私は親が怖い
私は親が怖い。
これまでずっと親の支配下で生きてきた。
何かをすれば否定され、理由もわからず怒鳴り散らされ、いくら努力しても褒められることがない、そのような環境で生きてきた。
趣味も進学も仕事も全て親の勧めた通りに進んで生き、そして、元々あった障害のせいで仕事ができなくなってドロップアウトした。
仕事を辞め、実家に帰った。
そこでも毎日理由鳴く怒鳴られ、否定される。
いい歳をした大人がだ。
ほとほと嫌になる。
だがそう思えるようになったのは最近のことで、それまではずっと、「自分にどこか悪いところがあるから怒鳴られているのだ、悪いところを探して直さなければ」と思っていた。
しかし、どんなに悪いところを探して直そうとしてもうまくいかなかった。
朝起きられないところ、計画が立てられないところ、優先順位がつけられないところ、嫌なことを先延ばしにしてしまうところ、睡眠時間が長すぎるところ、感覚が過敏すぎるところ、何もかも、直そうとしても直せなかった。
なぜ怒られているのかがわからない。いくら説明してもらっても、理解できないのだ。
親を信用できないと思いながら、少し優しくされれば許してしまう。本当は私が悪いのかもしれないとまた思い始めてしまう。
私は飲んでいる薬の影響で過眠(1日12時間以上寝ないと頭が痛くなる)なのだが、それを怠けのせいだとし、精神科病棟に入院して治して来いと親は言う。
よかれと思って言っている辺り、始末に負えない。
よかれと思って怒鳴り、よかれと思って否定し、よかれと思って精神科病棟にぶち込もうとする。
全く意味がわからない。
理解すればうまく対処できるのかもと思うのだが、その理解すら拒むのだ。
正直、どうしたらいいのかわからない。だがこのままだと私は遅かれ早かれ過眠で精神科病棟に入れられてしまう。
精神科病棟に入りたくないのなら精神障害者の集まる施設に通えと脅されて、月曜日から嫌々体験入所をする予定だが、全く気が進まない。
親が信用できないという気持ちと、本当は親はとても優しい人で、私がどうしようもなくゴミのような社会不適合者で迷惑をかけているから怒鳴っているだけなのだという気持ちが戦っている。いや、後者の方が圧倒的に強いのだ。
親が怖い。怖くてたまらない。そして、支配されているのが嫌でたまらない。
自分がなくなってしまう、心が無になるような。とてつもない無力感。
払えない金額の家賃を収め、毎日家事をし、それでも怒鳴られることを、私は理不尽と言ってもいいのだろうか。
私の気持ちを無視して精神科病棟に入れられそうになっているのを理不尽と言ってもいいのだろうか。
わからない。世間はそれでも親が正しいと言うのかもしれない。全くわからないのだ。
最近は、死んで親に迷惑をかけることで復讐することばかり考えている。
自分がこれまでどれだけつらかったかを伝える方法はそれしかないと思っているからだ。
しかし私は死ぬのが怖い臆病者でもある。
死ぬことを考えつつも、怖くて実行できずにずるずると、ずっと支配されて過ごすのだろう。
それは楽なようで、永遠の地獄でもある。
それでも日常は続く、続いてしまうのだ。
私は親が怖い。