資料作りの参考にしたい!おすすめパワポ提案資料まとめ5選
IR資料のまとめ記事はよくありますが、ビジネスでよく使う提案書や、サービス・製品紹介資料の解説まとめがありませんでしたので、自分でまとめてみました!
私自身がIT業界出身なので、どうしてもソフト・Saas系の資料が多いですが、デザイン自体は、どんな業界の方にも参考になると思いますので、今回紹介していきます。
はじめに|IR資料と営業・提案資料は別物です。
なぜ今回IR資料ではなく提案書、営業資料のまとめなのか?それは、そもそもIR資料と、提案書・営業資料はまったくの別物と考えているからです。
まず、資料作成にかかわる人の数が違います。仕事において、提案書やサービス製品紹介資料を作成する人と、IR資料を作成する人どちらが多いかと言われたら、おそらく前者の方が圧倒的に多いと思いますので、より多くのビジネスパーソンの方の参考になればと考えています。
また、資料の作成の目的も大きく異なります。
IR資料は、それ自体が成果物であり、IRサイトに公開されます。そのため、専門のデザイナーを使ったり、外注もあります。一方、提案書や営業資料は直接の目的ではありません。あくまでその先のサービスを導入してもらったり会社を好きになってもらい入社してもらったりするための手段でありツールです。
多くの会社では、現場や事務員の方が日々の忙しい業務の中、試行錯誤しながら資料を作成されているのではないでしょうか?
提案書や製品紹介のパワポ資料は、ほとんど一般に公開されていません。だからこそ、今回厳選と調査に時間を掛けましたので、是非、皆様の参考になればうれしいです。
1|バックアップソフトArcserve紹介資料
バックアップソフトメーカーアークサーブ(外資系)の製品紹介資料です。フラットアイコンや太めの矢印・文字を使い、技術的な内容をかなりビジュアルに、ポップに表現しています。お堅い印象になりがちなシステム資料ですが、これはすごく親しみやすいですね。例えば、以下のようなスライドでしょうか。矢印や、クラウドの雲アイコンがものすごく太くなっています。また、カラー選定のバランスがよいです。癖のない落ち着いた感じと親しみやすさもあるよいカラーと思います。
最後のページには、問合せ先スライドをちゃんと入れています。特に、営業の方はこのような「次の行動を促す一枚」が大切です。個人事業主の方は自分のHPだったり、会社の営業担当なら自分のメールアドレスだったり、一枚で完結に次のネクストアクションがイメージできます。基本に従ったよい資料と思います。
2|グループウェアGaroon紹介資料
国産グループウェアで有名なサイボウズ社の資料です。作成された日付も少し古く、ちょっと地味な感じですが、ビジネス資料としては素晴らしいです。変な癖がなく、誰に対しても読みやすいです。
文字フォントが小さめですが、不特定多数の前での発表を伴わない説明用資料やビジネス資料であれば、むしろこれくらいの文字サイズでも落ち着いていてよいと思います。
また104ページにわたる資料で読み手が迷子にならならいように、1スライド=1メッセージ、目次を記載すること、ディバイダー(中表紙の区切り)等で、構成を丁寧に作っているのが好感が持てます。地味ながら、どんな場面でも使えるこういったビジネス資料デザインはもっと評価されてよいと思います。
3|SmartHR採用会社紹介資料
TwitterかどこかのSNSでバズっていた記憶があります。前述のGaroonの資料と正反対で、まさにプレゼン発表資料という感じです。全体通してベースカラーのエメラルドグリーンが7割以上の範囲で使われており、ブランドカラーイメージもしっかりしています。そして、なにより一枚一枚がシンプルですね!。
また、細かい編集も素晴らしい部分がいくつもあります。いきなり2ページの目次。単純な箇条書きではなく、丸オブジェクト+数字を使って目次を作っています。こういうちょっとした丁寧さが大切です。5ページから11ページはアニメーションを使わずに1スライドづつに分けて作られています、そう、これがビジネス資料の正解です。15ページのグラフについて、色の調整はもちろんですが、6つもの注意書きを小さくしっかりと記載していてます。かわいくデザインしても、しっかりと抑えるべきところは抑えていることがわかりますね。
全体的通して、デザインおよび非常に丁寧な編集が印象的です。人事労務というありふれた市場で、なぜSmartHRが急成長しているのか、パワポを見てその片鱗をうかがい知ることができました。
4|野村総研マーケティング分析コンテストのテレビCMの出稿配分最適化プレゼン
こちらの資料タイトルをご覧ください。(タイトルに名前が入ってましたので、直接画像添付は控えます)なんと学生の方が作成された資料です。驚愕ではないでしょうか。このレベルの資料を作れる人は社会人でもほとんどいないと思います。内容は、野村総合研究所主催のマーケティング分析コンテストでの発表資料のため、統計の専門的な話が盛り沢山ですが、資料作り自体も秀逸です。
まず、タイトルスライド。オリジナルデザインでしょうか。目次の右揃え、タイトル文字を白抜きと黒塗りを非常に丁寧かつ考えられてデザインされています。また、各スライドの右下に英語でBackground、Data processingとちゃんと章を明示しているのですが、こんなさりげないこと、普通学生でおもいつきます?本当に素晴らしいです!
全体的に丁寧かつハイセンスなデザインで、中身の統計数値の信頼感もぐっとアップしています。このような数字が本当に大切な資料では、いつも以上に、誤字脱字チェックや丁寧な作成を心がけましょう。間違いなく資料全体の信頼感にも関わってきます。
※野村総研マーケティング分析コンテスト自体のHPはこちら▼
5|TIS、AWSマイグレーション提案書
TIS社のAWS(アマゾンウェブサービス)のマイグレーション紹介資料です。最後はこの資料を使って、ITソリューションサービス資料の基本的な構成を覚えましょう。
①問題提起 まず、最初に問題提起を行っています。「こんな課題や問題点はないでしょうか?」という内容から入っていますが、大型商談かつ複雑な商談ほど、この最初の問題提起・課題形成が大切になります。もちろん、いきなり商品紹介から始める手法もありますが、自社のサービス・製品の内容によって変えるのがよいでしょう。今回のOracleDBからのマイグレーションというかなりシステマチックな内容ですし、当然TIS社としては大型商談を狙っているでしょう。この場合は、問題提起を最初にするのが適切と思います。
②解決方法=提案概要 提案の内容を記載します。「○○○を導入することで△△を解決します」というような内容です。一言まとめです。
③内容の説明やメリット説明 ②の内容を説明していきます。サービス・製品内容自体の説明や提案メリット等を提示します。資料でいうと6ページがメリットですね。ちゃんと「TISの強みは?」と書いてあります。
④導入にむけて ③まで説明してしっかりとサービスの魅力が伝わっていると、読み手はいよいよ具体的な導入までのイメージを考えたくなります。7ページ目以降がこの導入に向けてイメージを伝えていくパートに該当します。ここから導入ステップ、ライセンスメニュー体系、価格、よくある質問、サポート等の内容を記載していきます。この資料はかなり簡単に記載されてますが、本来はもう少しコンテンツがあると思います。最後に、今後のお問い合わせや見積等の連絡先を記載している点は、①アークサーブの資料と同じポイントですね。
いかがでしたでしょうか?
社内の資料だけを見ているより、たくさんの良い提案書から学びましょう。皆様の普段の職場での提案書作りのヒントになれば幸いです。
以上です。
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