「妄想の肯定」は「妄想の否定」か?──山本浩貴(いぬのせなか座)が考える、「妄想」にまつわる二つの可能性
「いぬのせなか座」という制作集団・出版元を主催し、小説家、デザイナー、編集者、批評家など人文のフィールドにおけるさまざまな仕事をされている山本さん。今回「妄想」にまつわる原稿を依頼させていただき、二つの角度から語っていただきました。一つは、自分の「妄想」を捨てることなくかたちにし、それを社会に流通させてゆく表現者としての在り方、またそのような活動を持続的におこなってゆくための場について。もう一つは、言うなれば「妄想」を「妄想のままに留めない」方法を示した前者に対し、「妄想」を