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片手で食べられるものと、1分で作れるもの
質問箱にありがたい賞賛と、悩ましい質問をいただいた。
まずもって申し訳ない!返答が大変遅くなりました!幼き頃からボケの花を見ると「泉の花が咲いてる」と親から言われるくらい、ボケーっと生きているので許してください!2月から3ヶ月もnoteを書けなかったくらい、ボケーっとしておりました!全部コロナのせいだ。
さて「餃子のおんがえし」をご愛読いただき、大変ありがとうございます。めっちゃ嬉しいです。片手で食べられる料理ですね。了解です。
改めて考えてみると、人生で一度も「片手で食べられる」要素から料理を考えたことがなかったように思う。肉や魚などの材料から考えたり、冷蔵庫を空っぽにする目的だったり、お弁当だったりパーティだったり節約ひとり飯だったりの要素から試行することはあっても、食べる手段から決めていったことはない。たぶんないと思う。まちょっとはあるかもしれないが忘れた。
ということで自分で作ったものではなく、他人に作ってもらったワンハンド料理を思い出してみた。あるある。割とある。中でも1番気になったのは、かつて2番目の義母がよく作っていた「冷凍ロールサンド」である。
作り方はもうホントに簡単。今あなたが脳内で想像したその通りでいい。
・食パンの上に具材を細長く乗せ、端からくるくる巻いて1本ずつラップでキャンディ包みにする。それを冷凍する。
具材といっても特に変わったものではなく、ゆで卵マヨネーズとツナマヨの2種類だった。なので具の作り方といっても特記事項はなく
・ゆで卵を適当な大きさに切ってマヨネーズであえる。
・ツナ缶を開けマヨネーズで以下同文
問題はそのあとだ。義母はなぜ、このごくありふれたロールサンドをわざわざ「冷凍」したのか、ということだ。
義母はこの冷凍ロールサンドをよく作っていた。花火大会や海に行くなどのアウトドアはもちろん、友達が家にくるとか、法事の時ですらふと気づくとテーブルの片隅にちょこんと冷凍ロールサンドが乗っかっていたものだ。
それだけなら単なる作り置きと思うかもしれない。冷凍しておけばかなり日持ちがするし、手の空いた時にささっと作るのも簡単。いざというときに冷凍庫から取り出すだけでテーブルの上がにぎやかになる、気の利いた作り置きだと思うだろう。だがそれは間違いだ。義母はこれを決して作り置かず、その都度、必要と思うときにわざわざ作って朝のうちに冷凍するのである。
そして最大の謎は
凍ったまま、カッチカチの状態で食べる
ことにある。意外なことにこれは「現地に着く頃には程よく溶けて食べごろになる」意図の料理じゃないのだ。歯が立たないほど固く、歯を立てるとしみるほど冷たいロールをシガシガとかじりとるように食べるものなのだ。片手でしっかり持たないと歯を立てることができないが、しっかり持てば持つほど手のひらが冷たくて死にそうになるものなのだ。
なので外へ持ち出すときは保冷バッグに保冷剤をたくさん入れ、溶けないように細心の注意を払う。そして現地でカッチカチのを取り出して「よかった、溶けてない」と喜び合う。そんな料理なのである。
私は家庭にある「名もなき料理」「名前のつけようがない料理」を愛している。常日頃から積極的に収集もしている。ちゃんとした料理というにはいい加減で、流動的で、カテゴライズしにくい料理こそ、家庭料理の真骨頂だと思う。他人の家のそういう料理を聞くのが大好きだ。
義母の冷凍ロールサンドも間違いなくそれだ。きっと興味深い由来があり、愛されてきた歴史があり、それにまつわるおもしろエピソードがあったに違いない。もっとちゃんと聞いておけばよかった。私の人生、そんな後悔ばかりしている。
ということで「片手で食べられ、簡単に作れる料理」は、冷凍ロールサンドはどうだろう。カッチカチのロールサンドに噛みつけば、新しい世界が見えてくるかもしれない。
【1分で作れる卵サンド】
ところでみなさんは、ふわふわオムレツと、ゆで卵マヨのどちらの卵サンドがお好きだろうか。私は以前のnoteにも書いたように、圧倒的ふわふわオムレツ派なのだが、オットはゆで卵マヨしか信じない男だ。彼が「卵サンド食べたい」と言ったらそれは100000000%「ゆで卵マヨが食べたい」という意味である。そして私はそのことを毎回忘れる女である。
なので「朝ごはんは〜卵サンド〜」と鼻歌混じりで卵をボウルに割ってると、すかさず「え、ゆで卵じゃないの」と残念そうな声が飛んでくることを、100000000回くりかえして生きている。そこで今日は、すでにボウルに卵を割っちゃってからでもすぐ、1分でゆで卵マヨサンドに方向転換できるやり方をご紹介しよう。
<材料>
卵、水、お茶碗
一度にたくさん作ることもできるが、まずは1個からやって感覚をつかむといい。卵1つならホントに1分で出来てしまう。我が家はこのお茶碗が1番上手にできる器なので、これを参考に各家庭の食器で試行錯誤してみよう。
食器全体をさっと水で濡らす。全体に濡れていること、ほんの少し(小さじ1程度)水気が残っていることが大事。
卵を割り入れ、破裂防止のため、黄身を爪楊枝や箸で数カ所つついておく。どうせあとでぐちゃぐちゃにするので、かなり適当でいい。
ふんわりラップをかけたら電子レンジにかける。600Wでまず20秒。その後は10秒ずつ様子を見ながら追加していく。
全体に白っぽく黄身が半熟まできたら一度取り出す。うちのレンジはムラがあるのと、横着して900Wにかけたため白身の上の方は破裂しているが、そこは見ないふりをして欲しい。
スプーンなどを使ってひっくり返す。食器を濡らしているとここでスルッとひっくり返りやすい。半熟卵が欲しい時はこれでやめてもいいけど、サンドイッチの場合は固茹での方がいいので、このあと10秒ずつ様子を見ながらレンジにかけていく。
黄身に火が通ったら、スプーンで縦横無尽に刻みつくす。卵の大きさ、温度、器の大きさ、形状、レンジのクセなどによって違いはあるが、だいたい1分程度でここまでくるはずだ。あとはマヨネーズを好きなだけ入れてパンにはさめば、ゆで卵サンドの出来上がり。もちろんロールサンドにして、冷凍するのもアリだ。
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