アメリカ:ここ最近のUXデザイナー事情2024夏(個人の独り言)
久しぶりの投稿になります。2024も夏が過ぎアメリカでは新学期を迎えています。この夏にも優秀な学生たちがインターンに来ていました。去年と同じく美大生は皆無で有名大学の優秀なアジア系女子ばかりでした(日本人は除く)。学歴不問のはずですが結局残るのはハーバード、カーネギーメロン、UCLAなど出身です。
インターンの学生はすでに卒業後の入社を約束されているようです。私の会社は銀行なんですが、テック企業のような派手なリストラはしないので学生たちに好まれるようです。ここ最近はサマーインターンをしても入社が約束されない、ほごにされたというはなしをききます。
私は長くニューヨークで働いていますが日本人の学生さんにお会いしたことがありません。アメリカ企業で働くには敷居が高いのでしょうか。中国、インドからの海外の学生は自信満々で来ています。私が仕事始めた20数年前に比べるとずいぶん多様化が進み私たち外国人も肩身の狭い思いをすることがすくなくなりました。かつてはインド人はタクシードライバー、中国人はレストランかクリーニングやで多く見かけるものだったんですけどね。
私の会社ではなかなかの数のデザイナーを募集しています。主に北米です。イギリスとインドでも多いいですね。アソシエイトレベル(一般でいうジュニア)だと割と難しくなく入社できます。リードデザイナーとのインタビューでほぼ決まり、最終的にエグザクティブディレクターと話して決まります。その上のレベルのバイスプレジデントレベル(一般でいうシニア、リード)だと途端に面倒になります。審査に2ヶ月ほど時間もかかり面接も2−4回とデザインチャレンジもあります。それをパスしてもポジションがなくなっったりとかなかなか難しいです。私が入社して一年を過ぎましたが、アソシエイトはその間8人ほど採用されましたが外から採用のバイスプレジデントはいまだに雇えていません。
いまだにレイオフは多くなかなか次の仕事が見つからないと聞きます。そこそこ大きい会社に入社するには大学からインターンでくるのが結局一番のようです。
私の会社に限ってのことかもしれませんがUXデザイナー、プロダクトデザイナーにあまりビジュアルデザインのスキルを求められることがありません。残念です。主に求められるのはプロダクトマネージャー的なスキルです。プランを立て、ストラテジーをもって各所と調整し、マーケットに送り出す。フィードバックをもとに次のプランを構築する。ほぼ毎日をミーティングですごし、アウトプットとしてはデザインブリーフ、リサーチをまとめたプレゼンテーションばかりです。こんなの私の頃の美大ではやりませんでした。そりゃぁ、一般大学からUXに転向したひとがつよいわけです。UXがはやりはじめてもう10年すぎています。もうみんながUXを語ります。デザイナーの強みはなんなんでしょうね。もうUXもプロダクトマネージャーでいいのでは。メタにいたころにMBAを持ったデザイナーがいたことを思い出します。デザイナーがMBA取ったのではなくビジネスパーソンがUXをやってる感じです。将来的にはプロダクトマネージャー+AIでいいのかもしれません。
プロダクトデザインのそもそものスキルやHTMLやCSSなんかも話題に出ません。わたしはコレで良いのかと疑問に思います。私自身はいまでも何か作る方が好きなのでサイドで色々ビジュアルデザインをやったりしています。
アメリカでの就職に関してですが引き続きビザを必要とする人にはさらに難しいでしょう。インド人なんかはインドのアメリカの会社で就職して社内移動でアメリカに来ることが多い気がします。学生さんはOPTが出るのでまだ機会はあります。私の会社はビザサポートなしとなっていますがインドや中国の学生は来て働いています。日本の学生さんも遠慮せずにとらいしてみましょう。
難しいとはいえ何かしら仕事を見つかるように思います。
給料事情ですがジュニアレベルでも80kくらいはでるのでは。シニアは150-200kくらいですかね。20年前は25kとか35kでした。デザイナーの地位そのものが上がってきたと思います。地域ではニューヨークやサンフランシスコが高くシカゴやロンドンになると20%ほど安い感覚です。だから会社はニューヨークではなくニューヨーク以外で雇いたいようです。入社するならニューヨークをさけたほうがはいりやすいかもです。インドはかつてはアメリカの1/4の給料でよかったのですがいまは1/3から1/2くらいですかね。
最近よく円安のせいで「日本円にすると」などといってアメリカの物価、給料が高いと言ってるのを見かけます。で「生活費も高い」から関係ないというのも聞きます。まぁその通りなんですが私たちデザイナーにとって大事なことは「アメリカではデザイナーの地位、給料が高い」ということを書いておきたいと思います。つまり飲食店のアルバイトで海外に出稼ぎというのはなかなかどうしてですが、デザイナーやるのであればまだまだこちらの方がよろしいようです。