資料作成の目的を正しく抑えるためにやるべきこと
少々概念的な話ですが、本日は資料作成における目的の抑え方について、お話したいと思います。
というのも、実際の仕事における資料作成において、明確な作成指示や修正依頼を受けることは驚くほど少なく・・・
「言いたいことが伝わらない」
「目的がズレている」
というような抽象的かつ感覚的な指摘を受ける場面のほうが圧倒的に多いと感じるのです。
本日はこのような指摘を受けないために、目的をきちんと抑える具体的な方法論について考えてみます。
ーはじめに(5W1H)
5W1Hは、聞いたことがある人も多いでしょう。
それぞれ誰(Who)、何(What)、いつ(When)、どこ(Where)、なぜ(Why)、どのように(How)という英語の頭文字です。
これらの情報を抑えることで、具体的な目的を理解することができます。
ただ・・・
正直、5W1H自体も抽象的なテクニックで、初心者にとっては、使いこなすのは難しいのではないでしょうか?
「誰(Who)が言っている」かと言われれば、上司が言っているに決まっていますからね‥
そこで、もう少し踏み込んでみましょう。
ー真の読み手を理解する
資料作成の基本は、読み手(Who)を理解することです。
そして、ビジネス資料作成を難しくしている大きな要因の一つに、ビジネスの世界では読み手が複数かつ階層的に多数存在することです。
例えば、上司の上には部長がいて、部長の上には社長がいる。社長の先にはさらに取引先があるというのは、極々普通のことでしょう。また、会社単位の商習慣で見ても、例えばメーカーであれば、顧客の間に代理店/パートナーが何社も入ることが沢山あります。
まずは、ビジネスの世界におけるこの構造があることを理解し、真の読み手を確認しましょう。
コツとしては役職や立場が表す縦軸(|)と、自社-代理店-顧客と先に先に続いていく横軸(ー)この2軸で捉えるとわかりやすいです。
ージョブ理論を適用してみる
営業やマーケティングの世界では、よく顕在ニーズではなく(顧客も気づいていない)潜在ニーズを知るというようなことが大切と言われることがあります。
資料作成も同じです。
顧客や上司も「こんなデザインでこんな資料がほしい」とニーズが顕在化していることは少ないです。したがって、顕在ニーズを探る必要があります。
そこで、役に立つテクニックの一つがジョブ理論です。
詳しく解説しているとものすごく深い考え方なのですが、顧客はある一定の状況下で、何か解決したいもののために、製品やサービスを雇用するという理論です。
この理論に当てはめてみると、資料とはあくまでソリューションの一つ(手段)ような気が(私個人的には)しています。
よくよく考えれば、顧客も上司も資料自体が欲しいのではありません。
例えば、もしかすると、顧客は100万江以上の稟議を社内で通すためのワークフローシステムに添付するために資料がほしいのかもしれません。
あるいは、上司は社長から厳しく経営や事業計画について指摘されているから、詳しくデータの入った資料がほしいのかもしれません。
はたまた、デキる上司と言われたい/賞賛されたいがためだけに、単にイケている資料がほしいのかもしれません(感情的ジョブ)
色々あるとは思いますが、少なくとも資料作成の指示が来た時に、いきなり資料作成を始めるのではなく、どのようなジョブが裏にあるのか、ジョブを解決できるものなのか探ってみるのは、決して無駄にはならないはずです。
資料作成の潜在ニーズを捉えましょう。
ー目的を聞こう
さいごに、当たり前のことかつ最も効果的な結論をお伝えします。
資料作成に取り掛かる前に目的をちゃんと聞いて確認しましょう(笑)
そもそも論ですが、上司から指摘を受けたり、ズレていると言われる人は大抵の場合、目的を聞かず、自分勝手に目的を想像して、ひとりで資料を作り始めています。
確認していないのですから、アウトプットがズレるのは当然です。
少し厳しいかもしれませんが、上司も取引先もあなたに目的を伝える義務はそもそもありません。
だからこそ自ら率先して聞くことが大切です。
自分から質問することで、会話が続き、会話が続くと5W1Hを踏む情報を自然に聞けるようになってきます。
ーまとめ
他にも細かなテクニックはありますが、またの機会に紹介します。
目的を正しく理解できれば資料作成の半分以上は完了していますし、逆に、目的がズレていれば、どんなに綺麗で美しいデザインでも意味はありません。
目的をきちんと捉えて資料作成/仕事を進めていきましょう。
以上です。
ありがとうございました。
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