり、提案側にも対等な議論相手としての対応を期待しています。多忙な業務環境でもありますので、迅速な判断のための材料提供、的確で柔軟な応対を心がけることが供給側に求められます。


3.まとめ
 
 コンビニエンスストアのスーパーバイザーについては、本で読んだ程度の知識はありましたが、今回のレクチャーを通じて、生の声、現場の緊張感を学ぶことができました。なにせ忙しく日常業務に追われているバイヤーの状況を供給側も理解し、商品提案、企画提案、迅速な対応が求められることが理解できました。
 今後の販路開拓支援に活かして参ります。


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