私が考える「良い映画」の判断基準
昨日父が実家から本とDVDを持ってきてくれて
DVDを2本徹夜で観てたんです。
一つは「ザ・クラッカー 真夜中のアウトロー」
2つ目は「スカイ・クロラ」です
一つずつ説明します。
ザ・クラッカーはマイケル・マン監督の
劇場用映画デビュー作品で、「金庫破り」の映画です。
私はこの映画は中学か高校の時に
深夜に水野晴夫さん(多分)が解説してた放送を
ビデオに録画して観たんですが
正直言ってストーリーが
全く理解できなかったんです。
ただオープニングのタンジェリン・ドリームの音楽が
超かっこよくて、テープに録音して擦り切れるまで
聞いてたんですが、この音楽のCDを求めて
東京と神奈川のレコード店(中古含む)を
3年ほど探し続けたんです。
ようやく見つけた時は嬉しさのあまり
震えが止まりませんでした。
まあ音楽の話は良いとして
大人になってから映画を見直そうと思って
DVDを買って見直してみたら
地味なんですがメチャクチャ面白かったんです。
Amazonにはネタバレが書いてあるんで
読んじゃダメです。
ネタバレしない程度に書くと
つまらない罪で10年刑務所にぶち込まれた後に
出所してから金庫破りの大きな仕事で
人生を立て直そうとしたら
色々邪魔が入ってあがきまくる映画です。
ヒート、コラテラル、マイアミ・バイスの
マイケル・マン監督はこういう
クライムストーリーが得意なようです。
主演のジェームズ・カーンはゴッドファーザーで
アカデミー助演男優賞の候補になってました。
女性がみても面白くないと思いますが
私みたいに40歳を過ぎた男性が
「刑務所で10年過ごした」と仮定して観てみたら
感情移入できて、面白い映画だと思います。
スカイ・クロラは攻殻機動隊、イノセンスの
押井守監督のアニメの映画なのですが
スカイ・クロラも私は初見の時は
全く意味が分からなくて
しばらくほっといたんです。
ふとしたことからyoutubeでスカイ・クロラの
解説動画で設定・背景を理解してから
押井監督の「世界の半分を怒らせる」と言う
著書を読んでから見直してみたら
メチャクチャ面白かったです。
余談ですが、押井監督にかかれば
宮崎駿監督も庵野秀明監督もボロクソです。
本人はボロクソにした後
「みんな、じゃあお前はどうなんだって言うんでしょ」と
自重気味に言うんですが、私が著書を読んだところでは
押井監督は言うだけのことはあると思います。
考察が深いです。
私の理解ではスカイ・クロラのテーマは
・大人と子供の境界線はどこにあるのか
と言うことと
・戦争は必要悪だが戦争をなくすためにはこう言う手段ならどうか
と言う提案をしている
のだと思ってます。
私のこの理解は外れてはいないと思うのですが
映像特典を見ると押井監督が言うにはこの映画は
「愛の物語」なんだそうですが
私にはそこまで理解が及んでません。
私がもっと年をとって何年かした後に
見直した時に「愛の物語なんだ!」って
理解できるようになれるといいなと思ってます。
ちなみに、確かイノセンスはカンヌ映画祭
スカイ・クロラはヴェネツィア国際映画祭出典作品ですが
押井監督によると、これらの映画祭は
「アニメの映画も受け入れる度量があります」
と言うフリをしてるだけで
アニメが受賞することはないんだそうです。
イノセンスは華氏911に負けたそうですが
私が思いますに華氏911は
ワールドトレードセンタービル911テロが
起きた直後に観たら当然受賞するだろうと思いますが
2021年の今観ても全く意味のない映画だと思います。
その点、イノセンスもスカイ・クロラも今も今後も
意味するところが理解できる人が見れば
いつまでも面白いと思います。
これが「私が良い映画と考える判断基準」です。
DVDの映画は「話題作」は中古で売られた時に
ガクッと値段が下がるんですが
ザ・クラッカーとスカイ・クロラのような
地味でも良い作品は
中古になってもそんなに値段が下がってないみたいです。
良い作品かどうかAmazonを観た時に
DVDの中古の値段を観てみて判断してみる
と言うのも面白いかもしれません。
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