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シェアハウスを運営する社会学者が描く、結婚・家族関係を超えた「新しい人生のモデル」とは?

本記事は、株式会社金風舎が9月30日に発刊する『妄想講義 明るい未来の描き方と作り方』の著者紹介記事です。職業も価値観も様々な24人の著者が、自分・仕事・社会・未来を自由に妄想します。

「自由市場化」していく人間関係に疲弊していませんか。

堀内翔平(ほりうち・しょうへい)
1991年生まれ。京都大学人間・環境学研究科修士課程修了。京都精華大学非常勤講師。血縁・恋愛・結婚に基づかない共同生活である「シェア居住」を対象に「親密な人間関係」について研究している社会学者。自身もシェアハウスに9年居住している。 京都市左京区の不動産会社「ShuJu不動産」の代表・宅建士としてシェアハウス等の仲介・管理業を営んでいる。研究と実践の両方のアプローチからシェア居住の普及推進活動をおこなっている。

SNSやマッチングアプリが「出会いのきっかけ」として当然のように使われる社会。今までの生活では巡り会えなかったような出会いがある一方で、「出会い候補者」の中から抜きん出るためのステータスを作ることや、候補者の中から自分に適した人物のステータスを見抜くことに精神を使い、多くの人が疲弊しているようにも感じる。

これらの行き着く先は、「自分にとってメリットが大きいかどうか」だけで人間関係を考え、付き合う人を選別していくという生き方かもしれない。

著者はこの現状を「人間関係が自由市場に近づいている」と表現する。

これは比喩的に言うならば、人間関係は「自由市場」に近づいているということです。「買い物」をするかのように人間関係を作っていることを想像してみてください。私たちは少ないコストで良い買い物がしたい(いわゆる「コスパ」志向ですね)。だからこそ、関係を維持するためのコストをあまり支払わずにより良い関係になれそうな人と「深い関係」を築くという選択をすることになります。

本文102ページより

だが、私たちは本当に「自由市場」のなかで勝ち残りたいのだろうか。
本心はそうではないという人も多いはずだ。

そういう人たちのための、新しい関係のあり方が必要なのではないか。
そんな問題提起から本稿は始まる。

 そこで、個人の能力を頼みにするのではなく、多くの人が従うことができるような、新たな人生のモデルを模索する必要があるように思います。つまり、「妄想力」は個人に求められるのではなく、社会の側に求められているのだと、私は思います。
 だからこそ私は、新たな生き方を見つけるための社会的な選択肢として、シェアハウスを勧めるのです。

本文104ページより

社会学者であり、長年、京都でシェアハウスを実際に運営してきた著者は、新たな生き方の解をシェアハウスという空間に求める。

一般的にはシェアハウスというと「コミュニケーション能力が高く、他人と積極的につながりたい人」が住む場所、というイメージが強いかもしれない。

だが、著者が見出したシェアハウスの定義はかなり違う。そこで営まれる関係性には「人生の中間地点」「避難場所」「試行錯誤の場」としての役割があるというのだが……。

ライフコースにおいて考えてみても、シェアハウスにはたとえば学生生活や就職してすぐのお金がないとき、結婚するまでの独身生活における「ステップ」として一時的に居住するという選択が一般的です。
あるいは離婚した人などが厳しい審査を経ることなくシェアハウスに住む、という例はいくつも聞いたことがあります。すなわちある種の「避難所」としてシェアハウスという選択肢が存在しているのです。

本文109ページより


人間関係において「こうあるべき」という理想像に苦しめられているすべての人に届けたい。
シェアハウスは、あなたを救う一つのカギかもしれない。

その詳細はぜひ、本編で。

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