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「妄想」を仕事にすることに興味ありますか?ー開発ユニット「AR三兄弟」の仕事の裏側。

本記事は、株式会社金風舎が9月30日に発刊する『妄想講義 明るい未来の描き方と作り方』の著者紹介記事です。職業も価値観も様々な24人の著者が、自分・仕事・社会・未来を自由に妄想します。

テクノロジー、カルチャーの最先端を駆け抜けるAR三兄弟が、初の兄弟リレー形式で語る「仕事の裏側」とは?

川田十夢(かわだ・とむ)
10年間のメーカー勤務で特許開発に従事したあと、2009年から開発ユニットAR三兄弟の長男として活動。J-WAVE『INNOVATION WORLD』が毎週金曜20時から生放送中、開発密着ドキュメンタリー『AR三兄弟の素晴らしきこの世界』がBSフジでたまに放送。WIREDで巻末連載、書籍に『拡張現実的』『AR三兄弟の企画書』がある。最近はひみつ道具『コエカタマリン』の実装や『学研の科学の拡張』を手がける。WOWOW番組審議員。テクノコント。通りすがりの天才。
高木伸二(たかぎ・しんじ)
長男がメーカーで立ち上げたオルタナティブ=デザイン部にて尻文字を書き続けたのち、2009年に名刺を渡されてからAR三兄弟の次男として活動し始める。二人の天才に挟まれながら次男的立ち回りを続けて今に至る。公私ともに次男。
オガサワラユウ(おがさわら・ゆう)
大学在学中に、バンド活動や創作活動など独自の世界観で遊んでいるところを長男に発見される。AR三兄弟の前身であるオルタナティブ=デザイン部にて数々のプロトタイプを作った後、2009年、AR三兄弟の三男として任命される。2013年に一度、三男を卒業するが、2020年に再び三男として加入する。長男曰く「ジョン・フルシアンテ方式」で出たり入ったりしているが、今後はどうなるか、誰にもわからない。公私ともにおぽぽ。


誰しも「楽しいことだけをして仕事をしたい」と心の奥底で思っているだろう。だが、それを実行するのは簡単ではない。ましてやそれがある一人の人間の中から生まれた「妄想」をもとにした仕事なら、なおさらだ。

だが、その「妄想」で生計を立てている人間が確かに存在する。
今回『妄想講義』へ参加してくれた開発ユニット、AR三兄弟の3人だ。

AR技術を中心として斬新なアイデアを世の中に実装し続け、テクノロジー×カルチャー、さらには空間設計や教育シーンまで、最先端を駆け抜ける彼らの「三兄弟としての仕事の裏側」は、今までさほど大っぴらには明らかにされていなかった。

今回、三位一体のAR三兄弟が初のリレー形式で「兄弟それぞれの思い」を綴ることで、彼らの仕事の裏側を語ってくれた。

そこから見えてきたのは、兄弟同士のお互いへのリスペクトと、個性のコラボレーションによって生まれる「妄想」のキャッチボールの妙味だ。そして、すべての仕事に通じる「面白いものを生み出すには?」という究極の問いへのひとつの答えでもある。

そして、彼らのコラボレーションの仕方にこそ、「妄想」を単なる突飛な思いつきで腐らせるか、現実に価値として実装できるかの違いを見極めるヒントが眠っている。

非現実と現実の絶妙な「共通点」こそ、新しいビジネスの可能性?

AR三兄弟の活動が他に類を見ないのは、彼らがその活動でちゃんと「飯を食えている」ということだ。そこに、単なるアイデアだけの「突発的妄想」と、「持続可能な妄想(今風に言えば)」の違いがあると考える。

「飯を食える」というのはつまり、自分が生み出すものに対価としてお金を払う人間がいるということだ(少なくとも今の日本経済のなかにおいては)。「妄想」を商品にする人間にとって、非現実的だからこそ価値があるという商品性質と、とはいえ現実に価値を実装しなければいけないというジレンマがあるだろう。

AR(拡張現実)という「リアルとアンリアルの融合」を得意領域にしているのはその点ある種の突破口だっただろうが、その技術としての特異性だけでは、ここまで様々なシーンで評価されるユニットにはなっていないはずだ。

今回のリレー文の真の価値は、「AR三兄弟という技術者集団はなぜ、ぶっ飛んだアイデアで飯を食えてきたのか?」という点にあると思っている。ぶっ飛んだアイデアだけでは飯は食えない。それどころか、技術だけなら安定して飯が食えるのに、ぶっ飛んだアイデアのせいで一文も稼げないという事態だってありうる。ほとんどの人は「東京にレンタルできるユニコーンのステーションを作ろう!」と思いついても、それを仕事にはできない。結局はモバイルゲームアプリの開発くらいを飯のタネにしながら、空いた時間でユニコーンの設計書をコツコツ書くくらいにとどまるだろう。

だがAR三兄弟は、ユニコーンで飯が食えてしまっているのだ。

謎を解くカギは、「優雅な白鳥も水面下では必死に足をもがいている」というあの比喩だ。つまり、華々しい活躍の影に、我々には見えていない泥臭く着実な3人の中の積み上げがある。

そしてその積み上げの中にこそ、すべての仕事人が頭を悩ませる「自分と他者とのコラボレーション」の大いなるヒントが隠されている。

最後に本編への導入として、本文から三男オガサワラユウの次の言葉を引用しよう。

妄想に答えはない、ということを念頭に置かないと、ありもしない答えを永遠に探すことになる。妄想は自分で作り上げるものだから、発端が長男の妄想であっても、それを自分の妄想に仕立て上げなければならない。

『妄想講義』本文269ページより

他者との関係の中にこそ、自分の妄想を真に面白いものにする、糸口があるかもしれない。

続きはぜひ、本編で。



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