批判もできていない石丸。

蓮舫は批判だけという的外れ

 東京都知事選も本格的に選挙期間に入り、熱を帯び始めた。当初、現職の小池百合子と蓮舫との一騎打ちの構図だったが、露出が増えるにつれ、安芸高田市の前市長石丸伸二の存在感も増してきた。
 立候補を表明した時からそうだが、「蓮舫は批判しかできない」という批判が多かった。僕は決してそうは思わない。神宮外苑の再開発の是非を選挙の争点にするのであれば蓮舫氏は明確に当選したら「立ち止まる」と言っている。都と三井不動産の癒着はひどいもので、これを打ち破る、利権政治を辞めるというのも立派な提案、政策の一つである。

一方石丸は

 そして石丸伸二である。ある番組の主要候補四人での討論会で、蓮舫氏が「三井不動産に政治資金パーティー券を買ってもらっていないか?」と質問し、小池氏がはぐらかすと「今の質問にはイエスかノーで答えられる」と石丸がかぶせて現職を追い込むシーンも観られた。僕が観た中で唯一、石丸がまともな議論を持ち掛けた。しかし、残念ながら、それ以外、石丸からまともな言葉が出ることはなかった。

批判すらできていない

 石丸は別の番組で神宮再開発に関して「冷静に」考える必要がある、と言っている。事業自体は「手続きを踏んでいる」「民間が行う事業」「都としては提案しかできない」とも。
 つまり、自分が都知事になっても見直しはしないと言っている。現在のとの子育て支援に対しても「対処療法」でしかない。と言い、「原因療法としては「東京の過密を解消する」ことを上げている。
 東京都の過密を解消し、地方に人が流れるようにする。一つの考え方としてはありだが、都知事のすることなのか? 本当に東京都の一極集中を解消したいなら国政でやるべきでは?

見えてくる石丸の人間性

 石丸の話し方ははっきりしていて、よどみがない。フラットな姿勢で聞くと筋がとっているようにも聞こえる。だが、何処かちぐはぐだ。彼の主張は国がやるべきこと、であり、東京都知事選の立候補者の発言とは思えない。思えば石丸は安芸高田市長時代から、政治家というより「評論家」としての物言いが多かった。政策が通らなければ「議会の責任」「ひいては(市議、あるいは市長である自分を)選んだ市民の責任」と徹底的に自分から責任をそらす。今回の都知事選での主張はその進化(退化?)とも言える。東京へ
の一極集中をなくすという都知事ではなしえない目標を掲げ、(当選しないし、本人も当選する気もないだろうが)万が一都知事になったとしても「本来は国がやるべきこと」とお得意の責任転換が容易になる。徹底した他責思考。それこそが石丸の本性である。

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