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デッサンがうまくならないときに確認したいこと

「デッサン」、美術の基本としてよく耳にする言葉だ。
デッサンの言葉に意味について、使う人によって異なることがあることをご存じだろうか。

デッサンにはいくつかの意味がある。
・写実的な絵
・イメージや空想を鉛筆などで描いたもの
・アニメ絵などで違和感なく描く技術
・上の3つすべてを含んだイメージ

大きくはこの4つの使い方があると思う。デッサンの語源はもともとヨーロッパにある。現在欧米でのデッサンの言葉の使い方は、一番下の「3つのすべてを含んだイメージであるという」つまり、デッサンとは「絵」と言っているようなものである。

なので、写実的なデッサン、イメージ的なデッサン、といった使い方をすることが多い。日本の使い方は、初めに書いたように4つの使い方をする人が存在する。

欧米の絵を見たとき写実的な絵を見て、デッサンを使ったことから、デッサンというと写実的なものを指していた。美術系の大学でもデッサンを書きなさいということで写実を描くことを指していたが、近年デッサンという言葉の使い方が見たままだけではないという背景をふまえて、写生や写実という言い方を使う場合も多くなってきている。

受験生を悩ませるデッサンであるが、まずは相手がどの意味でデッサンという言葉を使っているかから考える必要がある。

デッサンの要素は、形、色、パース、質感、陰影、立体感と言われている。
これらの要素を画面上でバランスよく組み合わせることで1枚の絵を完成させる。

このデッサンであるが、なかななうまくならない場合の盲点について考えてみた。デッサンでよく言われるのが「輪郭が強い」という問題だ。

これは、写実的に表現するときに輪郭を線で強く描いてしまうと立体感が薄れて、ぺったりとした平らな絵になってしまうということである。アニメをはじめとして、日本人には輪郭を線で描くことに慣れている。そのためつい輪郭を強く描いてしまう。それを見た講師はすかさず「輪郭に線はない」と表現する場合がある。素直な生徒は輪郭を描いてはいけないと思い、どうやって描けばいいのか分からなくなってしまう。

デッサンにとって輪郭は大切だ。輪郭に線がないのではなく、「輪郭の線は濃くない」ということなのだ。なのでとにかく薄く描くと良いだろう。そして今まで以上に輪郭の精度を意識して上げてほしい。次第にものの形がとれるようになってくる。ちなみに輪郭をはじめに消したのはダビンチだと言われている。

次にわかりにくいのが、立体感だ。簡単に説明すると描きこむ(コントラストの差を大きくする)と手前に出てくる。円を描いて中心のあたりを鉛筆で濃くすると、立体的に見える現象である。自分に近い部分を描きこむと立体に見えるというシンプルな仕組みである。

基本的には、立体感と形この2つが後回しにされやすく、その他の要素をいくら描きこんでも、立体感がなく、形がずれるという絵になってしまう。テストでこの2つは減点しやすい。デッサンがなかなかうまくならないと感じるときはこの2つができているか確認するようにしてみると、効率よく上達できるのではないかと感じる。


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