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長野県松本市「岡田神社」
松本型狛犬
これは完全なる松本型です。
長野県松本市の狛犬たちは、ほとんどこの顔をしています。
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(深志神社は2.5対(3対なんですが、1対吽が欠けています)の狛犬がおりますが、あそこは松本型ではありません)
明治三十八年十一月生まれ。
刻者は、田近勝之氏。
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松本型狛犬の最大の特徴は、なんといっても顔でしょう。
マズルがマルッとしている、なんとも愛くるしいお顔です。
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そして、たてがみがモフッとしていますね。洗い立てのわんこのような、モフモフ感。
岡崎型などは、続けて見かけると「またか…」となるんですけど、松本型は「かわいい!」と思うので、地元の者ならではの愛着ですかね。
でも、地元抜きにしても、このモフモフ感は可愛いと思うのです。
こちらの狛犬は、吽の顔がなんだか大人しい心持ちがします。つま先も揃えられていて、育ちが良さそう。
顎がないのが気になりました。なんだか、虎に似ている。
それから、なんと、左前脚のあたりに松が根を張っていました。そんなところに!
数十年後には名物になるか、お邪魔虫になるか…。見守りたいです。
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岡宮だったか、四柱だったかの狛犬は、体に沿って尻尾が流れていましたが、こちらの狛犬は尻尾がピンと立ち上がっています。しかも、綺麗な巻き方。
垂直にあがった尻尾の左右に3段の巻き。どことなく岡崎型を思わせますが、3という数字の美しさでこういう造り方をされているのかもしれません。
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この狛犬は、胴体が小さめです。
足がしっかりしていて、顔なんて顎がないんです。ちょっと、平面的な彫り方かなって思います。
岡田神社
さて、岡田神社は延喜式神名帳にも載る、古社のひとつ。
古社ですが、社殿は何度も火災に遭っていて、現在の社殿は平成三年のものです。
また、祭神は保食神です。このあたりは、旱魃がひどかったらしくて、女鳥羽川から水を引いていたそう。五穀豊穣を願って建てられたのでしょう。
また、女鳥羽より稲倉から引水した。稲倉には水口神社があり、そこが岡田神社の奥社ではないかとの説もあるそうです。
ここを語るには、少し離れた場所にある参道も外せません。なにもない道路に突如、割って入るように鳥居が現れます。
最初見た時は驚きました。
なんでこんなところに、鳥居が!?
神社はどこ!?
しかも、こちらの参道は、どうにも位置がおかしい。社殿からまっすぐじゃないのです。
少し南にずれています。
神社の前に領主の岡田冠者親義が館を構えていたからだとか。
参拝者は神社の前にこの領主の館を拝んでから参拝していたというわけですね。